革命(カゼ)を起こせ!
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上を目指そうと努力する天馬もまた、本気のサッカーがしたいからできる姿だ。円堂は気に入ってボールを手から落として片足でキープする。
「じゃ、一緒に作ってみるか」
「監督が!?」
「俺が相手だ。ボールを奪ってみろ!」
「わかりました!」
――それから夜になるまで何度も天馬は円堂相手にチャレンジしてきた。円堂はGKでもリベロを兼ねていることもあったし、ボールを蹴ることは基本なので奪うことは難しい。
天馬が少し勢いをつけると風が舞った。円堂はボールを頭に乗せることでかわしたが、天馬は反動で倒れてしまった。
「今のは惜しかった!」
「でもまだダメです……。わかるんです、まだスピードが足りない……」
「課題点も見えてきた。今日はこのくらいにして、明日またがんばろう」
「……はい。ありがとうございました!」
すぐに完成できなくて残念だったが、天馬は背筋を伸ばすと深々と頭を下げて円堂に感謝をした。
「なあ、うち寄ってくか? 晩メシ食ってけよ」
「監督のうちですか? いいんですか!?」
「ああ、来いよ」
天馬は練習に加えて自宅へ招待されると思わず驚いたが、とても嬉しそうだ。円堂は快く言うと携帯を取り出して操作する。もちろん相手は家にいる妻にである。
「ああ、俺だ。今から客も連れてく……そう、天馬だ。晩メシ一人分追加な」
ピッ。
「よし、行くぞ」
「あの、今のって……?」
要件を言って通話が終わった円堂は携帯を仕舞いながら言うと、天馬は相手が誰なのか気になった。天馬も知っている人物だし普通に答えてもいいのだが、少しイタズラ心が出た円堂はこう答える。
「俺の奥さん」
「えっ……」
「ん?」
「監督、結婚してたんですかー!?」
予想通りのリアクションを天馬はしてくれた。それはきっと自宅に行ったときにさらなる反応を見せてくれるだろうと、円堂はそう思う。
――自宅に戻った円堂が扉を開いて中に入ると天馬も続く。円堂はリビングにいるであろう瑞貴に向けて声を上げた。
「おーい、帰ったぞー!」
「おかえり~」
「こ、こんばんは!」
緊張のあまり天馬は姿も確認せずに頭を下げた。瑞貴は微笑むと天馬に声をかける。
「いらっしゃい、天馬」
「あ、あれ? この声……――な、なんで瑞貴さんがここに!?」
聞き覚えのある声反応してようやく頭を上げた天馬は、私服にエプロンを着ている瑞貴を見て驚いた。それに瑞貴は目をパチクリすると、予想通り過ぎて笑い声を上げるのを堪えようと肩を震わす円堂を見る。
「守、話してなかったの?」
「ククッ……ハハッ……。いや、だって驚かせたら面白いと思ってな」
「まったく……」
「あ、あの~……」
「そうそう、改めて自己紹介するね。円堂守の妻・円堂瑞貴だよ」
…………。
「監督の奥さんが瑞貴さん!? ということは、瑞貴さんの旦那さんが監督!?」
「「ああ/うん」」
「でも、最初に来たときは『井上』って……」
「プロもそうだけど職場では旧姓で通しているの。本名が『円堂』ってわけ」
天馬が思わずポカーンとしていると、円堂は買ってきた牛乳の入った袋を瑞貴に渡す。
「ほら、買ってきたぞ」
「ありがとう。遅いから心配してんたんだよ。天馬が来た様子だと特訓でもしてたの」
「まあな。――ということで!」
「えっ!?」
教え子の前にも関わらず円堂は瑞貴に抱きついた。その光景に天馬は頬を赤くして目を見開き、袋の中身を確認していた瑞貴は反応が遅れてしまったがすぐに我に返る。
「な、何してるの!」
「だってもう部活じゃないんだしいいだろ?」
「アホか!」
ガッ!
「ウッ!」
瑞貴は円堂に容赦なく肘鉄をくらわせた。あまりの痛さに思わず円堂はしゃがんで胸を抑えて体を震わせるが、瑞貴はまったく気にせず天馬に声をかける。
「変なのを見せてごめんね。特訓したならお腹空いたでしょ? さっ、入って」
「は、はい……お邪魔します……」
何事もないように笑う瑞貴に天馬は恐る恐る頷いた。レジスタンスといい、革命といい、監督とコーチが夫婦だったといい、今日は驚いてばかりだった。
「じゃ、一緒に作ってみるか」
「監督が!?」
「俺が相手だ。ボールを奪ってみろ!」
「わかりました!」
――それから夜になるまで何度も天馬は円堂相手にチャレンジしてきた。円堂はGKでもリベロを兼ねていることもあったし、ボールを蹴ることは基本なので奪うことは難しい。
天馬が少し勢いをつけると風が舞った。円堂はボールを頭に乗せることでかわしたが、天馬は反動で倒れてしまった。
「今のは惜しかった!」
「でもまだダメです……。わかるんです、まだスピードが足りない……」
「課題点も見えてきた。今日はこのくらいにして、明日またがんばろう」
「……はい。ありがとうございました!」
すぐに完成できなくて残念だったが、天馬は背筋を伸ばすと深々と頭を下げて円堂に感謝をした。
「なあ、うち寄ってくか? 晩メシ食ってけよ」
「監督のうちですか? いいんですか!?」
「ああ、来いよ」
天馬は練習に加えて自宅へ招待されると思わず驚いたが、とても嬉しそうだ。円堂は快く言うと携帯を取り出して操作する。もちろん相手は家にいる妻にである。
「ああ、俺だ。今から客も連れてく……そう、天馬だ。晩メシ一人分追加な」
ピッ。
「よし、行くぞ」
「あの、今のって……?」
要件を言って通話が終わった円堂は携帯を仕舞いながら言うと、天馬は相手が誰なのか気になった。天馬も知っている人物だし普通に答えてもいいのだが、少しイタズラ心が出た円堂はこう答える。
「俺の奥さん」
「えっ……」
「ん?」
「監督、結婚してたんですかー!?」
予想通りのリアクションを天馬はしてくれた。それはきっと自宅に行ったときにさらなる反応を見せてくれるだろうと、円堂はそう思う。
――自宅に戻った円堂が扉を開いて中に入ると天馬も続く。円堂はリビングにいるであろう瑞貴に向けて声を上げた。
「おーい、帰ったぞー!」
「おかえり~」
「こ、こんばんは!」
緊張のあまり天馬は姿も確認せずに頭を下げた。瑞貴は微笑むと天馬に声をかける。
「いらっしゃい、天馬」
「あ、あれ? この声……――な、なんで瑞貴さんがここに!?」
聞き覚えのある声反応してようやく頭を上げた天馬は、私服にエプロンを着ている瑞貴を見て驚いた。それに瑞貴は目をパチクリすると、予想通り過ぎて笑い声を上げるのを堪えようと肩を震わす円堂を見る。
「守、話してなかったの?」
「ククッ……ハハッ……。いや、だって驚かせたら面白いと思ってな」
「まったく……」
「あ、あの~……」
「そうそう、改めて自己紹介するね。円堂守の妻・円堂瑞貴だよ」
…………。
「監督の奥さんが瑞貴さん!? ということは、瑞貴さんの旦那さんが監督!?」
「「ああ/うん」」
「でも、最初に来たときは『井上』って……」
「プロもそうだけど職場では旧姓で通しているの。本名が『円堂』ってわけ」
天馬が思わずポカーンとしていると、円堂は買ってきた牛乳の入った袋を瑞貴に渡す。
「ほら、買ってきたぞ」
「ありがとう。遅いから心配してんたんだよ。天馬が来た様子だと特訓でもしてたの」
「まあな。――ということで!」
「えっ!?」
教え子の前にも関わらず円堂は瑞貴に抱きついた。その光景に天馬は頬を赤くして目を見開き、袋の中身を確認していた瑞貴は反応が遅れてしまったがすぐに我に返る。
「な、何してるの!」
「だってもう部活じゃないんだしいいだろ?」
「アホか!」
ガッ!
「ウッ!」
瑞貴は円堂に容赦なく肘鉄をくらわせた。あまりの痛さに思わず円堂はしゃがんで胸を抑えて体を震わせるが、瑞貴はまったく気にせず天馬に声をかける。
「変なのを見せてごめんね。特訓したならお腹空いたでしょ? さっ、入って」
「は、はい……お邪魔します……」
何事もないように笑う瑞貴に天馬は恐る恐る頷いた。レジスタンスといい、革命といい、監督とコーチが夫婦だったといい、今日は驚いてばかりだった。