翼を捨てた戦士たち
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「全く知らない、というわけではないですよね」
「……何故そう思う?」
「先ほど私が赤い石の話をしたとき、他のみなさんは明らかに動揺していました。まるで『あのことじゃないか』というように。察するに『希望のカケラの赤い石』という話は知らなくても、『何か特別を意味する赤い石』は知っているってことですよね。……それなのに、長のあなたが知らないはずがないかと」
「…………」
どこか確信を持つ瑞貴の言葉にログロスは沈黙して彼女を見やると、瑞貴は尚も逸らさずまっすぐに見つめ返す。それにログロスは立ち上がった。
「ならば一つ聞くが、その話――宇宙を救えるという話にはどれほどの信憑性があるのだ?」
「っ!」
「それは――」
「その少女と交信しているのは、俺の仲間です。そいつの言うことを疑っている者もいます。真実はわかりません。ですが、俺は信じてみたいと思っています!」
口を紡ぐ井吹の代わりに瑞貴が答えようとすると、それよりも先に答えたのは立ち上がった神童だった。
「謎の少女か……不思議な話だ。エンドウ、そしてシンドウと言ったな」
「「はい」」
「お前たちはすでに見たであろう。翼を捨て、機械化に溺れた者たちの姿を、町の様子を。あの者たちは発展のみを追い求め、大切なモノを見失っておる。ありのままの自分や、この星を信じられなくなっているのだ。自然の象徴であるソウルさえも。そして、その者たちを率いているのが私の息子、アルベガなのだ」
「「「!」」」
「えっ!?」
「アルベガと長老が、親子!?」
「っ!」
瑞貴と神童と同じように目を見開いたあと、井吹の脳裏には練習中に自分が守るゴールにシュートしてきたアルベガの姿だ。挑発的に笑い自分たちを見下してきたことを思い出し、拳を手の平に叩きつける。
「挨拶代わりに一発ぶち込んでくれたぜ!」
「ム? そうか、すでに出会っていたか。……あやつは、機械化を否定する我らに知らしめたいのだ」
背を向けたログロスは、グランドセレスタギャラクシーが始まる少し前のことを思い出す。
☆☆☆☆☆
惑星存亡を賭けた戦いのため、東西の種族が代表を出し会議をすることになった。もちろん東の種族の代表はログロス、西の種族の代表はアルベガだ。
ダンッ!
『大会には俺たちが出る! この進化した体でソウルを使う者たちを倒し、優勝することで俺たちの正当性を証明する!』
ダンッ!
二度もテーブルに拳を叩きつけるのは、絶対的な自信と機械化を否定する父を始め東の種族への怒りも相まっているのだろう。それに対しログロスは……。
『好きにするがいい。我らは誰も止めはせん』
『フンッ! 腰抜け共め。この星を守ろうとする気概もないのか!』
『我らは自然を重んずる。だが執着はしていない。愛でていた花もやがては枯れる。消失もまた、自然の営みの一つ』
『ついて行けんな。あんたと縁を切って本当によかったぜ』
☆☆☆☆☆
「愚かな息子だ……。ガードンとの試合、全力で戦ってほしい」
「「「!」」」
負ければこの星を明け渡さなければならないのに、ログロスは止めるどころか戦うことに異を唱えなかった。三人は驚いて顔を見合わせるが、すぐに頷くとログロスに顔を向け、今まで座っていた瑞貴もまた立ち上がる。
「もちろん、俺たちは全力で戦います!」
「当然だ!」
「正々堂々と!」
「しかし息子たちは強いぞ。心してかからねば、今のお前たちで果たして勝てるかどうかだがな。エンドウ、お前は試合に出ないのだろう?」
「はい。私はコーチですし、試合に特化したソウルではないので……」
「「…………」」
三人はログロスが何を言わんとするのかを察した。瑞貴は試合向けではなく潜在能力を上げるソウルだ。さらに神童と井吹に至っては、まだソウルを出せない。
「……何故そう思う?」
「先ほど私が赤い石の話をしたとき、他のみなさんは明らかに動揺していました。まるで『あのことじゃないか』というように。察するに『希望のカケラの赤い石』という話は知らなくても、『何か特別を意味する赤い石』は知っているってことですよね。……それなのに、長のあなたが知らないはずがないかと」
「…………」
どこか確信を持つ瑞貴の言葉にログロスは沈黙して彼女を見やると、瑞貴は尚も逸らさずまっすぐに見つめ返す。それにログロスは立ち上がった。
「ならば一つ聞くが、その話――宇宙を救えるという話にはどれほどの信憑性があるのだ?」
「っ!」
「それは――」
「その少女と交信しているのは、俺の仲間です。そいつの言うことを疑っている者もいます。真実はわかりません。ですが、俺は信じてみたいと思っています!」
口を紡ぐ井吹の代わりに瑞貴が答えようとすると、それよりも先に答えたのは立ち上がった神童だった。
「謎の少女か……不思議な話だ。エンドウ、そしてシンドウと言ったな」
「「はい」」
「お前たちはすでに見たであろう。翼を捨て、機械化に溺れた者たちの姿を、町の様子を。あの者たちは発展のみを追い求め、大切なモノを見失っておる。ありのままの自分や、この星を信じられなくなっているのだ。自然の象徴であるソウルさえも。そして、その者たちを率いているのが私の息子、アルベガなのだ」
「「「!」」」
「えっ!?」
「アルベガと長老が、親子!?」
「っ!」
瑞貴と神童と同じように目を見開いたあと、井吹の脳裏には練習中に自分が守るゴールにシュートしてきたアルベガの姿だ。挑発的に笑い自分たちを見下してきたことを思い出し、拳を手の平に叩きつける。
「挨拶代わりに一発ぶち込んでくれたぜ!」
「ム? そうか、すでに出会っていたか。……あやつは、機械化を否定する我らに知らしめたいのだ」
背を向けたログロスは、グランドセレスタギャラクシーが始まる少し前のことを思い出す。
☆☆☆☆☆
惑星存亡を賭けた戦いのため、東西の種族が代表を出し会議をすることになった。もちろん東の種族の代表はログロス、西の種族の代表はアルベガだ。
ダンッ!
『大会には俺たちが出る! この進化した体でソウルを使う者たちを倒し、優勝することで俺たちの正当性を証明する!』
ダンッ!
二度もテーブルに拳を叩きつけるのは、絶対的な自信と機械化を否定する父を始め東の種族への怒りも相まっているのだろう。それに対しログロスは……。
『好きにするがいい。我らは誰も止めはせん』
『フンッ! 腰抜け共め。この星を守ろうとする気概もないのか!』
『我らは自然を重んずる。だが執着はしていない。愛でていた花もやがては枯れる。消失もまた、自然の営みの一つ』
『ついて行けんな。あんたと縁を切って本当によかったぜ』
☆☆☆☆☆
「愚かな息子だ……。ガードンとの試合、全力で戦ってほしい」
「「「!」」」
負ければこの星を明け渡さなければならないのに、ログロスは止めるどころか戦うことに異を唱えなかった。三人は驚いて顔を見合わせるが、すぐに頷くとログロスに顔を向け、今まで座っていた瑞貴もまた立ち上がる。
「もちろん、俺たちは全力で戦います!」
「当然だ!」
「正々堂々と!」
「しかし息子たちは強いぞ。心してかからねば、今のお前たちで果たして勝てるかどうかだがな。エンドウ、お前は試合に出ないのだろう?」
「はい。私はコーチですし、試合に特化したソウルではないので……」
「「…………」」
三人はログロスが何を言わんとするのかを察した。瑞貴は試合向けではなく潜在能力を上げるソウルだ。さらに神童と井吹に至っては、まだソウルを出せない。