勝利への解法
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《ゴォ――ルッ!! 2点目はマッハタイガー! トリッキーなパス回しからタムガンが見事にシュートを決めた――っ!!》
「は、入っちゃった……」
「嘘だろ……」
相手に追加点が入ってしまいショックを受ける瞬と雄太。しかしもっとショックを受けている人物がいる。
「クッ! 止めきれない……――っ!」
「…………」
「クウッ……クッ!」
拳を地に叩きつけて悔しそうに顔を歪める井吹。すると視線に気づいて顔を上げると、神童が自分に冷たい視線を向けていることに気づいた。しかもいつものように何も言わず、そのまま背を向けて去って行ったので、井吹は目を閉じて地を叩きつけた手とは反対の拳をギュッと握った。
「なんなんだよ、あの動き……」
「ボールの動きが全っ然わかんない……」
「みんな! まだあきらめちゃダメだ! 気を引き締めていこう! 2点ぐらいすぐ取り返せる! 焦らずにいくよ!」
先ほどのフェイントという妙なボールの動きに、瞬木もさくらも驚きを隠せずにいたが、天馬が励ましてくれたので気持ちの切り替えが少しできた。
「次こそは、必ず分析してみせるよ」
「彼らの傾向と対策、つかみますとも!」
不安を抱える面々とは別に、相手のトリッキーなプレーを見て皆帆と真名部は俄然やる気が湧いて来た。
「危ないな……」
「ええ。あんなボールの動き、見たことがありません」
「いや、心配なのは瞬木くんだよ」
「えっ?」
「…………」
てっきり瑞貴もマッハタイガーの追加点に不安を持ってると葵は思ったが、瑞貴はそれを否定したので水川みのりもチラッと彼女を見やる。
「FWは前線だからみんなに背を向けることになるからね。背を向けるということは、自分の心情をうしろにいる仲間に見せることにもなる。喜びも、高揚も、不安も、焦りもね」
「あっ……。だから剣城くんはいつも堂々としているんだ……」
葵は剣城を見やった。雷門にいた頃からいつも彼が感情を揺さぶらないのは、FWとしての役割がただ攻撃だけじゃなく、仲間へ不安を伝わらせ広がっていかないためなのだと気づく。
「ん? あれは、君のお父さんとお母さんじゃないかな」
「えっ」
ポジションに戻る途中観客席を見た皆帆が足を止めてそう告げると、真名部も足を止めて見上げた。そこにいたのは確かに自分の両親なので目を見開く。
「パパ! ママ! ど、どうして……!」
「…………」
「そ、そんなことより、勝利への解法を見つけ出すほうが先決です! 集中しましょう!」
「そうだね」
眼鏡を押し上げてそう言う真名部に、皆帆は確かにそうだと了承した。
イナズマジャパンボールから始まるのだが、瞬木はマッハタイガーの動きに困惑していた。
「あんなとんでもない動きばかりの奴らを相手に、どう攻めていけばいいんだ……」
「瞬木」
「!」
「FWが苛立ちや不安を見せるな。平常心を保て」
「っ……だけど!」
「瞬木……」
剣城がFWとして大切なことを教えるが、瞬木はそうは言っても声を上げた。それをうしろから見た天馬は拳を握って声を上げる。
「敵にマークされる前に、細かいパス回しで繋いで行こう。きっとチャンスは来るはずだよ!」
「はい!」
(それでいい、天馬)
瞬木へ励ますように作戦を伝える天馬。うしろからそれを見た神童は天馬のキャプテンとしてあるべき姿に微笑んだ。
ホイッスルが鳴って剣城から瞬木にボールを渡して走ると、瞬木はサイドのさくらにパスを出した。
「キャプテン!」
「隙あり! アチョー!」
「クッ!」
「タムガン!」
「アチョー!」
サリットがスライディングで天馬からボールを奪った。そしてタムガンがガオランとバークと共に大ジャンプをする。
(絶対にあるはずだ……判別する意図が!)
(いったいどっちにパスを……ジャンプの加速度? いや、跳躍時の角度か!)
身動きが取れない空中では何か合図を出しているはずだと皆帆は考え、同じ考えをしていた真名部は先に予測の答えを出した。
「右です!」
「チャオッ!」
「えっ!? そんな……!」
「君の予測が外れるとはね……」
「クッ……!」
なんとタムガンは真名部の予測とは反対のガオランにパスを出した。真名部はショックを受けると皆帆もさすがに驚き、次こそはと真名部は歯を食いしばる。
「は、入っちゃった……」
「嘘だろ……」
相手に追加点が入ってしまいショックを受ける瞬と雄太。しかしもっとショックを受けている人物がいる。
「クッ! 止めきれない……――っ!」
「…………」
「クウッ……クッ!」
拳を地に叩きつけて悔しそうに顔を歪める井吹。すると視線に気づいて顔を上げると、神童が自分に冷たい視線を向けていることに気づいた。しかもいつものように何も言わず、そのまま背を向けて去って行ったので、井吹は目を閉じて地を叩きつけた手とは反対の拳をギュッと握った。
「なんなんだよ、あの動き……」
「ボールの動きが全っ然わかんない……」
「みんな! まだあきらめちゃダメだ! 気を引き締めていこう! 2点ぐらいすぐ取り返せる! 焦らずにいくよ!」
先ほどのフェイントという妙なボールの動きに、瞬木もさくらも驚きを隠せずにいたが、天馬が励ましてくれたので気持ちの切り替えが少しできた。
「次こそは、必ず分析してみせるよ」
「彼らの傾向と対策、つかみますとも!」
不安を抱える面々とは別に、相手のトリッキーなプレーを見て皆帆と真名部は俄然やる気が湧いて来た。
「危ないな……」
「ええ。あんなボールの動き、見たことがありません」
「いや、心配なのは瞬木くんだよ」
「えっ?」
「…………」
てっきり瑞貴もマッハタイガーの追加点に不安を持ってると葵は思ったが、瑞貴はそれを否定したので水川みのりもチラッと彼女を見やる。
「FWは前線だからみんなに背を向けることになるからね。背を向けるということは、自分の心情をうしろにいる仲間に見せることにもなる。喜びも、高揚も、不安も、焦りもね」
「あっ……。だから剣城くんはいつも堂々としているんだ……」
葵は剣城を見やった。雷門にいた頃からいつも彼が感情を揺さぶらないのは、FWとしての役割がただ攻撃だけじゃなく、仲間へ不安を伝わらせ広がっていかないためなのだと気づく。
「ん? あれは、君のお父さんとお母さんじゃないかな」
「えっ」
ポジションに戻る途中観客席を見た皆帆が足を止めてそう告げると、真名部も足を止めて見上げた。そこにいたのは確かに自分の両親なので目を見開く。
「パパ! ママ! ど、どうして……!」
「…………」
「そ、そんなことより、勝利への解法を見つけ出すほうが先決です! 集中しましょう!」
「そうだね」
眼鏡を押し上げてそう言う真名部に、皆帆は確かにそうだと了承した。
イナズマジャパンボールから始まるのだが、瞬木はマッハタイガーの動きに困惑していた。
「あんなとんでもない動きばかりの奴らを相手に、どう攻めていけばいいんだ……」
「瞬木」
「!」
「FWが苛立ちや不安を見せるな。平常心を保て」
「っ……だけど!」
「瞬木……」
剣城がFWとして大切なことを教えるが、瞬木はそうは言っても声を上げた。それをうしろから見た天馬は拳を握って声を上げる。
「敵にマークされる前に、細かいパス回しで繋いで行こう。きっとチャンスは来るはずだよ!」
「はい!」
(それでいい、天馬)
瞬木へ励ますように作戦を伝える天馬。うしろからそれを見た神童は天馬のキャプテンとしてあるべき姿に微笑んだ。
ホイッスルが鳴って剣城から瞬木にボールを渡して走ると、瞬木はサイドのさくらにパスを出した。
「キャプテン!」
「隙あり! アチョー!」
「クッ!」
「タムガン!」
「アチョー!」
サリットがスライディングで天馬からボールを奪った。そしてタムガンがガオランとバークと共に大ジャンプをする。
(絶対にあるはずだ……判別する意図が!)
(いったいどっちにパスを……ジャンプの加速度? いや、跳躍時の角度か!)
身動きが取れない空中では何か合図を出しているはずだと皆帆は考え、同じ考えをしていた真名部は先に予測の答えを出した。
「右です!」
「チャオッ!」
「えっ!? そんな……!」
「君の予測が外れるとはね……」
「クッ……!」
なんとタムガンは真名部の予測とは反対のガオランにパスを出した。真名部はショックを受けると皆帆もさすがに驚き、次こそはと真名部は歯を食いしばる。