皆帆のオウンゴール!
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ギャラクシーノーツ号に戻った天馬は、ミーティングルームに集まった葵を始めとするみんなに先ほど持って来た水色の石を見せた。
「二つ目の石?」
「うん。やっぱりカトラはいる、俺たちを導いてくれてるんだ」
頷いた天馬は壁際にいる水川みのりに――いや、正確には彼女の中にいるポトムリ=エムナトルに向かってそう言ったが……。
「ありえないわ」
「ちゃんと声だって聞いたんだよ! どうしてカトラがいないって言いきれるの?」
「っ! それは、私が……最後までおそばにいたからよ。カトラ姫が亡くなる直前までに」
「「「「「ええっ!?」」」」」
「話してあげるわ。あの日、何が起こったのか。私が見た恐ろしい光景を……」
そう言ったみのりは、そのあと瑞貴が持って来たピエロのぬいぐるみに魂を移した。そして再び気を失ったみのりを瑞貴が支えて椅子に座らせている間、鉄角はポトムリの行動に苦笑する。
「いちいちピエロになんなきゃ説明できないのかよ!?」
「見て!」
「「「「「!」」」」」
葵が促した先を天馬たちは見ると、ポトムリのうしろにあるモニターに男のうしろ姿が映った。そしてポトムリがモニターに向かって振り向くと、鏡のように男も振り向いたので天馬たちからは男の姿を正面で見えた。
「えっ? これって……?」
「これが、私の本当の姿です」
「本当の?」
「「「「「ええぇぇえええ!?」」」」」
ピエロのぬいぐるみやみのりに魂を宿していたポトムリ自身の姿は初めて見るため、好葉たちは驚きの声を上げた。そんな彼らを余所にポトムリは言葉を続ける。
「私の故郷・惑星キエルが変異型ブラックホールに飲み込まれたことは、すでにお話しした通りです。科学者だった私はキエルを救うため、『コズミックプラズマ光子砲』の開発にあたっていました」
「こずみっく…ぷらずま……こ、こうしほう?」
「ブラックホールをも消し去る力を有する兵器です」
「ブラックホールを消すって……!?」
ポトムリが告げるブラックホールを消す兵器の存在に、九坂や真名部たちは驚いた。そしてポトムリは目を閉じてあの日のことを思い出しながら語る。
「開発は順調に進みましたが、あと一歩という所で行き詰ってしまいました……。構造的には完成したものの、コズミックプラズマのとてつもないエネルギーに耐えうる金属、『ミスリル』を造り出すことができなかったのです」
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このままでは間に合わないと考えたキエルの幹部たちは、故郷再建の日のために惑星キエルの姫・カトラだけは星から脱出していただくことで復興を。ポトムリたちはブラックホールの引力を振り切ることのできる最後の救命艇を造った。しかし……。
『民を残して、自分だけ逃げることなどできません。私はこの星の王女なのです。この星と運命を共にせねばなりません。生き延びねばならないのは……――ポトムリ、あなたのほうです』
『姫!? 何をおっしゃいます!?』
『あなたにはたくさんの人々を救うことができる、そんな力が備わっているのです。いつか同じような境遇の星に出会ったとき、あなたがいれば、その星の人たちを救ってあげられるでしょう? かけがえのないその頭脳とその手で希望を生み出すこと、それができるのはあなただけです』
『ですが、カトラ様……――っ!』
『頼みましたよ』
跪く自分の前にカトラは目線を合わせるように跪き、ポトムリのコメカミに手を当てた。それでもポトムリは否定しようとしたが、覚悟を決めて優しい微笑みを自分に向けるカトラに、最後の命令と共に宇宙の命運を託されたのだと気づいた。
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「そう言って、カトラ様は私を脱出させてくださったのです……。私などのような者を、ご自分の命よりも大切だとおっしゃって……。ただ、ブラックホールの引力は想定以上で、私は魂だけの存在になってしまいました……」
「「「「「……………」」」」」
天馬以外は会ったことのないカトラの勇気と覚悟を、この場にいるメンバーは強く感じ取った。……思惑を持つニセ剣城を除いて。
「ですから、カトラ様が生きていることなどありえないのです! カトラ様には、あのときすでに脱出する術(スベ)などなく、星と共にブラックホールに飲み込まれたはず……そして、私も……」
「ポトムリ……」
顔をうつむけるポトムリには、その状況を話すことも辛いのだと天馬たちは気づいた。それでも、天馬はこれまで出会ったカトラの存在が嘘だとは思わない。
「でもカトラは、俺たちを導いてくれてる! 宇宙を救うために!」
「ならば、何故君なのだ!? 何故カトラ様は、私の元に現れないのだ!?」
「そう、言われても……」
「私には信じられない……。カトラ様が、生きておられるとは……!」
「ポトムリ……」
カトラは今の所天馬の前にしか姿を現さない。それがポトムリにとって信じ難く、たとえ生きていても同郷の自分より何故天馬に姿を見せるのかという疑問により、天馬の話がポトムリには信じられないのだ。
☆コーチの 今日の格言☆
自分たちの能力を生かすのもまた一つのプレースタイル
以上!!