灼熱の惑星ガードン!
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バシュンッ!
「「「「「!」」」」」
「っ!」
飛んで行ったボールに向かってジャンプし、井吹宗正がいるゴールへ撃ち込んだ者がいた。
思わぬ乱入者に今までラインの外にいた瑞貴は動いて選手たちの前に立って警戒をする。そして皆帆を始め全員動きを止めて見やると、乱入者の両腕は翼ではなく機械になっていた。
「あの腕……機械推進派のガードン人だね」
「我が名はアルベガ=ゴードン。ガードンの代表として挨拶に参った次第」
「それはわざわざ、ありがとうございます。ですが……」
「これがガードン流の挨拶なのか?」
「ケンカ売ってんのか?」
「九坂、挑発に乗っちゃダメだ」
「…………」
警戒をする瑞貴と神童や、くってかかろうとする九坂とそれを止める天馬、彼らを見てアルベガはニヤリと笑った。改めて間近で機械推進派のガードン人を見て、真名部はどこか感心するように呟いた。
「しかし、本当に機械化された腕なのですね」
「フンッ。単に翼を捨てた鳥人間じゃないか」
「翼など必要ない! 我々は究極の進化のために翼を捨てたのだ!」
「「「「「!」」」」」
瞬木がどうってことのないと告げると、アルベガは力強く言い放った。
「そしてこれによりあらゆる物を作り出す力を手に入れた……この腕によって生み出される創造の力だ。――覚悟しておけ! お前たちはここで負ける運命にあるのだ。究極の進化を遂げた我々の力を、思い知るがいい!」
アースイレブンに向かって真っすぐ指差して告げたアルベガはそう言い残し、背を向けてフィールドを去って行った。
「宣戦布告というところか……」
「っ……!」
アルベガの迫力が本物だったので神童はそう感じ、天馬も試合への緊張が高まった。
☆☆☆☆☆
ファラム・オービアスでは、剣城の言葉の真実を知るためにララヤはお忍びで市街地・オービアススクエアに向かうことにした。ララヤはいつもの紫のドレスではなく、白いドレスを着てフードを被ったお忍び姿になり、剣城と共に街中を歩いている。
「だーれもわらわとは気づいておらぬようじゃな。フフフッ」
ちょっとのうしろめたさと変装が完璧だった嬉しさで、ララヤはイタズラっ子のように笑った。
「いつもと変わらぬ様子ではないか」
「よく見ろ、人々の顔を」
「ん?」
剣城にそう言われたララヤが改めて住民を見ると、少し前に自分が大仰にやって来たときとは違い全員浮かない顔をしていた。
「誰も、笑っておらぬ……?」
「見せたいモノはまだある」
剣城に促され、ララヤが次に訪れたのはうらぶれた露地だった。表の賑わいと違いさらに寂しく、人々は中心の焚き火に当たっていた。
「っ、これは……!?」
「彼らは財産を奪われ、家を失った人たちだ」
「奪われた……? 誰がそのようなことを!?」
「上級貴族たちだ」
「なんじゃと!?」
「全ては、上級貴族が贅沢な暮しを保つため、彼らから何もかも奪い取ったんだ」
「そんなこと……あるはずが……」
「お前の父、国王・アクロウスが本当に造りたかった国は、こんな国なのか?」
「…………!」
初めて国の闇による民の影響を見たララヤは、悲しみとショックが相まって涙を浮かべた。
☆☆☆☆☆
ガードンイレブンがいる施設内の廊下に、ガードン人ではない者たちが訪れた。その三人の内の一人を見たとき、ヴェスやネバドを引き連れたアルベガは半ば呆れるように言う。
「ロダン=ガスグス、またお前か」
「言ったはずだぜ! 俺たちに助太刀はいらねぇってな!」
「プッフフフフッ! 僕にはわかるんだよねぇ、今のチームじゃ君たちは勝てないって。ファラム・オービアス紫天王の僕が言うんだよ?」
「我々の勝利は我々だけの手ででつかむ。そう……この腕でな。何度も同じことを言わせるな」
拳を握りしめたアルベガはそう言うと、ヴェスとネバドと共にロダン=ガスグスたちの隣を通り過ぎて去って行こうとしたが……。