翼を捨てた戦士たち
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「……瑞貴さん、神童。あの話、信じていいのか?」
「天馬が言っていることか?」
「カトラ姫の宇宙を救う方法っていう話?」
「ああ」
確かに話を聞いただけでは半信半疑だし、カトラの姿は天馬以外の誰も見たことがない。さらにカトラと同郷のポトムリ=エムナトルは星の消滅と共に死んだと言っていた。だから井吹は判断材料が少ないので話を鵜呑みにできなかった。
だから『信じる』と告げた神童と瑞貴に問うと、二人は顔を見合わせてフッと笑う。
「天馬はどんな状況のときでもあきらめない。今回の代表チームだってそうだった。俺は、選ばれたメンバーが素人ばかりと知って絶望したが、あいつは『なんとかなる』と信じてみんなを引っ張っていった……。そんなあいつを、俺は信じてやりたいと思っている」
「うん。そうやって真っ直ぐな天馬だからこそ、信じてみたいって思えるの。宗正くんだってそうじゃない?」
「!」
瑞貴の言葉に井吹は過去を思い出した。自分を含め素人集団を相手に最初の頃、神童は早々に見切りをつけ、剣城京介は言えば練習に付き合うが自分から動こうとはしなかった。天馬だけがずっと手を差し伸べていたのだ。
「俺もキャプテンを信じてみるか。さっさと戻ろうぜ、キャプテンの元へ」
「井吹……」
「みんなも心配しているよね。さて、この崖をどう登ろうか……」
フワッ……トンッ
「「「!」」」
風が軽くなびく音と何かが着地した音に三人は振り向くと、串型の岩場に白い翼を持つ少し年老いたガードン人がいた。
「なんだ、こいつは……?」
「両腕が機械じゃなく、本物の翼……!」
「東の、種族……!?」
自分たちが目的とした東の種族に、井吹と瑞貴と神童はついに会えた。
――三人は年老いたガードン人に呼ばれた他の翼を持つガードン人によって、崖下の岩場からフルスの里に連れて行ってもらった。そこには彼と同じように両腕が翼のガードン人がたくさんいる。
屋敷へと招かれた三人は、神童、瑞貴、井吹の順に横並びになり両端に並ぶガードン人に挟まれる中、上座にいる年老いたガードン人――ログロス=ゴードンに感謝の言葉を告げる。
「危ない所を救っていただき、ありがとうございました」
「あなた方は私たちの命の恩人です。心から感謝します」
「助かりました」
「ここは我らの縄張り。何故、チキュウ人が踏み入った」
ログロスは三人の言葉に返すことなく、どうしてあそこにいたのかと尋ねると瑞貴が代表として発言する。
「私たちは、あなた方に尋ねたいことがあって来ました。――この星にあるという、赤い石を知りませんか?」
「「「「「「!」」」」」」
瑞貴がそう尋ねると、周りにいる他のガードン人が反応した。しかしログロスだけは動揺もせずさらに瑞貴に問いかける。
「何故その赤い石とやらを求めるのだ?」
「それは……宇宙を救うためです」
「何?」
「本来、星の存続をサッカーの勝敗で決めるなんて間違っています。赤い石があれば、この宇宙の危機を救えるかもしれないんです」
「ホォ、何を根拠に?」
「私たちに、どこかわからない遠い場所から交信して来る少女がいます。四つの希望のカケラを集めて彼女の元に辿り着ければ、全ての星を救うことができるというのです。彼女は、この星で赤い石を探せと言いました」
「それで赤い石というわけか。――フンッ、安易な」
「教えてください。その赤い石のことを!」
「我らは何も知らん」
「「「「「「…………」」」」」」
ログロスを始め他のガードン人も答えない。ログロスと瑞貴を交互に見た井吹は痺れを切らして立ち上がると声を荒げる。
「おい! しらばっくれずに教えてくれよ!」
「井吹……」
「落ち着いて、宗正くん」
「でも、瑞貴さん!」
反対に神童は座ったままで井吹に顔を向けると、さらに瑞貴がそれを制しログロスを見て問い返す。
「天馬が言っていることか?」
「カトラ姫の宇宙を救う方法っていう話?」
「ああ」
確かに話を聞いただけでは半信半疑だし、カトラの姿は天馬以外の誰も見たことがない。さらにカトラと同郷のポトムリ=エムナトルは星の消滅と共に死んだと言っていた。だから井吹は判断材料が少ないので話を鵜呑みにできなかった。
だから『信じる』と告げた神童と瑞貴に問うと、二人は顔を見合わせてフッと笑う。
「天馬はどんな状況のときでもあきらめない。今回の代表チームだってそうだった。俺は、選ばれたメンバーが素人ばかりと知って絶望したが、あいつは『なんとかなる』と信じてみんなを引っ張っていった……。そんなあいつを、俺は信じてやりたいと思っている」
「うん。そうやって真っ直ぐな天馬だからこそ、信じてみたいって思えるの。宗正くんだってそうじゃない?」
「!」
瑞貴の言葉に井吹は過去を思い出した。自分を含め素人集団を相手に最初の頃、神童は早々に見切りをつけ、剣城京介は言えば練習に付き合うが自分から動こうとはしなかった。天馬だけがずっと手を差し伸べていたのだ。
「俺もキャプテンを信じてみるか。さっさと戻ろうぜ、キャプテンの元へ」
「井吹……」
「みんなも心配しているよね。さて、この崖をどう登ろうか……」
フワッ……トンッ
「「「!」」」
風が軽くなびく音と何かが着地した音に三人は振り向くと、串型の岩場に白い翼を持つ少し年老いたガードン人がいた。
「なんだ、こいつは……?」
「両腕が機械じゃなく、本物の翼……!」
「東の、種族……!?」
自分たちが目的とした東の種族に、井吹と瑞貴と神童はついに会えた。
――三人は年老いたガードン人に呼ばれた他の翼を持つガードン人によって、崖下の岩場からフルスの里に連れて行ってもらった。そこには彼と同じように両腕が翼のガードン人がたくさんいる。
屋敷へと招かれた三人は、神童、瑞貴、井吹の順に横並びになり両端に並ぶガードン人に挟まれる中、上座にいる年老いたガードン人――ログロス=ゴードンに感謝の言葉を告げる。
「危ない所を救っていただき、ありがとうございました」
「あなた方は私たちの命の恩人です。心から感謝します」
「助かりました」
「ここは我らの縄張り。何故、チキュウ人が踏み入った」
ログロスは三人の言葉に返すことなく、どうしてあそこにいたのかと尋ねると瑞貴が代表として発言する。
「私たちは、あなた方に尋ねたいことがあって来ました。――この星にあるという、赤い石を知りませんか?」
「「「「「「!」」」」」」
瑞貴がそう尋ねると、周りにいる他のガードン人が反応した。しかしログロスだけは動揺もせずさらに瑞貴に問いかける。
「何故その赤い石とやらを求めるのだ?」
「それは……宇宙を救うためです」
「何?」
「本来、星の存続をサッカーの勝敗で決めるなんて間違っています。赤い石があれば、この宇宙の危機を救えるかもしれないんです」
「ホォ、何を根拠に?」
「私たちに、どこかわからない遠い場所から交信して来る少女がいます。四つの希望のカケラを集めて彼女の元に辿り着ければ、全ての星を救うことができるというのです。彼女は、この星で赤い石を探せと言いました」
「それで赤い石というわけか。――フンッ、安易な」
「教えてください。その赤い石のことを!」
「我らは何も知らん」
「「「「「「…………」」」」」」
ログロスを始め他のガードン人も答えない。ログロスと瑞貴を交互に見た井吹は痺れを切らして立ち上がると声を荒げる。
「おい! しらばっくれずに教えてくれよ!」
「井吹……」
「落ち着いて、宗正くん」
「でも、瑞貴さん!」
反対に神童は座ったままで井吹に顔を向けると、さらに瑞貴がそれを制しログロスを見て問い返す。