じぶん嫌い
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「よかった」
「えっ……」
「いなくなったって聞いたから心配したんだよ。でも、無事な姿を見てホッとした」
「…………」
天馬に加えて瑞貴まで探しに来たのが、申し訳なく思ったのか好葉は顔をうつむける。
「あれは……瑞貴さん?」
「瑞貴さんも探しに来たんスね」
「でも、やっぱり好葉ちゃんどこか怖がってる……」
歩道橋の上から天馬たちも瑞貴の姿を確認したが、瑞貴は大人といえど女なので好葉には恐怖の対象になっているのだろう。
「何か悲しいことがあった?」
「えっ……」
「泣きそうになってる」
「ヒウッ!」
頬へと手を伸ばしたが、それを見て好葉が怯えたのでピタッと瑞貴は止めた。いつも葵たちの頭を撫でたりしているので自然とそうしていたが、急に触れられば嫌がる人物もいる。好葉もそうだろうと思って瑞貴は手を引っ込めた。
「ごめんね。驚かせちゃって」
「……苛つきましたか?」
「?」
「ウチがこんなんだから…瑞貴さんも苛ついちゃって……」
「私が苛ついていると思うなら、それは『好葉ちゃんに』じゃなくて『好葉ちゃんにそう言った相手』だよ」
「えっ?」
予想だにしない言葉が返って来たので、好葉はうつむいた顔を上げると瑞貴は再び微笑んだ。
「好葉ちゃんはイナズマジャパンに来たときから私の大切な教え子なの。だからそんな好葉ちゃんを悲しませる人に私は苛ついている」
「でも……九坂くんはウチのせいで苛ついて……」
「なるほど。犯人は隆二くんか」
「ひゃうっ!」
好葉にはその気はなかったが告げ口する形になったので、瑞貴が両腕を組んで「明日にペナルティを……」や「ブラックルームの練習を強化……」と恐ろしいことをブツブツ呟き始めた。ちなみにそのとき、歩道橋で天馬たちと共に見守る九坂には寒気が走っていたとか。
〈ニャ~〉
「「ん?」」
鳴き声に好葉と瑞貴が顔を向けると、道路を挟んだ反対側の通路にいつもご飯をあげている猫を見つけた。どうやら猫もまた好葉を見つけて呼びかけていたようだ。
「猫ちゃん……――あっ!」
ここの道路は車が多く通るので、こちらにやって来る猫を好葉と瑞貴は声を上げて止める。
「来ちゃダメ!」
「車が!」
〈ニャ~オ〉
プオ――ッ!!
「「ああっ!」」
大きな音が聞こえて瑞貴と好葉は振り向くと、トラックがクラクションを鳴らしながら走って来た。だが猫は驚きのあまりか動けないでいた。
「あっ、あれ!」
「猫が!」
歩道橋の上からもその光景は見えており、このままではマズいと天馬と九坂は声を上げる。
「猫ちゃん! 猫ちゃーん!」
「あっ!」
「危ない!」
「やめろー!」
「好葉ちゃん!」
猫を助けるため道路に出た好葉に、瑞貴と天馬と九坂と葵は最悪の展開が訪れると危惧する。それでも好葉は猫の元へ走り続け、トラックに顔を向け見据えると……。
シュバンッ!
「「「「「!?」」」」」
なんと突然好葉のスピードが上がり、猫をしっかり抱きかかえて反対側の通路へと渡った。止まって窓から顔を出したトラックの運転手も、周りの通行人も、天馬たちも、その光景を見て驚いていた。
〈ニャ~〉
「ん……? ウチ…今…何が……?」
猫の声で好葉は我に返ったものの、自分が今何をしたのかわからなかった。
〈ニャオ〉
「もう、道に飛び出しちゃダメよ」
〈ニャ~〉
そう注意した好葉は猫を下ろすと、猫は好葉に礼を言うように鳴いてその場を去って行った。次いで歩道橋から駆け出していた天馬たちが好葉の元へやって来る。
「大丈夫か、好葉!?」
「好葉ちゃん!」
「怪我はない!?」
「!」
歩道橋を降りてきた天馬たちと、道路を渡って駆け付けてきた瑞貴。いきなり集合して好葉は驚いたが、四人は先ほどの好葉の動きに驚いていた。
「えっ……」
「いなくなったって聞いたから心配したんだよ。でも、無事な姿を見てホッとした」
「…………」
天馬に加えて瑞貴まで探しに来たのが、申し訳なく思ったのか好葉は顔をうつむける。
「あれは……瑞貴さん?」
「瑞貴さんも探しに来たんスね」
「でも、やっぱり好葉ちゃんどこか怖がってる……」
歩道橋の上から天馬たちも瑞貴の姿を確認したが、瑞貴は大人といえど女なので好葉には恐怖の対象になっているのだろう。
「何か悲しいことがあった?」
「えっ……」
「泣きそうになってる」
「ヒウッ!」
頬へと手を伸ばしたが、それを見て好葉が怯えたのでピタッと瑞貴は止めた。いつも葵たちの頭を撫でたりしているので自然とそうしていたが、急に触れられば嫌がる人物もいる。好葉もそうだろうと思って瑞貴は手を引っ込めた。
「ごめんね。驚かせちゃって」
「……苛つきましたか?」
「?」
「ウチがこんなんだから…瑞貴さんも苛ついちゃって……」
「私が苛ついていると思うなら、それは『好葉ちゃんに』じゃなくて『好葉ちゃんにそう言った相手』だよ」
「えっ?」
予想だにしない言葉が返って来たので、好葉はうつむいた顔を上げると瑞貴は再び微笑んだ。
「好葉ちゃんはイナズマジャパンに来たときから私の大切な教え子なの。だからそんな好葉ちゃんを悲しませる人に私は苛ついている」
「でも……九坂くんはウチのせいで苛ついて……」
「なるほど。犯人は隆二くんか」
「ひゃうっ!」
好葉にはその気はなかったが告げ口する形になったので、瑞貴が両腕を組んで「明日にペナルティを……」や「ブラックルームの練習を強化……」と恐ろしいことをブツブツ呟き始めた。ちなみにそのとき、歩道橋で天馬たちと共に見守る九坂には寒気が走っていたとか。
〈ニャ~〉
「「ん?」」
鳴き声に好葉と瑞貴が顔を向けると、道路を挟んだ反対側の通路にいつもご飯をあげている猫を見つけた。どうやら猫もまた好葉を見つけて呼びかけていたようだ。
「猫ちゃん……――あっ!」
ここの道路は車が多く通るので、こちらにやって来る猫を好葉と瑞貴は声を上げて止める。
「来ちゃダメ!」
「車が!」
〈ニャ~オ〉
プオ――ッ!!
「「ああっ!」」
大きな音が聞こえて瑞貴と好葉は振り向くと、トラックがクラクションを鳴らしながら走って来た。だが猫は驚きのあまりか動けないでいた。
「あっ、あれ!」
「猫が!」
歩道橋の上からもその光景は見えており、このままではマズいと天馬と九坂は声を上げる。
「猫ちゃん! 猫ちゃーん!」
「あっ!」
「危ない!」
「やめろー!」
「好葉ちゃん!」
猫を助けるため道路に出た好葉に、瑞貴と天馬と九坂と葵は最悪の展開が訪れると危惧する。それでも好葉は猫の元へ走り続け、トラックに顔を向け見据えると……。
シュバンッ!
「「「「「!?」」」」」
なんと突然好葉のスピードが上がり、猫をしっかり抱きかかえて反対側の通路へと渡った。止まって窓から顔を出したトラックの運転手も、周りの通行人も、天馬たちも、その光景を見て驚いていた。
〈ニャ~〉
「ん……? ウチ…今…何が……?」
猫の声で好葉は我に返ったものの、自分が今何をしたのかわからなかった。
〈ニャオ〉
「もう、道に飛び出しちゃダメよ」
〈ニャ~〉
そう注意した好葉は猫を下ろすと、猫は好葉に礼を言うように鳴いてその場を去って行った。次いで歩道橋から駆け出していた天馬たちが好葉の元へやって来る。
「大丈夫か、好葉!?」
「好葉ちゃん!」
「怪我はない!?」
「!」
歩道橋を降りてきた天馬たちと、道路を渡って駆け付けてきた瑞貴。いきなり集合して好葉は驚いたが、四人は先ほどの好葉の動きに驚いていた。