限りある時間! 永遠の友情‼
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グラッ……バタンッ。
すると突然コメッキーの動きが鈍くなり前倒しになって倒れた。何事かと鉄角たちは驚く。
「倒れたぞ……?」
「寿命だよ」
「寿命? ――寿命って、死んだってことか!?」
「うん」
「「「「「ええっ!?」」」」」
バンダの言葉に九坂は一瞬何を言っているのかわからなかったが、次いで理解して声を上げると、バンダはなんてことのないように頷いた。これにはさすがに他のみんなも驚く。
しかし先ほどまで元気よくサッカーしていたのに、信じられなくて九坂は思わず指差して再び問いかける。
「死んだって……今、サッカーしてただろ?」
「うん。でも、寿命がきたからね」
「そんな歳には見えないが……」
「そうかもしれないね。彼の寿命は君たちの星の長さで言えば……一ヶ月だから」
「一ヶ月!?」
井吹も先ほどの動きや顔立ちからしてコメッキーがかなりの歳には見えないと言う。でもバンダが答えた寿命は一年にも満たないので、アースイレブンは戸惑いを受ける。
「彼だけじゃないよ。この星の人たちはみんなそう。僕たちの寿命は、平均一ヶ月で、長い人でも一年。一週間で寿命が尽きる人もいるんだ」
「そんなの、悲し過ぎる……」
「別に悲しくないよ。それがこの星では当たり前なんだ。それだけ早く命が産まれて、受け継がれていくだけさ。う~ん……君たちの星とは時間の流れが違うってことかな」
「かもしれないけど!」
「さくらちゃん、そこまで」
平然と受け入れるバンダたちと違い、生きる時間の長さを痛感する九坂とさくら。中でもさくらは尚もバンダに食ってかかろうとしたが、瑞貴が両肩に手を置いて止めた。
「瑞貴さん……」
「私たちの星に生きるセミも、成虫になれば寿命は基本一週間しかないでしょ。そして私たち寿命もまた限られている。永く生きることはできなくても、技術や伝統は受け継ぐ限りその人の心は生き続けるんだよ。この星の人たちもまたそうでしょう?」
「うん。それに彼は、自分のテクニックをティスに伝えるという役目を、ちゃんと果たして寿命を終えた。僕たちはそうやって、確実に次の世代へと技術を伝えていくんだ」
瑞貴の問いにバンダは頷いた。ラトニークイレブンもティスを始め一部のメンバーが大きな葉を担架代わりにしてコメッキーの遺体を運んでいる。これから埋葬するのだろう。
「…………」
「クサカくん? 肩、どうしたの?」
「肩? ああ……」
「ちょっと、診せて」
左肩を抑えた九坂を見つけたバンダは声をかける。しかし九坂もまた無意識だったのか不思議そうに上着を脱ぐと……なんと九坂の左肩の一部が紫色になっていたので、鉄角も瑞貴も真名部たちも驚いた。
「なんだそれ!?」
「青痣、じゃないよね……?」
「何かの、紋様みたいですが……」
「マドワシソウだよ……」
「どういうこと?」
「恐らく、昨日襲われたときに消化液がかかったんだ」
「あのときか!」
バンダの言うことに心当たりがあった九坂は昨日のことを思い出す。最初に吐き出された紫の液体が肩にかかったのだ。マドワシソウは危険な植物だったし最悪の状態なのではないかと空野葵は問いかける。
「それって、危険なの!?」
「うん。放っておいたら全身に毒が回って、動けなくなる」
「「「「「ええっ!?」」」」」
「そんな!」
「まあ、でも大丈夫だよ。今から処置すれば問題ないから」
「「「「「ホッ……」」」」」
「脅かすなよ……」
最初にバンダから聞いて天馬たちは思わず最悪の事態を考えてしまったが、治療方法がちゃんとあると言われて驚き損だと鉄角は思った。