特訓! ブラックルーム‼︎
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「まあ、いいじゃない。確かに『なんでここまで』って気はするけど、おかげで力も付いてきた。もしかして私たち、このまま優勝できるんじゃない?」
「えっ? 優勝?」
さくらが不意にそう言った言葉を皆帆が反応する中、さくらと鉄角と瞬木は顔を見合わせて頷いた。
「ちょ、ちょっと待ってよ。みんな、本当に優勝するまでやるつもりなの?」
「どういうことだ?」
「だって、契約では優勝することは条件じゃないんだよ」
「「「あっ!」」」
椅子から立ち上がった皆帆に言われて鉄角と瞬木とさくらは思い出したように声を上げた。同じく九坂も忘れていたように声を上げる。
「そういえば……そうだったな。条件は『参加する』こと」
「契約に『優勝』という言葉はないんだ」
「ということは、今辞めても約束は守ってもらえる……」
契約にない以上、真名部の言う通り負けるなり辞めるなりしても条件は果たされるだろう。しかし黒岩の口からそのことを告げられていないので、皆帆は確認してみるかと声をかける。
「確かめてこようか?」
「いや、その必要はない。条件はどうだろうと、俺は続けるぜ」
「「「えっ?」」」
真っ先に拒否したのは鉄角だ。しかも条件関係ナシに続けると告げたので皆帆と真名部と好葉は驚いて思わず声を上げる。
「フッ……自分の中の熱い想いと、ちょっと向き合おうかと思ってな。それが今は『サッカー』ってとこかな」
「熱い想い……そうか、そうかもね!」
同意したさくらもまた、鉄角の言う『サッカーに対しての熱い想い』があるのだろう。
「お前らはどうすんだ?」
「俺は、みんながやるって言うんならやるよ」
「俺もやるかな」
「井吹、お前は?」
「もちろん続けるさ。……このままじゃ納得いかないからな」
鉄角が問いかけると、瞬木も九坂も井吹も同意する。思うことはどうであれサッカーに対して前向きになっていたようだ。
「僕にはわかりません。あくまでも重要なのはこちらの条件を守ってもらうことで、優勝することじゃないですから」
「「っ……――フンッ!」」
「?」
また条件反射なのか思わず互いの顔を見る真名部と皆帆。しかしブラックルームでは特訓に夢中だったから忘れることもあるが、二人は絶賛ケンカ中なのだ。いつも仲がいい頭脳派の二人の様子にそばにいた好葉はびっくりした。
「好葉はどうする?」
「えっ! あっ…うん…ウチは……」
「も~! ハッキリしなさいよ」
「ご、ごめんなさい……」
どっちつかずな好葉の様子にさくらがそう言うと、好葉は落ち込んで顔をうつむけてしまった。
「もりむ――」
「みんなー!」
九坂が好葉に声をかけようとすると、それよりも大きな声で駆け寄って来たのはタブレットを持った葵だった。
「準決勝の相手が決まったよ。相手はタイ代表のマッハタイガー。5対0でカタール代表のデザートライオンに圧勝だって!」
「「「「「えっ!?」」」」」
葵が差し出したタブレットを受け取った鉄角を中心に全員が見ると、準々決勝のマッハタイガー対デザートライオンの試合が映し出される。圧倒的な攻撃を持つシュートにより点を入れ続け、前半は2点で後半は3点と合わせて5点を取ったマッハタイガーが勝利を治めていた。
「5対0って……! デザートライオンだって弱いチームじゃないだろ!?」
「ええ。弱いどころか、前評判じゃデザートライオンが圧倒的に有利だったわ」
「そういえば、この大会は番狂わせが多いな……。実力が高くないはずのチームがいくつも勝ち進んでる」
「今頃気づいたんですか。いずれにしろ、優勝なんてちょっと速過ぎたみたいですね」
皆帆に向かってそう言った真名部は部屋に戻って行った。それを見た瞬木は二人のケンカが続いているのだと察する。
「まだケンカしてるんだ。……ケンカなんてバカらしい。他人なんてしょせんわかり合えないんだから、表面上うまく付き合っていけばいいのに」
「!」
「でもここまで来たんだから、優勝目指してがんばりましょう」
瞬木は後半の言葉を小さく呟くように言ったのだが、そばにいた皆帆には聞こえて振り向いた。しかし瞬木は反対側にいた葵にいつもの口調で話しかけている。
ブラックルームで自主練している天馬と剣城と雷門メンバーも、瑞貴から準決勝の相手を聞いて特訓に熱が入った。
(マッハタイガー……負けるもんか!)
――練習が終わったあと、皆帆は先日のようにヨットハーバーグラウンドのそばの公共ベンチで写真を見ていた。そこには父・皆帆左京と肩車してもらう幼い頃の自分がいた。
☆コーチの 今日の格言☆
当事者じゃないからこそ気づくこともある
以上!!
「えっ? 優勝?」
さくらが不意にそう言った言葉を皆帆が反応する中、さくらと鉄角と瞬木は顔を見合わせて頷いた。
「ちょ、ちょっと待ってよ。みんな、本当に優勝するまでやるつもりなの?」
「どういうことだ?」
「だって、契約では優勝することは条件じゃないんだよ」
「「「あっ!」」」
椅子から立ち上がった皆帆に言われて鉄角と瞬木とさくらは思い出したように声を上げた。同じく九坂も忘れていたように声を上げる。
「そういえば……そうだったな。条件は『参加する』こと」
「契約に『優勝』という言葉はないんだ」
「ということは、今辞めても約束は守ってもらえる……」
契約にない以上、真名部の言う通り負けるなり辞めるなりしても条件は果たされるだろう。しかし黒岩の口からそのことを告げられていないので、皆帆は確認してみるかと声をかける。
「確かめてこようか?」
「いや、その必要はない。条件はどうだろうと、俺は続けるぜ」
「「「えっ?」」」
真っ先に拒否したのは鉄角だ。しかも条件関係ナシに続けると告げたので皆帆と真名部と好葉は驚いて思わず声を上げる。
「フッ……自分の中の熱い想いと、ちょっと向き合おうかと思ってな。それが今は『サッカー』ってとこかな」
「熱い想い……そうか、そうかもね!」
同意したさくらもまた、鉄角の言う『サッカーに対しての熱い想い』があるのだろう。
「お前らはどうすんだ?」
「俺は、みんながやるって言うんならやるよ」
「俺もやるかな」
「井吹、お前は?」
「もちろん続けるさ。……このままじゃ納得いかないからな」
鉄角が問いかけると、瞬木も九坂も井吹も同意する。思うことはどうであれサッカーに対して前向きになっていたようだ。
「僕にはわかりません。あくまでも重要なのはこちらの条件を守ってもらうことで、優勝することじゃないですから」
「「っ……――フンッ!」」
「?」
また条件反射なのか思わず互いの顔を見る真名部と皆帆。しかしブラックルームでは特訓に夢中だったから忘れることもあるが、二人は絶賛ケンカ中なのだ。いつも仲がいい頭脳派の二人の様子にそばにいた好葉はびっくりした。
「好葉はどうする?」
「えっ! あっ…うん…ウチは……」
「も~! ハッキリしなさいよ」
「ご、ごめんなさい……」
どっちつかずな好葉の様子にさくらがそう言うと、好葉は落ち込んで顔をうつむけてしまった。
「もりむ――」
「みんなー!」
九坂が好葉に声をかけようとすると、それよりも大きな声で駆け寄って来たのはタブレットを持った葵だった。
「準決勝の相手が決まったよ。相手はタイ代表のマッハタイガー。5対0でカタール代表のデザートライオンに圧勝だって!」
「「「「「えっ!?」」」」」
葵が差し出したタブレットを受け取った鉄角を中心に全員が見ると、準々決勝のマッハタイガー対デザートライオンの試合が映し出される。圧倒的な攻撃を持つシュートにより点を入れ続け、前半は2点で後半は3点と合わせて5点を取ったマッハタイガーが勝利を治めていた。
「5対0って……! デザートライオンだって弱いチームじゃないだろ!?」
「ええ。弱いどころか、前評判じゃデザートライオンが圧倒的に有利だったわ」
「そういえば、この大会は番狂わせが多いな……。実力が高くないはずのチームがいくつも勝ち進んでる」
「今頃気づいたんですか。いずれにしろ、優勝なんてちょっと速過ぎたみたいですね」
皆帆に向かってそう言った真名部は部屋に戻って行った。それを見た瞬木は二人のケンカが続いているのだと察する。
「まだケンカしてるんだ。……ケンカなんてバカらしい。他人なんてしょせんわかり合えないんだから、表面上うまく付き合っていけばいいのに」
「!」
「でもここまで来たんだから、優勝目指してがんばりましょう」
瞬木は後半の言葉を小さく呟くように言ったのだが、そばにいた皆帆には聞こえて振り向いた。しかし瞬木は反対側にいた葵にいつもの口調で話しかけている。
ブラックルームで自主練している天馬と剣城と雷門メンバーも、瑞貴から準決勝の相手を聞いて特訓に熱が入った。
(マッハタイガー……負けるもんか!)
――練習が終わったあと、皆帆は先日のようにヨットハーバーグラウンドのそばの公共ベンチで写真を見ていた。そこには父・皆帆左京と肩車してもらう幼い頃の自分がいた。
☆コーチの 今日の格言☆
当事者じゃないからこそ気づくこともある
以上!!