革命(カゼ)を起こせ!
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「欠流が言ってたことは、このことだったんだ……」
「みんな、どうして今までもっと早く言ってくれなかったんですか?」
「すまなかったな、円堂。帝国から完全にフィフスセクターの排除が済むまでは迂闊に動けなかったんだ」
「ヘタに動けば感づかれて、我々は完全にサッカー界から抹殺されてしまうだろう。そうなれば、少年サッカー協会の革命は不可能となってしまうからな」
響木も総一郎も早く連絡を取って安心させてやりたかっただろうが、現状が許してくれなかったのだ。
「その、革命って……?」
「フィフスセクターの絶対的権力者・イシドシュウジから、少年サッカー協会の総帥の座――すなわち、『聖帝』の座を奪い取る!」
「聖帝の座を……?」
円堂の問いを答えたのは鬼道だ。レジスタンスの狙いを反復するように剣城が呟くと、総一郎とシンがその意図を話し始めた。
「そうすれば、我々は以前のような自由なサッカーを取り戻すことができると考えている」
「ホーリーロードの全国決勝大会では、試合ごとに勝ち点を自分たちの支持者に投票することになっている……聖帝を選出する選挙でもある。僕らはイシドシュウジを落選させ、響木さんを新しい聖帝に据えようとしているんだ」
「お前たちは今度の決勝を勝ち上がり、全国大会に行かねばならん。もはや――負けることは許されないのだ」
久遠が忠告するも、神童は恐れることなく決意溢れる目でそう答え、同じ考えを持つ三国も車田も続く。
「もう俺たちは、負けることなど考えてはいません!」
「むしろ心強いです。俺たちだけが反逆の狼煙(ノロシ)を上げているわけじゃなかったんですからね!」
「スゴいことになってきたな……!」
「これもしかして、歴史が動く瞬間に立ち会ってんじゃねぇの?」
「立ち会ってる……思いっきり!」
霧野はさらなる展開に面白そうに笑っていた。水鳥も茜も管理サッカーが崩される一歩となる革命を起こそうとする場にいるのだ。心が躍らない訳がない。
(革命とか、選挙とか、大人の人たちが考えていることは俺にはよくわからない。けど、わかっていることは――俺たちが勝ち続けなくちゃいけないってこと! それから、俺たちはみんなサッカーが大好きだってことだ!)
天馬は自分たちに課せられた使命を受け入れた。この部屋にいる全員は大人も子供も関係なくサッカーを愛し、本気のサッカーを取り戻そうとしている者ばかりなのだから。
「そういえば、シン。このことを義姉(ネエ)さんは知っているの?」
「うん、協力もしてくれてるよ。本当は危険だから僕だけやるつもりだったんだけど、彼女もサッカーを愛する者として、僕だけ行動するなって怒られちゃった」
苦笑して左手で頬をかくシンだが――その薬指には既婚者を示すシンプルなシルバーの指輪が嵌められていた。
☆☆☆☆☆
帝国学園から戻ったあと、グラウンドで朝練する雷門中サッカー部はとてもイキイキとしていた。その様子に登校する生徒たちも思わず足を止めて見てしまうくらい。葵も水鳥も茜もベンチから選手たちの気迫が伝わっていた。
「みんな、変わりましたね」
「ああ、変わった。ちゃんと戦う男の顔してる……。心に強く決めたことがある奴ってのは、いい顔になってくるもんだ!」
「風を起こしてる……」
「風、ですか?」
「雷門が吹く風……!」
「へぇ、カッコいいこと言うじゃねぇか」
春奈はふと見た先で剣城と天馬がボールの奪い合いをしていた。と言っても実力の差があるので剣城がボールをキープし続け、天馬がそれを追いかけるが、少し前まではありえなかった光景だ。
(風、か……。確かにこれは、革命という名の風……!)
その姿を帝国学園との試合を観戦していた元サッカー部の一乃七助と青山俊介も見ていた。
☆☆☆☆☆
レジスタンスの本部では、次の手を打つために会議が開かれていた。佐久間は円堂と瑞貴から受けた報告を話す。
「雷門が決勝に向けての練習を開始しました」
「Bブロック代表が決まるのは、明日だったな」
「恐らく、海王学園に決まるでしょう」
総一郎が隣にいる久遠に尋ねると、久遠は青葉学園対海王学園の試合はどちらが勝つかすでに予測していた。次に響木が鬼道とシンに尋ねる。
「海王学園についての情報は?」
「今持って謎のチームです。特にBブロックはフィフスセクターの指示通りに進んでいるため、我々は海王学園の真の力をまだ知るには至ってはおりません」
「ある情報は選手と監督のデータだけですが、引き続き情報収集を続けます。――革命を成功させるために」
シンの言葉に響木は了承するように頷いた。そして鬼道に顔を向ける。
「それと、鬼道」
「はい」
「お前には新たな任務を与えたい」
「みんな、どうして今までもっと早く言ってくれなかったんですか?」
「すまなかったな、円堂。帝国から完全にフィフスセクターの排除が済むまでは迂闊に動けなかったんだ」
「ヘタに動けば感づかれて、我々は完全にサッカー界から抹殺されてしまうだろう。そうなれば、少年サッカー協会の革命は不可能となってしまうからな」
響木も総一郎も早く連絡を取って安心させてやりたかっただろうが、現状が許してくれなかったのだ。
「その、革命って……?」
「フィフスセクターの絶対的権力者・イシドシュウジから、少年サッカー協会の総帥の座――すなわち、『聖帝』の座を奪い取る!」
「聖帝の座を……?」
円堂の問いを答えたのは鬼道だ。レジスタンスの狙いを反復するように剣城が呟くと、総一郎とシンがその意図を話し始めた。
「そうすれば、我々は以前のような自由なサッカーを取り戻すことができると考えている」
「ホーリーロードの全国決勝大会では、試合ごとに勝ち点を自分たちの支持者に投票することになっている……聖帝を選出する選挙でもある。僕らはイシドシュウジを落選させ、響木さんを新しい聖帝に据えようとしているんだ」
「お前たちは今度の決勝を勝ち上がり、全国大会に行かねばならん。もはや――負けることは許されないのだ」
久遠が忠告するも、神童は恐れることなく決意溢れる目でそう答え、同じ考えを持つ三国も車田も続く。
「もう俺たちは、負けることなど考えてはいません!」
「むしろ心強いです。俺たちだけが反逆の狼煙(ノロシ)を上げているわけじゃなかったんですからね!」
「スゴいことになってきたな……!」
「これもしかして、歴史が動く瞬間に立ち会ってんじゃねぇの?」
「立ち会ってる……思いっきり!」
霧野はさらなる展開に面白そうに笑っていた。水鳥も茜も管理サッカーが崩される一歩となる革命を起こそうとする場にいるのだ。心が躍らない訳がない。
(革命とか、選挙とか、大人の人たちが考えていることは俺にはよくわからない。けど、わかっていることは――俺たちが勝ち続けなくちゃいけないってこと! それから、俺たちはみんなサッカーが大好きだってことだ!)
天馬は自分たちに課せられた使命を受け入れた。この部屋にいる全員は大人も子供も関係なくサッカーを愛し、本気のサッカーを取り戻そうとしている者ばかりなのだから。
「そういえば、シン。このことを義姉(ネエ)さんは知っているの?」
「うん、協力もしてくれてるよ。本当は危険だから僕だけやるつもりだったんだけど、彼女もサッカーを愛する者として、僕だけ行動するなって怒られちゃった」
苦笑して左手で頬をかくシンだが――その薬指には既婚者を示すシンプルなシルバーの指輪が嵌められていた。
☆☆☆☆☆
帝国学園から戻ったあと、グラウンドで朝練する雷門中サッカー部はとてもイキイキとしていた。その様子に登校する生徒たちも思わず足を止めて見てしまうくらい。葵も水鳥も茜もベンチから選手たちの気迫が伝わっていた。
「みんな、変わりましたね」
「ああ、変わった。ちゃんと戦う男の顔してる……。心に強く決めたことがある奴ってのは、いい顔になってくるもんだ!」
「風を起こしてる……」
「風、ですか?」
「雷門が吹く風……!」
「へぇ、カッコいいこと言うじゃねぇか」
春奈はふと見た先で剣城と天馬がボールの奪い合いをしていた。と言っても実力の差があるので剣城がボールをキープし続け、天馬がそれを追いかけるが、少し前まではありえなかった光景だ。
(風、か……。確かにこれは、革命という名の風……!)
その姿を帝国学園との試合を観戦していた元サッカー部の一乃七助と青山俊介も見ていた。
☆☆☆☆☆
レジスタンスの本部では、次の手を打つために会議が開かれていた。佐久間は円堂と瑞貴から受けた報告を話す。
「雷門が決勝に向けての練習を開始しました」
「Bブロック代表が決まるのは、明日だったな」
「恐らく、海王学園に決まるでしょう」
総一郎が隣にいる久遠に尋ねると、久遠は青葉学園対海王学園の試合はどちらが勝つかすでに予測していた。次に響木が鬼道とシンに尋ねる。
「海王学園についての情報は?」
「今持って謎のチームです。特にBブロックはフィフスセクターの指示通りに進んでいるため、我々は海王学園の真の力をまだ知るには至ってはおりません」
「ある情報は選手と監督のデータだけですが、引き続き情報収集を続けます。――革命を成功させるために」
シンの言葉に響木は了承するように頷いた。そして鬼道に顔を向ける。
「それと、鬼道」
「はい」
「お前には新たな任務を与えたい」