強襲! レジスタンスジャパン‼
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すると剣城のそばに、鉄角真が井吹の練習を見ながらやってきた。
「俺にはわからねぇ。神童はどうして、あんなに井吹に厳しいんだ?」
「人の心配をしている場合じゃないぞ」
「!」
確かに決勝戦を目前なので鉄角もまた自分の練習に集中しないといけないのは事実だが、なんだか剣城にはぐらかされた気分だった。
――真名部と皆帆はジャージに着替えてミーティングルームに戻り、さっそくストームウルフの解析に勤しむ。真名部は手に持つタブレットを操作して映したモニターにシミュレーションを皆帆に見せる。
「FWはキャプテンのドミトリーとマクシムが要です。この二人に気を取られていると、もう一人のFW・ザウルがゴール前に入り込んでくる。MFは司令塔のルスランを中心にロランとアーロン、データを見る限り手堅い印象です」
「へぇ~、ディフェンスが面白いね。二人ひと組になって壁になってくるんだ」
「そのおかげでGKまでボールが届きません」
「ただね、気が付いたことがあるんだ」
皆帆は机に置いたリモコンを操作すると、モニターの映像を切り替えて大会の映像を見せる。ストームウルフの司令塔・ルスラン=カシモフが大声でチームに指示を与えている様子だ。
「司令塔のルスランですか?」
「彼だけでなく、チーム全体のテンションが高過ぎる」
「というと?」
「去年までのストームウルフは、冷静なプレーが特徴だったんだ。キャプテンのドミトリーなんて、シュートを決めても顔色一つ変えなかったくらいだ」
「……この大会、そんな例ばかりですね」
ガ――……。
「「!」」
突然の来訪者に真名部と皆帆が顔を向けると、休憩中なのか瞬木がタオルを首に掛けて入って来た。
「それ、ウズベキスタンの選手?」
「そうです」
「一緒に見る?」
「遠慮するよ。――調べるのは、君たちの仕事だもんね。コーチに押しつけられたの?」
「「!」」
見据えるように横目でそう言った瞬木に、真名部と皆帆は一瞬目を見開いた。確かに相手チームの分析も瑞貴がやっていることだが、真名部と皆帆の二人は自分たちでも知りたいだけで独自にやっていることなのだ。それを瞬木には『押しつけられた』と言う。
そんな二人の戸惑いに気づいているのかいないのか、瞬木は普通に言葉を続ける。
「それで、弱点はもうわかった?」
「っ、なんか一々カンに触りますね! あと、これは僕らが自主的にやってるだけで、瑞貴さんは関係ありません!」
「ごめん。気にさわったなら謝る」
真名部が眉をしかめてそう言うと、瞬木は両手を合わせて苦笑しながら謝るとミーティングルームから出て行った。
彼の様子が気になった皆帆は、真名部をミーティングルームに残し、外に出た瞬木のあとを追う。
「瞬木くん」
「!」
「君、面白いよね」
「面白い? 俺が?」
「この前、君の中にある闇を見ちゃったんだ」
先日、真名部と皆帆がケンカをしていた頃だ。準決勝の相手が決まったとき瞬木は小さく呟いた。
『他人なんてしょせんわかり合えないんだから、表面上うまく付き合っていけばいいのに』
あのとき皆帆は瞬木のすぐ目の前にいたので自然と耳に入ってもおかしくはない。小声で呟くことは本音の表れが多いし、普段チームの和を大事にしている瞬木があんなことを言うことに驚いていた。
「あれから、ずっと気になっていたんだ。意外だったんだよね、普段の君からはちょっと想像がつかなかった」
「……だったらどうするの」
「!」
さっきと同じようにどこか低い声音で話す瞬木。皆帆は一瞬驚いたものの興味深そうな顔をして耳をピクピク動かす。
「それが君の正体?」
「正体って、どういうこと?」
「――どうしたんですか?」
「何も。じゃあ俺、練習あるんで」
様子がおかしいと思ったのか、ミーティングルームから出て来た真名部が声をかけると、瞬木はいつもの口調になりなんでもないと告げると練習に戻って行った。
「瞬木くんは底が知れないね」
「?」
「彼を観察するのは、面白そうだ」
「どういうことです?」
興味深そうに瞬木を見る皆帆に、真名部は何がなんなのかわからなかった。
――あれから皆帆と真名部も練習に戻り、瑞貴は黒岩に呼び出されてどこに行ってしまった。夕方になると天馬は葵から受け取ったドリンクを飲んで、パス練習をしているみんなに顔を向けながら葵に告げる。
「プハァ~……! 手応えがあるんだ」
「チームのみんなに?」
「うん、初めはホントに不安ばっかりだった。それでも『なんとかなる!』って言い聞かせて、キャプテンとしてみんなを引っ張って行かなきゃって焦ってた……」
「知ってたよ」
「!」
まさか自分の心の不安を見抜かれていたとは思わず、天馬は驚いて葵に顔を向けた。
「俺にはわからねぇ。神童はどうして、あんなに井吹に厳しいんだ?」
「人の心配をしている場合じゃないぞ」
「!」
確かに決勝戦を目前なので鉄角もまた自分の練習に集中しないといけないのは事実だが、なんだか剣城にはぐらかされた気分だった。
――真名部と皆帆はジャージに着替えてミーティングルームに戻り、さっそくストームウルフの解析に勤しむ。真名部は手に持つタブレットを操作して映したモニターにシミュレーションを皆帆に見せる。
「FWはキャプテンのドミトリーとマクシムが要です。この二人に気を取られていると、もう一人のFW・ザウルがゴール前に入り込んでくる。MFは司令塔のルスランを中心にロランとアーロン、データを見る限り手堅い印象です」
「へぇ~、ディフェンスが面白いね。二人ひと組になって壁になってくるんだ」
「そのおかげでGKまでボールが届きません」
「ただね、気が付いたことがあるんだ」
皆帆は机に置いたリモコンを操作すると、モニターの映像を切り替えて大会の映像を見せる。ストームウルフの司令塔・ルスラン=カシモフが大声でチームに指示を与えている様子だ。
「司令塔のルスランですか?」
「彼だけでなく、チーム全体のテンションが高過ぎる」
「というと?」
「去年までのストームウルフは、冷静なプレーが特徴だったんだ。キャプテンのドミトリーなんて、シュートを決めても顔色一つ変えなかったくらいだ」
「……この大会、そんな例ばかりですね」
ガ――……。
「「!」」
突然の来訪者に真名部と皆帆が顔を向けると、休憩中なのか瞬木がタオルを首に掛けて入って来た。
「それ、ウズベキスタンの選手?」
「そうです」
「一緒に見る?」
「遠慮するよ。――調べるのは、君たちの仕事だもんね。コーチに押しつけられたの?」
「「!」」
見据えるように横目でそう言った瞬木に、真名部と皆帆は一瞬目を見開いた。確かに相手チームの分析も瑞貴がやっていることだが、真名部と皆帆の二人は自分たちでも知りたいだけで独自にやっていることなのだ。それを瞬木には『押しつけられた』と言う。
そんな二人の戸惑いに気づいているのかいないのか、瞬木は普通に言葉を続ける。
「それで、弱点はもうわかった?」
「っ、なんか一々カンに触りますね! あと、これは僕らが自主的にやってるだけで、瑞貴さんは関係ありません!」
「ごめん。気にさわったなら謝る」
真名部が眉をしかめてそう言うと、瞬木は両手を合わせて苦笑しながら謝るとミーティングルームから出て行った。
彼の様子が気になった皆帆は、真名部をミーティングルームに残し、外に出た瞬木のあとを追う。
「瞬木くん」
「!」
「君、面白いよね」
「面白い? 俺が?」
「この前、君の中にある闇を見ちゃったんだ」
先日、真名部と皆帆がケンカをしていた頃だ。準決勝の相手が決まったとき瞬木は小さく呟いた。
『他人なんてしょせんわかり合えないんだから、表面上うまく付き合っていけばいいのに』
あのとき皆帆は瞬木のすぐ目の前にいたので自然と耳に入ってもおかしくはない。小声で呟くことは本音の表れが多いし、普段チームの和を大事にしている瞬木があんなことを言うことに驚いていた。
「あれから、ずっと気になっていたんだ。意外だったんだよね、普段の君からはちょっと想像がつかなかった」
「……だったらどうするの」
「!」
さっきと同じようにどこか低い声音で話す瞬木。皆帆は一瞬驚いたものの興味深そうな顔をして耳をピクピク動かす。
「それが君の正体?」
「正体って、どういうこと?」
「――どうしたんですか?」
「何も。じゃあ俺、練習あるんで」
様子がおかしいと思ったのか、ミーティングルームから出て来た真名部が声をかけると、瞬木はいつもの口調になりなんでもないと告げると練習に戻って行った。
「瞬木くんは底が知れないね」
「?」
「彼を観察するのは、面白そうだ」
「どういうことです?」
興味深そうに瞬木を見る皆帆に、真名部は何がなんなのかわからなかった。
――あれから皆帆と真名部も練習に戻り、瑞貴は黒岩に呼び出されてどこに行ってしまった。夕方になると天馬は葵から受け取ったドリンクを飲んで、パス練習をしているみんなに顔を向けながら葵に告げる。
「プハァ~……! 手応えがあるんだ」
「チームのみんなに?」
「うん、初めはホントに不安ばっかりだった。それでも『なんとかなる!』って言い聞かせて、キャプテンとしてみんなを引っ張って行かなきゃって焦ってた……」
「知ってたよ」
「!」
まさか自分の心の不安を見抜かれていたとは思わず、天馬は驚いて葵に顔を向けた。