じぶん嫌い
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「好葉、今のは……?」
「スゴい動きだったな」
「うん」
「びっくりしたよ」
「えっ?」
天馬や九坂や葵や瑞貴に言われたものの、好葉にはやはり何がなんだかわからず目をパチクリした。
「好葉ちゃん」
「!」
「好葉ちゃんの辛い気持ち、今まで気づかなくてごめんね」
「そ、そんな……」
「私、約束するから! 絶対に好葉ちゃんを裏切らないって!」
葵はしゃがむと好葉に真っ直ぐな目でそう言った。だからと言ってすぐに好葉が信じるわけがないが、葵もそれは重々承知だ。
「今すぐ信じてなんて言わない。でも、もう一度みんなとサッカーをしてみない?」
「そうだよ! ここまで来たんだ。マッハタイガーとの準決勝、一緒に思い切り戦おう! このまま辞めてしまったら、好葉は二度とサッカーをしないだろう? 俺、好葉にサッカーを好きになってほしいんだ!」
「俺からも頼む! 今のあんたの動き、見ててぶっ飛んだぜ! あれなら、世界の強豪にも絶対に通用する! うん!」
「些細なことでも、何かあったら私や天馬たちに相談していいから」
「…………」
葵と天馬と九坂と瑞貴に頷かれ、好葉は顔をうつむきながらもその場から立ち上がった。
☆☆☆☆☆
好葉が戻って来てので全員集合し、練習を再開する。もう夕方になるが午後の練習時間が短かった分、選手たちは元気に動いていた。
「瞬木!」
「任せて!」
「ハァ……ハァ……」
「…………!」
天馬のパスを受け取った瞬木はドリブルしていく。そのうしろには懸命に追いかける好葉がいるので、九坂は嬉しそうに笑っていた。
みのりもまた好葉はもう戻ってこないと思っていたが、探しに行ったメンバーの中で葵もいたのに彼女が練習に参加していたことに少なからず驚いている。
「うまく説得したみたいね」
「説得なんてしてません」
「森村!」
「ヒョエッ! あわわわっ!」
「「「…………」」」
鉄角のセンタリングを好葉は、走りながら取ろうと足を延ばすがトラップできず、それどころか反動でうしろに転んでしまった。その好葉の様子に戻って来たのはいいが幸先が不安だと真名部と皆帆とさくらは思った。
「大丈夫か?」
「はい……」
好葉は天馬から差し伸べられた手を取って立ち上がり、体に着いた塵を手でパンパンと払う。
「よし! 再開だ!」
「気合い入れていこうぜ!」
「試合前から気合いを入れ過ぎると、失速します!」
「なんだと!? この期に及んで力の出し惜しみをしてどうすんだ!」
「出し惜しみじゃありません。力をセーブしていると行ってください」
「ああんっ!? ここは気合いだろうが!」
天馬のかけ声に鉄角はやる気満々に答えたが、真名部が茶々を入れたので言い合いが発展する。
その間に葵が「ファイト」と小さく拳を握って応援すると、それが伝わって好葉は苦笑するも怯えることはなかった。
☆☆☆☆☆
薄暗い監督室ではいつもように黒岩とポトムリがいるが、今回は瑞貴もいた。
「彼らの中には、この大会の不可解さに気づき始めている者がいる……どうするつもりです?」
「…………」
ポトムリの報告に対し、黒岩は少し顔を上げただけで何も言わなかった。
「もう一つ報告が。今日、好葉ちゃんの動きに変化が出ました。今はまだ発展途上に過ぎないと思いますが、恐らく『あの力』が芽吹き始めているかと」
「ホォ」
「…………」
瑞貴の報告に興味深そうに声を上げたのはポトムリだけで、やはり黒岩は何も言わなかったが微かに口角を上げるのだった。
☆コーチの 今日の格言☆
本当の自分は隠しているつもりでも、どこか必ず変わらない所がある
以上!!
「スゴい動きだったな」
「うん」
「びっくりしたよ」
「えっ?」
天馬や九坂や葵や瑞貴に言われたものの、好葉にはやはり何がなんだかわからず目をパチクリした。
「好葉ちゃん」
「!」
「好葉ちゃんの辛い気持ち、今まで気づかなくてごめんね」
「そ、そんな……」
「私、約束するから! 絶対に好葉ちゃんを裏切らないって!」
葵はしゃがむと好葉に真っ直ぐな目でそう言った。だからと言ってすぐに好葉が信じるわけがないが、葵もそれは重々承知だ。
「今すぐ信じてなんて言わない。でも、もう一度みんなとサッカーをしてみない?」
「そうだよ! ここまで来たんだ。マッハタイガーとの準決勝、一緒に思い切り戦おう! このまま辞めてしまったら、好葉は二度とサッカーをしないだろう? 俺、好葉にサッカーを好きになってほしいんだ!」
「俺からも頼む! 今のあんたの動き、見ててぶっ飛んだぜ! あれなら、世界の強豪にも絶対に通用する! うん!」
「些細なことでも、何かあったら私や天馬たちに相談していいから」
「…………」
葵と天馬と九坂と瑞貴に頷かれ、好葉は顔をうつむきながらもその場から立ち上がった。
☆☆☆☆☆
好葉が戻って来てので全員集合し、練習を再開する。もう夕方になるが午後の練習時間が短かった分、選手たちは元気に動いていた。
「瞬木!」
「任せて!」
「ハァ……ハァ……」
「…………!」
天馬のパスを受け取った瞬木はドリブルしていく。そのうしろには懸命に追いかける好葉がいるので、九坂は嬉しそうに笑っていた。
みのりもまた好葉はもう戻ってこないと思っていたが、探しに行ったメンバーの中で葵もいたのに彼女が練習に参加していたことに少なからず驚いている。
「うまく説得したみたいね」
「説得なんてしてません」
「森村!」
「ヒョエッ! あわわわっ!」
「「「…………」」」
鉄角のセンタリングを好葉は、走りながら取ろうと足を延ばすがトラップできず、それどころか反動でうしろに転んでしまった。その好葉の様子に戻って来たのはいいが幸先が不安だと真名部と皆帆とさくらは思った。
「大丈夫か?」
「はい……」
好葉は天馬から差し伸べられた手を取って立ち上がり、体に着いた塵を手でパンパンと払う。
「よし! 再開だ!」
「気合い入れていこうぜ!」
「試合前から気合いを入れ過ぎると、失速します!」
「なんだと!? この期に及んで力の出し惜しみをしてどうすんだ!」
「出し惜しみじゃありません。力をセーブしていると行ってください」
「ああんっ!? ここは気合いだろうが!」
天馬のかけ声に鉄角はやる気満々に答えたが、真名部が茶々を入れたので言い合いが発展する。
その間に葵が「ファイト」と小さく拳を握って応援すると、それが伝わって好葉は苦笑するも怯えることはなかった。
☆☆☆☆☆
薄暗い監督室ではいつもように黒岩とポトムリがいるが、今回は瑞貴もいた。
「彼らの中には、この大会の不可解さに気づき始めている者がいる……どうするつもりです?」
「…………」
ポトムリの報告に対し、黒岩は少し顔を上げただけで何も言わなかった。
「もう一つ報告が。今日、好葉ちゃんの動きに変化が出ました。今はまだ発展途上に過ぎないと思いますが、恐らく『あの力』が芽吹き始めているかと」
「ホォ」
「…………」
瑞貴の報告に興味深そうに声を上げたのはポトムリだけで、やはり黒岩は何も言わなかったが微かに口角を上げるのだった。
☆コーチの 今日の格言☆
本当の自分は隠しているつもりでも、どこか必ず変わらない所がある
以上!!