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「三ヶ月前、月が観測不能になった事件を知っているか?」
「はい。月が地上から見えなくなったってニュースですよね」
「確か、宇宙空間に大量の塵のような物が発生して、それが光を遮って見えなくなったとか……」
「いや、それは違うんだ」
「――フッフッフッ」
「っ!」
夜空を照らす月がなくなったことは世界規模のニュースになっており、天馬も神童も知っていた。しかし、発表された情報とは違うと豪炎寺が告げると、男の含みある笑い声が聞こえたので豪炎寺は鋭く睨みつける。
「そう、全く違う……」
「…………」
男がそう言うと豪炎寺は目を逸らす。月が観測不能になった理由を、豪炎寺は目の当たりにしたのだ。
☆☆☆☆☆
――三ヶ月前の夜、少年サッカー協会の会長室で豪炎寺はこの男と出会った。
『バカげている。そんな話を信じられると思うのか?』
『事実だ。お前たち人類が突きつけられた現実だ。18万8千光年先の銀河で行われるサッカー大会……グランドセレスタギャラクシーに出場してもらう』
『悪いが冗談を聞いているほど暇ではないのだ』
『参加を断ればこの星は滅ぶぞ』
『いい加減にしろ』
『ハァ~……』
尚も豪炎寺は信じず力強く睨みつける。18万8千光年先の銀河だの宇宙サッカー大会だのと聞いて信じられないのもムリはないのだが、男は呆れるように溜息を吐いた。
『どうやら君は自分たちの置かれている状況を理解していないようだな。仕方ない……ならば教えてやろう』
――男に言われて豪炎寺はサッカー協会の屋上へとやって来た。今日は満月なので月が大きく輝いて見える中、扉の上にある塀に立つ男を豪炎寺は睨みつける。
『こんな所に連れて来て、どうするつもりだ』
キラーンッ……!
『っ、なんだ?』
『フッ』
男が立てた左手の人差し指の先に光が現れたかと思うと、それは球体となりサッカーボールと同じ大きさに変わった。しかも浮いている状態なのだ。
驚く豪炎寺に男はボールを重力に従うように動かし、そして自らの体を回転させると……。
『ふんっ!』
バシュンッ!
『!』
男はうしろにある月に向かってボールを思いっきり蹴った。それはあっという間に見えなくなったが、ボールは地球を出て遥か彼方にある月にまで飛び、その手前で一時止まって光ると一気にアメーバ状に分裂し月を包んだ。
包まれた月は地球にいる豪炎寺たちからも見えており、淡く光ったと思いきや、徐々に黒くなって完全に見えなくなった……――いや、消失した。
『なっ!?』
『お前たちが月と呼ぶこの星の衛星は、我々の特殊な兵器によって消し去られた』
『なんてことを……クッ!』
ビュンッ!
『!』
とんでもないことを仕出かした男に豪炎寺は歯を食いしばると、男はミクロのような光と共にその場から消えた。どこに行ったのかと豪炎寺が辺りを見回すと同時にうしろに気配を感じる。瞬間移動したのだろう、男は豪炎寺の背に向けて話し続ける。
「はい。月が地上から見えなくなったってニュースですよね」
「確か、宇宙空間に大量の塵のような物が発生して、それが光を遮って見えなくなったとか……」
「いや、それは違うんだ」
「――フッフッフッ」
「っ!」
夜空を照らす月がなくなったことは世界規模のニュースになっており、天馬も神童も知っていた。しかし、発表された情報とは違うと豪炎寺が告げると、男の含みある笑い声が聞こえたので豪炎寺は鋭く睨みつける。
「そう、全く違う……」
「…………」
男がそう言うと豪炎寺は目を逸らす。月が観測不能になった理由を、豪炎寺は目の当たりにしたのだ。
☆☆☆☆☆
――三ヶ月前の夜、少年サッカー協会の会長室で豪炎寺はこの男と出会った。
『バカげている。そんな話を信じられると思うのか?』
『事実だ。お前たち人類が突きつけられた現実だ。18万8千光年先の銀河で行われるサッカー大会……グランドセレスタギャラクシーに出場してもらう』
『悪いが冗談を聞いているほど暇ではないのだ』
『参加を断ればこの星は滅ぶぞ』
『いい加減にしろ』
『ハァ~……』
尚も豪炎寺は信じず力強く睨みつける。18万8千光年先の銀河だの宇宙サッカー大会だのと聞いて信じられないのもムリはないのだが、男は呆れるように溜息を吐いた。
『どうやら君は自分たちの置かれている状況を理解していないようだな。仕方ない……ならば教えてやろう』
――男に言われて豪炎寺はサッカー協会の屋上へとやって来た。今日は満月なので月が大きく輝いて見える中、扉の上にある塀に立つ男を豪炎寺は睨みつける。
『こんな所に連れて来て、どうするつもりだ』
キラーンッ……!
『っ、なんだ?』
『フッ』
男が立てた左手の人差し指の先に光が現れたかと思うと、それは球体となりサッカーボールと同じ大きさに変わった。しかも浮いている状態なのだ。
驚く豪炎寺に男はボールを重力に従うように動かし、そして自らの体を回転させると……。
『ふんっ!』
バシュンッ!
『!』
男はうしろにある月に向かってボールを思いっきり蹴った。それはあっという間に見えなくなったが、ボールは地球を出て遥か彼方にある月にまで飛び、その手前で一時止まって光ると一気にアメーバ状に分裂し月を包んだ。
包まれた月は地球にいる豪炎寺たちからも見えており、淡く光ったと思いきや、徐々に黒くなって完全に見えなくなった……――いや、消失した。
『なっ!?』
『お前たちが月と呼ぶこの星の衛星は、我々の特殊な兵器によって消し去られた』
『なんてことを……クッ!』
ビュンッ!
『!』
とんでもないことを仕出かした男に豪炎寺は歯を食いしばると、男はミクロのような光と共にその場から消えた。どこに行ったのかと豪炎寺が辺りを見回すと同時にうしろに気配を感じる。瞬間移動したのだろう、男は豪炎寺の背に向けて話し続ける。