瞬木隼人の闇!
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「ふっ!」
「何っ? わああっ!」
ビリビリッ!
「ポワイ様!」
「私の心を見る必要……なくてよ」
長い髪をたなびかせるヒラリは、なんと電気を帯びた髪でポワイを締めつける。ヴァンが声を上げる中でヒラリはニヤリと笑うとポワイを解放した。しかし先ほどと違いポワイは顔色どころか髪の先まで色素が薄くなり体に力を入れることができず倒れかかったので、ヴァンがポワイを支えた。
「お気を確かに!」
「なんなの…あなた……!?」
「気持ちよかったでしょう? 私の髪は相手の生気を吸い取っちゃうの」
ヴァンに支えられながらポワリは力なくヒラリを見ると、ヒラリは悪びれることなくベンチに座った。
「これでわかったかしら? 心なんか見なくたって、私ってスゴいでしょ? ――で、続きを聞かせてくださる? こいつの恐ろしいアズルのことを」
まるで獲物に狙いを定めるかのように、ヒラリはモニターに映る瞬木を観ながら下唇を舌舐めずりした。
☆☆☆☆☆
とにかく試合のために一部のメンバーはブラックルームで特訓をしようと決めた。そしてミーティングルームに残った瑞貴と天馬は、椅子に並んで座りフォーメーションが表示されたタブレットを見ながら頭を悩ませていた。
「相手は心が見えるチーム……」
「あいつにパスしよう、あそこにボールを送ろう、このタイミングでシュートしよう……そう考えるだけで全て先回りされるってことですよね」
「意表を突いた攻撃もダメなら必殺タクティクスは次の試合で使わないようにしよう。拓人くんの神のタクトもどんなに精度を上げても相手に阻まれたら意味はないから」
「「う~ん……」」
考えても考えても答えは出て来ない瑞貴と天馬。相手に合わせて戦略を整えても、逆に相手もまた戦略を変えてくるだろう。まさに変幻自在のチームなのかもしれない。
「道がわからないときは、今できることをしないとね。私、ブラックルームに行ってみんなのポテンシャルの再確認をして来る」
「あっ、俺も特訓して来ます」
ミーティングルームを出てブラックルームに向かう二人は、反対側の通路で皆帆と瞬木を見つけた。
「――僕たち以上に、君はサザナーラ人が怖いんじゃないかな?」
「――よくしゃべるね、相変わらず」
「「…………?」」
両腕を組んで壁にもたれかかる皆帆と、皆帆とは顔を合わせていないが目を閉じていつもより低い声音で話す瞬木。その光景に天馬と瑞貴は一度立ち止まって顔を見合わせると再び歩き出す。
その足音と気配で気づいた瞬木は目を開けて二人の姿を確認すると、皆帆にひと言言って歩き始めた。
「……じゃ」
「ん? 瞬木」
「ちょっと休むよ。サッカーバトルで疲れた」
「このあとの全体練習まで時間あるから、しっかり体力温存してね」
「はーい」
こちらに顔を向けず瞬木は天馬と瑞貴にそう言ったあと、廊下の端の扉の向こうへと消えた。ただならぬ空気を二人から感じたため、天馬は残った皆帆に問いかける。
「何話してたんだ?」
「こういう星だし、キャプテンと瑞貴さんにも話しておいたほうがいいかな」
「?」
「実は、瞬木くんのことなんだけど……――今、僕たち以上にサザナーラ人のほうが瞬木くんに詳しいかもしれないよ」
「えっ?」
目をパチクリする天馬だが、予想がついていた瑞貴は瞬木が去って行った廊下を見つめながらポツリと呟く。
「……彼の本当の姿を、サザナーラ人は見たんだね」
「瑞貴さんも、やはり気づいていたんですか?」
「うん。瞬木くんは心に深い闇を持っているけど、それを表には出さないように周りに合わせている様子を、何度も見かけて来たから。天馬も、薄々はわかっていたんじゃない?」
「あっ……」
瑞貴の問いかけに心当たりがあるのか、天馬は眉を下げて少し顔をうつむけるのだった。
「何っ? わああっ!」
ビリビリッ!
「ポワイ様!」
「私の心を見る必要……なくてよ」
長い髪をたなびかせるヒラリは、なんと電気を帯びた髪でポワイを締めつける。ヴァンが声を上げる中でヒラリはニヤリと笑うとポワイを解放した。しかし先ほどと違いポワイは顔色どころか髪の先まで色素が薄くなり体に力を入れることができず倒れかかったので、ヴァンがポワイを支えた。
「お気を確かに!」
「なんなの…あなた……!?」
「気持ちよかったでしょう? 私の髪は相手の生気を吸い取っちゃうの」
ヴァンに支えられながらポワリは力なくヒラリを見ると、ヒラリは悪びれることなくベンチに座った。
「これでわかったかしら? 心なんか見なくたって、私ってスゴいでしょ? ――で、続きを聞かせてくださる? こいつの恐ろしいアズルのことを」
まるで獲物に狙いを定めるかのように、ヒラリはモニターに映る瞬木を観ながら下唇を舌舐めずりした。
☆☆☆☆☆
とにかく試合のために一部のメンバーはブラックルームで特訓をしようと決めた。そしてミーティングルームに残った瑞貴と天馬は、椅子に並んで座りフォーメーションが表示されたタブレットを見ながら頭を悩ませていた。
「相手は心が見えるチーム……」
「あいつにパスしよう、あそこにボールを送ろう、このタイミングでシュートしよう……そう考えるだけで全て先回りされるってことですよね」
「意表を突いた攻撃もダメなら必殺タクティクスは次の試合で使わないようにしよう。拓人くんの神のタクトもどんなに精度を上げても相手に阻まれたら意味はないから」
「「う~ん……」」
考えても考えても答えは出て来ない瑞貴と天馬。相手に合わせて戦略を整えても、逆に相手もまた戦略を変えてくるだろう。まさに変幻自在のチームなのかもしれない。
「道がわからないときは、今できることをしないとね。私、ブラックルームに行ってみんなのポテンシャルの再確認をして来る」
「あっ、俺も特訓して来ます」
ミーティングルームを出てブラックルームに向かう二人は、反対側の通路で皆帆と瞬木を見つけた。
「――僕たち以上に、君はサザナーラ人が怖いんじゃないかな?」
「――よくしゃべるね、相変わらず」
「「…………?」」
両腕を組んで壁にもたれかかる皆帆と、皆帆とは顔を合わせていないが目を閉じていつもより低い声音で話す瞬木。その光景に天馬と瑞貴は一度立ち止まって顔を見合わせると再び歩き出す。
その足音と気配で気づいた瞬木は目を開けて二人の姿を確認すると、皆帆にひと言言って歩き始めた。
「……じゃ」
「ん? 瞬木」
「ちょっと休むよ。サッカーバトルで疲れた」
「このあとの全体練習まで時間あるから、しっかり体力温存してね」
「はーい」
こちらに顔を向けず瞬木は天馬と瑞貴にそう言ったあと、廊下の端の扉の向こうへと消えた。ただならぬ空気を二人から感じたため、天馬は残った皆帆に問いかける。
「何話してたんだ?」
「こういう星だし、キャプテンと瑞貴さんにも話しておいたほうがいいかな」
「?」
「実は、瞬木くんのことなんだけど……――今、僕たち以上にサザナーラ人のほうが瞬木くんに詳しいかもしれないよ」
「えっ?」
目をパチクリする天馬だが、予想がついていた瑞貴は瞬木が去って行った廊下を見つめながらポツリと呟く。
「……彼の本当の姿を、サザナーラ人は見たんだね」
「瑞貴さんも、やはり気づいていたんですか?」
「うん。瞬木くんは心に深い闇を持っているけど、それを表には出さないように周りに合わせている様子を、何度も見かけて来たから。天馬も、薄々はわかっていたんじゃない?」
「あっ……」
瑞貴の問いかけに心当たりがあるのか、天馬は眉を下げて少し顔をうつむけるのだった。