希望の欠片
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――ギャラクシーノーツ号に入った通信は、イシガシ=ゴーラムからのだった。瑞貴から事態の報告を受けて把握したらしく、ニセ剣城のことを瞬木たちに全員に伝える。
〈剣城選手のニセモノは、ファラム・オービアスのスパイだと考えていいでしょう〉
「チッ。スパイかよ……!」
〈ミズカワマネージャーの拉致は、決勝戦まで勝ち進んだみなさんに対するファラム・オービアス側の脅迫行為かもしれません〉
「そのファラム・オービアスに向かってるんだろ、俺たちは」
「それだけ、私たちが脅威だということでしょうか」
決勝戦の相手であり剣城とみのりを拉致した星なので井吹が忌々しげにいうと、座名九郎はこれまでの試合を思い返す。今まで対戦相手に助っ人を送り込んでいた星だ。他の対戦チームにそうしていないという可能性はないが、こうも連戦で助っ人を送り込んでいるということはそれだけ自分たちを排除したいということなのだろう。
〈みなさん、どうか冷静に。血気に逸っては相手の思う壺です。何より、ミズカワマネージャーの安否が心配ですね……〉
「水川なら、大丈夫だ」
「なんでそう言い切れるんスか?」
「まああの人、本当は宇宙人なわけですし……」
「いや、それ以前に幽霊って言う説も……」
「ウッ!?」
問題ないという黒岩に九坂が問いかけると、真名部や皆帆はポトムリが宇宙人であり魂がみのりの体に入っていることを思い出す。その言葉でそういえばそうだったと九坂は思った。
「イシガシさん! 本物の剣城が、今どこにいるか心当たりはありませんか?」
〈……そうですね。ツルギ選手がファラム・オービアスの手に堕ちたのだとすれば、彼らの手によってどこかに幽閉されている可能性が高いかと〉
「どこかって、どこですか!?」
「天馬……」
「あっ……すみません……」
親友である剣城の偽者に違和感はあっても決定的に見抜けなかった天馬は、深く負い目を感じている。先ほどまで部屋にこもっていたほどだ。その焦りが今も出ているので神童に声をかけられるまで冷静さを失ってイシガシに問い詰めてしまった。
〈我々も調査し、救出の手立てを考えましょう。あなた方はどうぞ試合に集中されますよう〉
「でも! ……っつ、わかりました」
〈では私はこれで。さっそく調査を開始します〉
「お願いします! 何かわかったら、すぐに教えてください!」
〈はい。お任せを〉
再び問い詰めるのを思い留まった天馬にそう言ってイシガシは通信を切った。
(そうだ……今は試合に集中しなくちゃ! 剣城だって、俺たちの勝利を願ってるはずだ!)
どのみち剣城とみのりがいる惑星ファラム・オービアスに行くのだ。二人を救出するためにも、決勝戦に勝たなくてはならない。
☆☆☆☆☆
アースイレブンはブラックルームに入り、決勝戦に向けて特訓を始めた。だが、全員内心はチームメイトである剣城の安否が気がかりでもある。
「剣城……! お前のシュートが俺を鍛えてくれた、あの練習がなければ今の俺はない! 必ず勝って、お前を助ける!」
井吹は予選のときから剣城のシュートを受けてGKの練習をして来た。本当の世界大会でも間違いなく代表入りしているだろうと思わせる彼のシュートは、井吹を成長させてくれた。
(剣城……!)
『サッカーは生き物だ。目を背ければ襲いかかって来る野獣だ。食われるのが嫌なら、目を逸らさず全てを見るんだ』
(お前に言われたこと、忘れてないぜ!)
鉄角は剣城からサッカーの恐ろしさと厳しさを教えてもらった。その教えがあったこそ、サッカーと向き合い続けて戦って来たのだ。
「まあまあまあ! みんな気合い入ってるねぇ! 頼もしいねぇ!」
「!」
静音が差し入れにと大量のおにぎりと飲み物を持って来てくれたので、葵は思わず顔が綻んだ。
(俺たちが勝てば、剣城も水川さんもみんな助けられる!)
〈剣城選手のニセモノは、ファラム・オービアスのスパイだと考えていいでしょう〉
「チッ。スパイかよ……!」
〈ミズカワマネージャーの拉致は、決勝戦まで勝ち進んだみなさんに対するファラム・オービアス側の脅迫行為かもしれません〉
「そのファラム・オービアスに向かってるんだろ、俺たちは」
「それだけ、私たちが脅威だということでしょうか」
決勝戦の相手であり剣城とみのりを拉致した星なので井吹が忌々しげにいうと、座名九郎はこれまでの試合を思い返す。今まで対戦相手に助っ人を送り込んでいた星だ。他の対戦チームにそうしていないという可能性はないが、こうも連戦で助っ人を送り込んでいるということはそれだけ自分たちを排除したいということなのだろう。
〈みなさん、どうか冷静に。血気に逸っては相手の思う壺です。何より、ミズカワマネージャーの安否が心配ですね……〉
「水川なら、大丈夫だ」
「なんでそう言い切れるんスか?」
「まああの人、本当は宇宙人なわけですし……」
「いや、それ以前に幽霊って言う説も……」
「ウッ!?」
問題ないという黒岩に九坂が問いかけると、真名部や皆帆はポトムリが宇宙人であり魂がみのりの体に入っていることを思い出す。その言葉でそういえばそうだったと九坂は思った。
「イシガシさん! 本物の剣城が、今どこにいるか心当たりはありませんか?」
〈……そうですね。ツルギ選手がファラム・オービアスの手に堕ちたのだとすれば、彼らの手によってどこかに幽閉されている可能性が高いかと〉
「どこかって、どこですか!?」
「天馬……」
「あっ……すみません……」
親友である剣城の偽者に違和感はあっても決定的に見抜けなかった天馬は、深く負い目を感じている。先ほどまで部屋にこもっていたほどだ。その焦りが今も出ているので神童に声をかけられるまで冷静さを失ってイシガシに問い詰めてしまった。
〈我々も調査し、救出の手立てを考えましょう。あなた方はどうぞ試合に集中されますよう〉
「でも! ……っつ、わかりました」
〈では私はこれで。さっそく調査を開始します〉
「お願いします! 何かわかったら、すぐに教えてください!」
〈はい。お任せを〉
再び問い詰めるのを思い留まった天馬にそう言ってイシガシは通信を切った。
(そうだ……今は試合に集中しなくちゃ! 剣城だって、俺たちの勝利を願ってるはずだ!)
どのみち剣城とみのりがいる惑星ファラム・オービアスに行くのだ。二人を救出するためにも、決勝戦に勝たなくてはならない。
☆☆☆☆☆
アースイレブンはブラックルームに入り、決勝戦に向けて特訓を始めた。だが、全員内心はチームメイトである剣城の安否が気がかりでもある。
「剣城……! お前のシュートが俺を鍛えてくれた、あの練習がなければ今の俺はない! 必ず勝って、お前を助ける!」
井吹は予選のときから剣城のシュートを受けてGKの練習をして来た。本当の世界大会でも間違いなく代表入りしているだろうと思わせる彼のシュートは、井吹を成長させてくれた。
(剣城……!)
『サッカーは生き物だ。目を背ければ襲いかかって来る野獣だ。食われるのが嫌なら、目を逸らさず全てを見るんだ』
(お前に言われたこと、忘れてないぜ!)
鉄角は剣城からサッカーの恐ろしさと厳しさを教えてもらった。その教えがあったこそ、サッカーと向き合い続けて戦って来たのだ。
「まあまあまあ! みんな気合い入ってるねぇ! 頼もしいねぇ!」
「!」
静音が差し入れにと大量のおにぎりと飲み物を持って来てくれたので、葵は思わず顔が綻んだ。
(俺たちが勝てば、剣城も水川さんもみんな助けられる!)