勝利への解法
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
バークがドリブルする中、前から走り出した剣城がバークと競り合いをする。しかしその競り合いの勢いが強かったせいか、擦れ違う際に二人の右足がぶつかり合ってしまった。
「「ぐわっ!」」
ピピピピピ――ッ!!
「剣城! 大丈夫か!?」
「ああ……」
「バーク……」
天馬や鉄角が足を抑える剣城の元へ駆け出した。同じようにバークも足を抑えているので駆け寄ったサラナがアイスを当て、葵も救急箱を持って剣城の元へ向かう。
「そんなんじゃない!」
「「「「「!」」」」」
真名部の怒鳴り声に天馬たちは顔を向けると、そのことに気づかず立ち上がった真名部は皆帆に向かって再び声を上げる。
「いい加減な事を言わないでください!」
「どうしたの、あの二人?」
「さあ?」
その様子にさくらと瞬木は、理由はわからないがまたケンカをしているのかと思った。
「でも僕には考えられないな……お父さんを避けようとしている君が」
「わからないでしょうね! 今でも父親と仲の良い君には!」
「っ!」
「――皆帆! 真名部!」
その言葉に皆帆が目を見開いていると、少し声を荒げた天馬が駆け寄って来た。
「何をやってるんだ! 今は試合中だぞ!」
「いや、これだけは言わせてください! ――君が父親との仲が良好なのはわかりました。だからといって、僕にパパのことで意見しないでもらいたいですね!」
「…………」
「君の父親は君を理解し、褒め称えてくれるんでしょう? ならそれでいいじゃないですか」
「……父さんに僕を見てもらいたくても、もうできないんだ」
「えっ」
「父さんは……――もう亡くなってしまったから」
「!」
「亡くなった……?」
「僕が幼いときにね」
「皆帆……」
「…………」
あれだけ誇らしげに話す父がもういないことを皆帆は告げると、天馬はもちろん突っかかっていた真名部も眉を下げた。
「君がうらやましい」
「えっ?」
「僕は幼い頃からずっと、父さんのような人になろうと思っていたんだ」
――皆帆は幼い頃、両親の前で額縁に入った父の警視総監賞の表彰を見て歓喜の声を上げていた。
『スゴいね、父さん!』
『ああ。まさか警視総監賞をもらえるとはな』
『警察官の名誉ですものね。さすがはどんな難事件でも解決する名刑事!』
賞をもらった父・皆帆左京だけでなく、刑事という職に誇りを持つ夫をいつも支えていた母・皆帆光代も嬉しそうに笑っていた。
『父さん、正義の味方だもんね!』
『ああ! 悪は絶対許さない! ――なんてな、ハハハハッ!』
そんな左京が警視総監賞と共にもらえた勲章を自分に付けてくれた。幼い自分には少し大きいが、それを見て自分が授与された気分で自然と笑顔になる。
『わぁ~!』
『警視総監賞の勲章だ』
『僕、父さんのような刑事になる! 父さんみたいに、いっぱい事件を解決するんだ!』
『ああ!』
――いつか刑事になった自分を見てもらいたいと皆帆は思っていたが、その父はもうこの世にはいない。
「父さんに追いつき、追い越そうと思っても、肝心の父さんはもうこの世にいない。目指すべき存在が、僕にはもうないんだ」
「皆帆くん……」
「でも、君は違う。お父さんの存在が、君をどこまでも成長させてくれる。それは僕が誰よりもわかってることだから」
「…………」
皆帆の父親のことを知らなかったとはいえ、言い過ぎたと真名部は反省して眼鏡を押し上げる。
「しかし冷静に考えても、この試合で僕が成長できるなんてとても……勝利への解法だって、もしかしたら……」
「真名部くん……」
「ホントにそう思ってるの?」
「「!」」
「違うならあきらめてほしくない。それに俺は信じてる。真名部と皆帆なら、勝利への解法を見つけられるって!」
「キャプテン……!」
「うん!」
真っ直ぐな目を向けて頷く天馬は、本当に自分たちなら勝利への解法を見つけると心から信じているのだと、真名部と皆帆は気づいた。
鉄角のスローイングから試合再開。鉄角はさくらに向かってボールを投げる。
「さくら!」
「ホワッチョー!」
しかしボールはタムガンに奪われてしまった。息を付く間もなくマッハタイガーにイナズマジャパンは苦戦を強いられる。真名部もボールがなかなか取れず肩でするほど息が上がる。
「「ぐわっ!」」
ピピピピピ――ッ!!
「剣城! 大丈夫か!?」
「ああ……」
「バーク……」
天馬や鉄角が足を抑える剣城の元へ駆け出した。同じようにバークも足を抑えているので駆け寄ったサラナがアイスを当て、葵も救急箱を持って剣城の元へ向かう。
「そんなんじゃない!」
「「「「「!」」」」」
真名部の怒鳴り声に天馬たちは顔を向けると、そのことに気づかず立ち上がった真名部は皆帆に向かって再び声を上げる。
「いい加減な事を言わないでください!」
「どうしたの、あの二人?」
「さあ?」
その様子にさくらと瞬木は、理由はわからないがまたケンカをしているのかと思った。
「でも僕には考えられないな……お父さんを避けようとしている君が」
「わからないでしょうね! 今でも父親と仲の良い君には!」
「っ!」
「――皆帆! 真名部!」
その言葉に皆帆が目を見開いていると、少し声を荒げた天馬が駆け寄って来た。
「何をやってるんだ! 今は試合中だぞ!」
「いや、これだけは言わせてください! ――君が父親との仲が良好なのはわかりました。だからといって、僕にパパのことで意見しないでもらいたいですね!」
「…………」
「君の父親は君を理解し、褒め称えてくれるんでしょう? ならそれでいいじゃないですか」
「……父さんに僕を見てもらいたくても、もうできないんだ」
「えっ」
「父さんは……――もう亡くなってしまったから」
「!」
「亡くなった……?」
「僕が幼いときにね」
「皆帆……」
「…………」
あれだけ誇らしげに話す父がもういないことを皆帆は告げると、天馬はもちろん突っかかっていた真名部も眉を下げた。
「君がうらやましい」
「えっ?」
「僕は幼い頃からずっと、父さんのような人になろうと思っていたんだ」
――皆帆は幼い頃、両親の前で額縁に入った父の警視総監賞の表彰を見て歓喜の声を上げていた。
『スゴいね、父さん!』
『ああ。まさか警視総監賞をもらえるとはな』
『警察官の名誉ですものね。さすがはどんな難事件でも解決する名刑事!』
賞をもらった父・皆帆左京だけでなく、刑事という職に誇りを持つ夫をいつも支えていた母・皆帆光代も嬉しそうに笑っていた。
『父さん、正義の味方だもんね!』
『ああ! 悪は絶対許さない! ――なんてな、ハハハハッ!』
そんな左京が警視総監賞と共にもらえた勲章を自分に付けてくれた。幼い自分には少し大きいが、それを見て自分が授与された気分で自然と笑顔になる。
『わぁ~!』
『警視総監賞の勲章だ』
『僕、父さんのような刑事になる! 父さんみたいに、いっぱい事件を解決するんだ!』
『ああ!』
――いつか刑事になった自分を見てもらいたいと皆帆は思っていたが、その父はもうこの世にはいない。
「父さんに追いつき、追い越そうと思っても、肝心の父さんはもうこの世にいない。目指すべき存在が、僕にはもうないんだ」
「皆帆くん……」
「でも、君は違う。お父さんの存在が、君をどこまでも成長させてくれる。それは僕が誰よりもわかってることだから」
「…………」
皆帆の父親のことを知らなかったとはいえ、言い過ぎたと真名部は反省して眼鏡を押し上げる。
「しかし冷静に考えても、この試合で僕が成長できるなんてとても……勝利への解法だって、もしかしたら……」
「真名部くん……」
「ホントにそう思ってるの?」
「「!」」
「違うならあきらめてほしくない。それに俺は信じてる。真名部と皆帆なら、勝利への解法を見つけられるって!」
「キャプテン……!」
「うん!」
真っ直ぐな目を向けて頷く天馬は、本当に自分たちなら勝利への解法を見つけると心から信じているのだと、真名部と皆帆は気づいた。
鉄角のスローイングから試合再開。鉄角はさくらに向かってボールを投げる。
「さくら!」
「ホワッチョー!」
しかしボールはタムガンに奪われてしまった。息を付く間もなくマッハタイガーにイナズマジャパンは苦戦を強いられる。真名部もボールがなかなか取れず肩でするほど息が上がる。