炸裂! アルティメットサンダー!!
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剣城がやって来て雷門中は十一人と万全の態勢になったのにも関わらず、逸見は御門共に不敵に笑っていた。
(帝国の勝利は決まったも同然。今更来た所でお前の仕事はない)
(きっと、試合の流れを変えてくれる……――剣城なら!)
天馬はたとえ2点差という状況になっても、本気で戦うと決めた剣城ならやってくれると信じていた。
帝国学園のキックオフで後半開始。ボールを受け取った逸見がドリブルで上がって行くと、剣城がさっそく奪取した。
「何っ!?」
「これでハッキリした! 剣城は完全にフィフスセクターを裏切った!」
御門は逸見と共に剣城を追いかけながら彼の行動で全てが確信する。そしてそれがムダだと笑っていた。
(愚かな奴よ。だが、あいつが雷門に着いたところで結果は変わらん。勝利するのは我々帝国――フィフスセクターだ!)
「倉間、シュートは頼むぞ!」
「わかった」
「剣城! やり方はわかってるな!」
「ああ!」
神童が次々と指示を出して行くと、剣城は了承して神童にパスを出した。アルティメットサンダーのことは天馬から聞いて練習風景を見ていたし、ハーフタイムの間に瑞貴と復習もしたのでどうすればいいかわかっている。
「いくぞ! 速水!」
「霧野くん!」
「天城さん!」
「剣城!」
「アルティメットサンダー!」
天城からボールを受け取った剣城は、脳裏にリハビリをがんばる優一の姿を思い浮かべる。
「兄さんのためにも……決める!」
今まで神童や倉間では逆に弾き出されたが、なんと剣城は撃ち返すことに成功した。
「やった!」
「蹴りやがった!?」
「このキック力ならいける!」
天馬も倉間も神童も成功して驚いた。しかし――帝国学園のディフェンス陣に落ちた途端、通常に戻ってバウンドした。ボールは龍崎が足で押さえてしまう。
「剣城を入れた甲斐もなかったようだな」
「グッ!」
(アルティメットサンダーは、敵陣に落ちたボールから衝撃波が放たれることで完成する必殺タクティクス……何故成功しなかった!? キック力も上がっているはずなのに!)
あと一歩という所で悔しがる剣城と神童。ベンチにいる葵も春奈もできると思ったのに不発だったことに驚いた。
「ええっ!? 剣城くんのキック力ならできるはずなのに!」
「京介くんには迷いが出ているんだ」
「迷い、ですか?」
「例えるなら……『誰かのため』という気持ちが強く出て、『自分のため』という意思が弱くなっているってこと」
「…………」
瑞貴の言葉に円堂は何も言わなかったが、同意するようにフィールドを見つめると心配そうに天馬が声をかける。
「剣城……」
「もう一度だ……今度は決める!」
今までより完成に近く、アルティメットサンダーは状況を打破するためにも必要だ。だからこそ天馬も神童も了承して頷いた。
龍崎からパスを受けて洞沢秀二がドリブルで上がって行くと、神童がすかさずボールを奪った。
「いくぞ!」
「っ!」
神童が合図を出したので剣城も走り出した。そして速水と霧野と天城へとボールを回し、最後の剣城へ。
「アルティメットサンダー! こいつでどうだ!」
再び優一の姿を脳裏に浮かべながら、剣城は蹴り返した。しかしまたも帝国のディフェンス陣へ落ちた途端に不発で終わり、跳ね返ったボールを龍崎が押さえた。
二度目も成功せず剣城は歯を食いしばり、神童や倉間はどうして成功しないのかと驚く。
「クッ!」
「また……何故だ!?」
「チッ!」
「ちゅーか、どうなってんの?」
「まさか手を抜いてたりするとか……」
「そんな!」
浜野や速水を始め再び剣城へ疑惑が広がっている。信助も否定の意を出すが強く言えない。