戦慄! 帝国学園!!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
☆☆☆☆☆
病室のモニターで優一と剣城は試合を見ていた。このままでは帝国学園に点を取られるのも時間の問題だとわかるので、優一は剣城に問いかける。
「いいのか、京介? 行かなくて」
「…………」
「今ならまだ、試合に間に合うぞ」
「…………」
「京介――」
「大丈夫だよ」
何度も問う優一を遮るように、剣城は安堵の言葉を言うが表情と言葉が合っていないのだ。
「俺が出なくても、あいつらは十人で戦える」
「えっ……?」
「あっ、なんかこの部屋暑いな。喉乾いた。なんか、買ってくるよ」
「京介……」
剣城は椅子から立ち上がって病室を出ていくが、一連の行動に不審に思った優一は車椅子を見つめて決意する。
☆☆☆☆☆
ボールは洞沢に渡って前線へドリブルしていくため、またも帝国学園のチャンスになる。逸見へのセンタリングが上がったので今度こそ止めようと信助は逸見を追って飛ぶ。だが……。
「へへっ!」
「あっ!」
「御門!」
信助より先にボールを取った逸見は御門へパスを回す。
「そこだ!」
「だドー!」
両サイドから霧野と天城がダブルスライディングをかけると、油断したのか御門はジャンプで直撃は免れた者のボールをこぼしてしまった。
車田がこぼれたボールを取ってクリアしたので、この場面も何とか凌いだ。しかし一人いない分、特にDFの体力は消耗する一方なので天城や霧野など肩で息をしていた。
「さっきから攻められっぱなしだド……」
「守るので精一杯だ……」
「僕がボールを止められれば……!」
攻撃を防げているのは先輩たちのフォローがあったおかげで、自分がディフェンスで来ていないことに信助は悔んでいた。
「ちゅーか監督はなんで黙ったままなの?」
「何か指示はないんですか? 瑞貴さんも何も言わないし……」
「「…………」」
(円堂監督……。瑞貴先輩……)
浜野と速水はここまで来て何も言わない円堂はおろか瑞貴にすら疑問を持ったが、二人は信助と帝国学園をそれぞれ見ていた。このピンチを打開する策はないのかと春奈も不安になる。
「二度目のジャンプで確信したよ」
「ああ、間違いないな」
二人は顔を見合わせて頷き合った。対して点を取れないことに苛立っているのは帝国学園も同じだ。逸見や御門や雅野は集まって話し合う。
「なかなかしぶといな、雷門は」
「生温い……! こんな連中、総攻撃をかければ一撃で粉砕できるはず、今こそそのときではないか! 監督は何を考えている!?」
「総帥には、総帥のお考えがある。俺たちは総帥の命令通りやればいい……帝国学園のサッカーを」
「俺に命令するな、雅野。帝国のキャプテンは俺だ!」
「鬼道総帥のサッカーを一番理解しているのは……――俺だ!」
御門と雅野の雰囲気がよくないのを鬼道はサングラス越しの瞳で確認していた。
そして今までの試合の流れで、雷門中が確実に不利だと見守っていた一乃と青山。二人にはそれぞれ思う所があった。
「やっぱり十人だと厳しいな……」
「相手はあの帝国学園だ。当然だろ」
「……なあ。やめてよかったのかな、俺たち?」
「っ! そんなこと……今更、言ってもな」
「そうだけどさ……」
フィフスセクターに逆らって本気のサッカーを望む雷門中サッカー部は、退部しても同じ学校だから活動は自然と目に入るし、噂だって聞く。サッカー部を辞めることを選択したのを後悔しているのだろうか。