円堂監督と##NAME2##コーチ登場!!
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コーンを等間隔に置いた天馬はさっそくドリブルの練習を始めた。信助も葵に手伝ってもらい、ヘディングの練習を始める。
(やるぞ! 誰にも負けないドリブルができるようになるんだ!)
「正面に、相手の正面に返す!」
「いくわよ、はい!」
「正面に!」
向かいに葵が投げたボールを信助はヘディングで撃ち返した。
ベンチで瑞貴は今後のために二人の様子を記録していると、円堂の隣のベンチに座っていた春奈が呟く。
「二人じゃさすがに寂しいですね……」
「「今日は二人でも、必ず全員がそろう日が来る」」
「えっ?」
「みんな、本当のサッカーをやりたいはずだ」
「その気持ちがあれば、必ずやってくるよ。些細なことでもキッカケを作れば、変わるモノがある」
円堂も瑞貴も全員が本当のサッカーをやりたいという気持ちを見破っていた。それを信じて待っている。
その証拠に、河川敷の両側を繋ぐ橋の上で制服姿の霧野が見ていたのを瑞貴は発見した。彼はしばらく見たあとどこかに行ってしまったが、様子を見に来てくれただけでも嬉しかった。
「瑞貴?」
「あっ、ごめん」
瑞貴が別の方向を見ていたので円堂は話しかけると、彼女は苦笑して改めて記録を付け始める。瑞貴が見た橋を円堂も目を向けるが、誰もいなかったので不思議に思った。
☆☆☆☆☆
稲妻町にある豪邸の自室で神童は目を閉じながらピアノを弾いていた。だが、頭の中では先日のことでいっぱいだ。
栄都学園サッカー部の一人の母親から息子を活躍させるため賄賂のチケットを渡されたこと、必死な勝とうとしていた天馬、パスし続ける天馬の訴えについにシュートした自分、久遠の辞任……そこで目を見開いて鍵盤を両手で叩いた。
「俺は…なんてことを……!」
コンコンコン。
「はい……?」
「霧野様がお見えになりました」
「霧野……? 通して」
「かしこまりました」
扉の外にいる使用人に許可を出すと神童は霧野を迎え入れるために立ち上がる。
部屋に通された霧野は神童と共にソファに座り、使用人は二人に紅茶を用意すると去って行った。
「大丈夫か?」
「ああ……」
口ではそう言うが顔をうつむける神童は元気がない。霧野は紅茶をひと口飲むとさっそく本題を話す。
「今日、新しい監督とコーチが来た。誰だと思う?」
「誰って?」
「円堂守と井上瑞貴」
「っ!?」
その名前で初めて神童は目を見開いて顔を上げた。自分たちも驚いたのだから当然の反応だと霧野は思う。
「やっぱり驚くよな」
「本当に、あの円堂さんが? それに瑞貴姉さんが――……あっ」
「俺も気づいたときは危うく呼びそうになった。次からはその呼び方を直さないとな」
「ああ……」
十年前に二人は瑞貴に会ったことがある。と言っても自分たちは名乗ることはしなかったが、神童のボールを使って正確にひったくり犯に向かってシュートを撃った感動と衝撃は今でも忘れられない。
瑞貴が名前を名乗った瞬間で雷門中サッカー部の試合もイナズマジャパンの試合も予選のときも予定が合えばスタジアムで観戦したし、本選ではテレビ越しで応援していた。幼い頃から見る度に『瑞貴姉ちゃん』と呼んでいたので、たまに癖が出る。
「でも、ちょっと変わってるぜ。いきなり『勝つための特訓をやる』と言い出した。しかも河川敷で」
「ええっ!?」
「まっ、誰も行かないと思うな。新入りは行くみたいだけど」
「勝つための特訓……」
神童は紅茶に揺れながら浮かぶ自分の顔を見て、何かを思うように呟いた。
そもそもいつも真剣勝負ができるなら特訓は当然のようにやっている。それがフィフスセクターのせいでできないから苦しいのだ。
☆☆☆☆☆
夕方になり始めても他の選手は姿を現さない。来たと言えば剣城がシードとして興味があるのか、離れた場所で見学しているだけだが、時折瑞貴を見て眉を下げていた。
ドリブルする天馬とヘディングする信助は、ずっと同じ特訓をしたせいか上達もだいぶしてきた。それぞれの伸びしろや欠点をデータに起こした瑞貴は円堂に顔を向けると、それがわかった円堂も頷いて二人に向かって叫ぶ。
「よし! 次の特訓だ!」
上げたボールを信助がヘディングで天馬にパスし、天馬も軽く蹴るとそれを取った円堂がドリブルを始めて二人はそれを追う。
「天馬は俺を追ってドリブル! 合図した信助にパスだ!」
「はい!」
(やるぞ! 誰にも負けないドリブルができるようになるんだ!)
「正面に、相手の正面に返す!」
「いくわよ、はい!」
「正面に!」
向かいに葵が投げたボールを信助はヘディングで撃ち返した。
ベンチで瑞貴は今後のために二人の様子を記録していると、円堂の隣のベンチに座っていた春奈が呟く。
「二人じゃさすがに寂しいですね……」
「「今日は二人でも、必ず全員がそろう日が来る」」
「えっ?」
「みんな、本当のサッカーをやりたいはずだ」
「その気持ちがあれば、必ずやってくるよ。些細なことでもキッカケを作れば、変わるモノがある」
円堂も瑞貴も全員が本当のサッカーをやりたいという気持ちを見破っていた。それを信じて待っている。
その証拠に、河川敷の両側を繋ぐ橋の上で制服姿の霧野が見ていたのを瑞貴は発見した。彼はしばらく見たあとどこかに行ってしまったが、様子を見に来てくれただけでも嬉しかった。
「瑞貴?」
「あっ、ごめん」
瑞貴が別の方向を見ていたので円堂は話しかけると、彼女は苦笑して改めて記録を付け始める。瑞貴が見た橋を円堂も目を向けるが、誰もいなかったので不思議に思った。
☆☆☆☆☆
稲妻町にある豪邸の自室で神童は目を閉じながらピアノを弾いていた。だが、頭の中では先日のことでいっぱいだ。
栄都学園サッカー部の一人の母親から息子を活躍させるため賄賂のチケットを渡されたこと、必死な勝とうとしていた天馬、パスし続ける天馬の訴えについにシュートした自分、久遠の辞任……そこで目を見開いて鍵盤を両手で叩いた。
「俺は…なんてことを……!」
コンコンコン。
「はい……?」
「霧野様がお見えになりました」
「霧野……? 通して」
「かしこまりました」
扉の外にいる使用人に許可を出すと神童は霧野を迎え入れるために立ち上がる。
部屋に通された霧野は神童と共にソファに座り、使用人は二人に紅茶を用意すると去って行った。
「大丈夫か?」
「ああ……」
口ではそう言うが顔をうつむける神童は元気がない。霧野は紅茶をひと口飲むとさっそく本題を話す。
「今日、新しい監督とコーチが来た。誰だと思う?」
「誰って?」
「円堂守と井上瑞貴」
「っ!?」
その名前で初めて神童は目を見開いて顔を上げた。自分たちも驚いたのだから当然の反応だと霧野は思う。
「やっぱり驚くよな」
「本当に、あの円堂さんが? それに瑞貴姉さんが――……あっ」
「俺も気づいたときは危うく呼びそうになった。次からはその呼び方を直さないとな」
「ああ……」
十年前に二人は瑞貴に会ったことがある。と言っても自分たちは名乗ることはしなかったが、神童のボールを使って正確にひったくり犯に向かってシュートを撃った感動と衝撃は今でも忘れられない。
瑞貴が名前を名乗った瞬間で雷門中サッカー部の試合もイナズマジャパンの試合も予選のときも予定が合えばスタジアムで観戦したし、本選ではテレビ越しで応援していた。幼い頃から見る度に『瑞貴姉ちゃん』と呼んでいたので、たまに癖が出る。
「でも、ちょっと変わってるぜ。いきなり『勝つための特訓をやる』と言い出した。しかも河川敷で」
「ええっ!?」
「まっ、誰も行かないと思うな。新入りは行くみたいだけど」
「勝つための特訓……」
神童は紅茶に揺れながら浮かぶ自分の顔を見て、何かを思うように呟いた。
そもそもいつも真剣勝負ができるなら特訓は当然のようにやっている。それがフィフスセクターのせいでできないから苦しいのだ。
☆☆☆☆☆
夕方になり始めても他の選手は姿を現さない。来たと言えば剣城がシードとして興味があるのか、離れた場所で見学しているだけだが、時折瑞貴を見て眉を下げていた。
ドリブルする天馬とヘディングする信助は、ずっと同じ特訓をしたせいか上達もだいぶしてきた。それぞれの伸びしろや欠点をデータに起こした瑞貴は円堂に顔を向けると、それがわかった円堂も頷いて二人に向かって叫ぶ。
「よし! 次の特訓だ!」
上げたボールを信助がヘディングで天馬にパスし、天馬も軽く蹴るとそれを取った円堂がドリブルを始めて二人はそれを追う。
「天馬は俺を追ってドリブル! 合図した信助にパスだ!」
「はい!」