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「私は死に直面したあの日から、それまで見えなかったものが見えるようになった。それは……人の中に眠る『ケモノ』だ」
「ケモノ……?」
「ぼんやりとだが、私にはその人間の中に眠るケモノの力が見えるのだ。それこそが、この星が持つ遺伝子……この星に生きる生命が持つ力」
「「「「「…………!」」」」」
「まさか! 試合中に好葉に起きたのって!」
天馬は決勝戦の終了直前で、好葉のプレーを思い出した。あのとき化身とは違う何か生き物みたいなのが好葉からうっすらと現れ、その力を宿したかのように好葉は素早く相手からボールを奪った。
「古来、それは『精霊』と呼ばれていたらしい」
「森村のDNAの中に眠る、力の覚醒が始まったのだ。他の星の遺伝子を持つ者に接触したことで、自己防衛本能がケモノの力を目覚めさせようとしている」
「ウチの中に……ケモノ……?」
鬼道と黒岩の説明に当事者の好葉は困惑する。好葉だってあのプレーは無我夢中だったのだ。
「ここにいる十一人には、他の星の種族に対抗できる大きな力が備わっている」
「俺たちに……そんな力が……?」
「口で説明するより、ハッキリと見たほうが早いだろう。――井上」
「はい」
天馬が自分の手を見つめてゆっくり握る中、黒岩は瑞貴を指名した。隣に控えていた瑞貴はそこから移動し、黒岩と選手たちの間に立つ。
パチンッ!
パアアァァアアア――!
「「「「「なっ/えっ!?」」」」」
瑞貴が指を鳴らすと同時に体が一気に青白く光り瑞貴の姿が変わった。それは瑞貴よりも大きく、額に一本角を生やし鋭く釣り上がった目の色は青く、黄金色の毛並みに隠れた鱗もまた黄金色だが、決して眩しいという色ではなくどこか温かかった。
天馬や葵たちは瑞貴の化身は知っているがケモノは知らない。それどころか今ケモノの存在を知り、好葉のときのようにうっすらではなく完璧に姿を現した存在に驚くばかりだ。
「こ、これが瑞貴さんのケモノ……!?」
「綺麗……」
「これはキリンですね」
「キリン? 俺が知っているのと違うぞ?」
「それは動物のキリン。瑞貴さんのキリンは中国に伝わる伝説上の神獣さ」
驚きつつも真名部はクイッと眼鏡を押し上げてケモノの正体を告げた。隣の九坂は首を傾げると、真名部を挟んで反対側の席に座る皆帆が説明した。
シュンッ……。
ある程度でキリンは青白い光と共に姿を消し、元に戻った瑞貴は黒岩の隣に移動して説明する。
「私のケモノはサッカーよりも身近にいる人と接することで、その人のケモノの力に共鳴し覚醒しやすくなるの。もちろん個人差はあるけどね」
「っ! もしかして、本来イナズマジャパンのコーチに選ばれた人ではなく、瑞貴さんが選ばれたのは……」
「知ってたんだね。そう、この力が大会前にはすでに覚醒したからだよ。まあ私も、黒岩監督に聞かれるまで知らなかったけど」
☆☆☆☆☆
――黒岩は監督の就任が決定したあと、豪炎寺にある人物を呼び出すよう頼んだ。それが瑞貴である。
サッカー協会の会長室に呼ばれ、事情を豪炎寺と黒岩から聞いて、当然ながら当時の瑞貴も現況に物凄く驚いていた。
『サッカーで、地球の未来が……!?』
『円堂瑞貴……いや、昔のように井上と呼ぼう。お前には選手の力を引き出せるケモノを宿している。私にはわかる』
『ケモノ……?』
『もともとお前には他のよりもケモノの存在が大きく、私ですらもぼんやりではなくほぼハッキリと見えているのだ。その存在を知った今なら開花するだろう』
『…………』
戸惑いながらも瑞貴は目を閉じて集中する。化身とは違う自分の中の力に呼びかけ、その姿を現すように願うと……。
「ケモノ……?」
「ぼんやりとだが、私にはその人間の中に眠るケモノの力が見えるのだ。それこそが、この星が持つ遺伝子……この星に生きる生命が持つ力」
「「「「「…………!」」」」」
「まさか! 試合中に好葉に起きたのって!」
天馬は決勝戦の終了直前で、好葉のプレーを思い出した。あのとき化身とは違う何か生き物みたいなのが好葉からうっすらと現れ、その力を宿したかのように好葉は素早く相手からボールを奪った。
「古来、それは『精霊』と呼ばれていたらしい」
「森村のDNAの中に眠る、力の覚醒が始まったのだ。他の星の遺伝子を持つ者に接触したことで、自己防衛本能がケモノの力を目覚めさせようとしている」
「ウチの中に……ケモノ……?」
鬼道と黒岩の説明に当事者の好葉は困惑する。好葉だってあのプレーは無我夢中だったのだ。
「ここにいる十一人には、他の星の種族に対抗できる大きな力が備わっている」
「俺たちに……そんな力が……?」
「口で説明するより、ハッキリと見たほうが早いだろう。――井上」
「はい」
天馬が自分の手を見つめてゆっくり握る中、黒岩は瑞貴を指名した。隣に控えていた瑞貴はそこから移動し、黒岩と選手たちの間に立つ。
パチンッ!
パアアァァアアア――!
「「「「「なっ/えっ!?」」」」」
瑞貴が指を鳴らすと同時に体が一気に青白く光り瑞貴の姿が変わった。それは瑞貴よりも大きく、額に一本角を生やし鋭く釣り上がった目の色は青く、黄金色の毛並みに隠れた鱗もまた黄金色だが、決して眩しいという色ではなくどこか温かかった。
天馬や葵たちは瑞貴の化身は知っているがケモノは知らない。それどころか今ケモノの存在を知り、好葉のときのようにうっすらではなく完璧に姿を現した存在に驚くばかりだ。
「こ、これが瑞貴さんのケモノ……!?」
「綺麗……」
「これはキリンですね」
「キリン? 俺が知っているのと違うぞ?」
「それは動物のキリン。瑞貴さんのキリンは中国に伝わる伝説上の神獣さ」
驚きつつも真名部はクイッと眼鏡を押し上げてケモノの正体を告げた。隣の九坂は首を傾げると、真名部を挟んで反対側の席に座る皆帆が説明した。
シュンッ……。
ある程度でキリンは青白い光と共に姿を消し、元に戻った瑞貴は黒岩の隣に移動して説明する。
「私のケモノはサッカーよりも身近にいる人と接することで、その人のケモノの力に共鳴し覚醒しやすくなるの。もちろん個人差はあるけどね」
「っ! もしかして、本来イナズマジャパンのコーチに選ばれた人ではなく、瑞貴さんが選ばれたのは……」
「知ってたんだね。そう、この力が大会前にはすでに覚醒したからだよ。まあ私も、黒岩監督に聞かれるまで知らなかったけど」
☆☆☆☆☆
――黒岩は監督の就任が決定したあと、豪炎寺にある人物を呼び出すよう頼んだ。それが瑞貴である。
サッカー協会の会長室に呼ばれ、事情を豪炎寺と黒岩から聞いて、当然ながら当時の瑞貴も現況に物凄く驚いていた。
『サッカーで、地球の未来が……!?』
『円堂瑞貴……いや、昔のように井上と呼ぼう。お前には選手の力を引き出せるケモノを宿している。私にはわかる』
『ケモノ……?』
『もともとお前には他のよりもケモノの存在が大きく、私ですらもぼんやりではなくほぼハッキリと見えているのだ。その存在を知った今なら開花するだろう』
『…………』
戸惑いながらも瑞貴は目を閉じて集中する。化身とは違う自分の中の力に呼びかけ、その姿を現すように願うと……。