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『これによってこの星の地軸はズレ始めているだろう。放っておけばこの地球は天変地異に見舞われ、やがて滅亡することになる。――唯一救う方法は、我々の力を借りることだ』
ビュンッ!
『クッ……!』
『フッ、理解したか? お前たちに我々の提案を拒否することなどできないということを』
話の真偽を確かめさせるためとはいえ、自分の安易な行動で月を消失させることになってしまったと責任を感じ拳を握る豪炎寺に、男は再び瞬間移動し豪炎寺の前に現れると再度告げる。
――翌日、月が消えた影響なのか雷雨に見舞われた。だが豪炎寺はそんな中で国会議事堂に行き、日本の総理大臣・財前宗介と面会する。十年前に知り合い彼の娘の元チームメイトでもあるので豪炎寺はすんなりと総理室に通された。
突拍子のない話だったし最初は驚いたものの、月が突然消失した現状なので財前は豪炎寺の話を信じた。
『では、交渉の余地すらないというのだな?』
『はい。地球は喉元に刃を突きつけられているのも同然です』
『地球の運命がその大会にかかっているというわけか……』
『これはサッカーに関すること……私に任せていただけませんか? 必ず、希望への結果を残してみせます』
『……わかった。頼むぞ、豪炎寺くん。地球の存亡がかかっているんだ、私も協力を惜しまない』
地球の存亡がかかっているため豪炎寺も立候補するには勇気がいったはずだ。それを受け入れた財前に一任され、豪炎寺は誓うように力強く頷くのだった。
――さらに数日後、財前の呼びかけで世界議会が開かれることになった。各国の首脳陣が集まる中、一番前の席にいる財前と豪炎寺の中心には、月を消した男がいる。
『聞くがいい、辺境の星の民よ』
『『『『『!』』』』』
『私は銀河連邦評議会から派遣された、ビットウェイ=オズロックだ。君たちの言葉で表現するならば……異星人、ということになるかな』
『『『『『!』』』』』
ザワザワザワザワ――……!
『みなさん、お静かに! 話を聞いていただきたい!』
事前に月の消失の原因や地球の存亡など話を聞いていたとは言え、男――ビットウェイ=オズロックの正体に動揺と驚きなどを含めたざわめきが起こり、豪炎寺がひと声かけても止めない。
オズロックはそれに気にせず両腕を広げると、うしろのモニターを使って説明を始めた。
『この星より遥か18万8千光年の彼方に、「ファラム・ディーテ」という太陽がある。その太陽系にはこの星と同じように知的生命体住む、「ファラム・オービアス」という惑星が存在する。しかし、ファラム・オービアスは突如出現したブラックホールにより、数ヶ月後には滅びる運命となってしまった……』
そうなればファラム・オービアスは大洪水や火山の大噴火など、異様な天変地異にも見舞われ、人間や動植物も失ってしまうどころか、ブラックホールに飲み込まれると星そのものが消えてしまう。
『彼は死の宣告を受けた。そこで、生き延びるために銀河の他の星に向けて、侵略戦争を仕掛けると宣言した』
ザワザワザワザワ――……!
『しかし宇宙戦争はかしこき方法とは言えない。我々はファラム・オービアスに別の解決方法を提案した。ブラックホールの出現は、宇宙そのものに起こった厄災である。銀河に生きる全ての種族が生き延びたいと願うのも当然だ。そこで銀河連邦評議会は安全な惑星に住み存続する種族を、平和的且つ公平なやり方で決めることにしたのだ』
『あくまでもその星の問題ではないか! 我々には関係のないことだ!』
『愚かな。ファラム・オービアスは銀河でも最高の英知と軍事力を有する星……逆らうことなどできない』
一人の議員が叫ぶが、オズロックは呆れるように視線を向ける。
『銀河連邦評議会としても最大限の交渉を重ね、ここまでこぎつけたのだ……――平和的且つ公平な方法を。兵器ではなく、その星の民の身体能力を競い合うことにより勝敗を決定する。戦争など行えば星自体を傷つけかねない、不毛な殺し合いなどせずに生き延びる種族を決める……。これこそが我々が導き出した最良の答え……即ち、銀河を巻き込んだ惑星間サッカー大会・グランドセレスタギャラクシーだ!』
オズロックの口から出たのは確かに兵力で戦うよりも格段に平和だ。しかし負ければ地球は侵略されると知り別の議員が目を見開く。
ビュンッ!
『クッ……!』
『フッ、理解したか? お前たちに我々の提案を拒否することなどできないということを』
話の真偽を確かめさせるためとはいえ、自分の安易な行動で月を消失させることになってしまったと責任を感じ拳を握る豪炎寺に、男は再び瞬間移動し豪炎寺の前に現れると再度告げる。
――翌日、月が消えた影響なのか雷雨に見舞われた。だが豪炎寺はそんな中で国会議事堂に行き、日本の総理大臣・財前宗介と面会する。十年前に知り合い彼の娘の元チームメイトでもあるので豪炎寺はすんなりと総理室に通された。
突拍子のない話だったし最初は驚いたものの、月が突然消失した現状なので財前は豪炎寺の話を信じた。
『では、交渉の余地すらないというのだな?』
『はい。地球は喉元に刃を突きつけられているのも同然です』
『地球の運命がその大会にかかっているというわけか……』
『これはサッカーに関すること……私に任せていただけませんか? 必ず、希望への結果を残してみせます』
『……わかった。頼むぞ、豪炎寺くん。地球の存亡がかかっているんだ、私も協力を惜しまない』
地球の存亡がかかっているため豪炎寺も立候補するには勇気がいったはずだ。それを受け入れた財前に一任され、豪炎寺は誓うように力強く頷くのだった。
――さらに数日後、財前の呼びかけで世界議会が開かれることになった。各国の首脳陣が集まる中、一番前の席にいる財前と豪炎寺の中心には、月を消した男がいる。
『聞くがいい、辺境の星の民よ』
『『『『『!』』』』』
『私は銀河連邦評議会から派遣された、ビットウェイ=オズロックだ。君たちの言葉で表現するならば……異星人、ということになるかな』
『『『『『!』』』』』
ザワザワザワザワ――……!
『みなさん、お静かに! 話を聞いていただきたい!』
事前に月の消失の原因や地球の存亡など話を聞いていたとは言え、男――ビットウェイ=オズロックの正体に動揺と驚きなどを含めたざわめきが起こり、豪炎寺がひと声かけても止めない。
オズロックはそれに気にせず両腕を広げると、うしろのモニターを使って説明を始めた。
『この星より遥か18万8千光年の彼方に、「ファラム・ディーテ」という太陽がある。その太陽系にはこの星と同じように知的生命体住む、「ファラム・オービアス」という惑星が存在する。しかし、ファラム・オービアスは突如出現したブラックホールにより、数ヶ月後には滅びる運命となってしまった……』
そうなればファラム・オービアスは大洪水や火山の大噴火など、異様な天変地異にも見舞われ、人間や動植物も失ってしまうどころか、ブラックホールに飲み込まれると星そのものが消えてしまう。
『彼は死の宣告を受けた。そこで、生き延びるために銀河の他の星に向けて、侵略戦争を仕掛けると宣言した』
ザワザワザワザワ――……!
『しかし宇宙戦争はかしこき方法とは言えない。我々はファラム・オービアスに別の解決方法を提案した。ブラックホールの出現は、宇宙そのものに起こった厄災である。銀河に生きる全ての種族が生き延びたいと願うのも当然だ。そこで銀河連邦評議会は安全な惑星に住み存続する種族を、平和的且つ公平なやり方で決めることにしたのだ』
『あくまでもその星の問題ではないか! 我々には関係のないことだ!』
『愚かな。ファラム・オービアスは銀河でも最高の英知と軍事力を有する星……逆らうことなどできない』
一人の議員が叫ぶが、オズロックは呆れるように視線を向ける。
『銀河連邦評議会としても最大限の交渉を重ね、ここまでこぎつけたのだ……――平和的且つ公平な方法を。兵器ではなく、その星の民の身体能力を競い合うことにより勝敗を決定する。戦争など行えば星自体を傷つけかねない、不毛な殺し合いなどせずに生き延びる種族を決める……。これこそが我々が導き出した最良の答え……即ち、銀河を巻き込んだ惑星間サッカー大会・グランドセレスタギャラクシーだ!』
オズロックの口から出たのは確かに兵力で戦うよりも格段に平和だ。しかし負ければ地球は侵略されると知り別の議員が目を見開く。