特訓! ブラックルーム‼︎
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吊り橋の橋に近い位置まで来た二人。すると板が外れるのも止まったので両膝に両手を当てながら肩で息をする。
「ハァ~……助かりました……」
ガコンッ! ガコンッ――……!
真名部と皆帆がホッとして振り向くと、先ほどまで外れた板が次々と元に戻っていた。しかし次の瞬間、逆サイドの板が落ちていくので走り出す。
「今度はこっちから!?」
「「うわあぁぁあああ!」」
外側から見れば二人もまたドーム状に包まれた空間にいて、残ったのはGKである井吹だけだ。
「キーパー用はないんですか?」
「もちろんある」
パシュンッ!
黒岩がそう告げた途端、井吹は一人砂漠の空間にいた。
「砂漠? 歩き辛いな……」
当然足場が砂なので足を上げればスパイクに引っ掛かっていた砂が落ちていく。そしてうしろにはサッカーゴール、目の前には最初に見たマネキン選手が現れた。
「なるほど、そういうことか。来い!」
バシュンッ!
井吹が構えると同時に放たれたシュートだが、砂のせいで思うように動けずゴールを許してしまった。
「もう一回だ!」
井吹はあきらめずもう一度と願い、再び特訓に入る。
三つの空間に分かれて選手たちがそれぞれ特訓をし、瑞貴と葵とみのりはそれを眺める中、黒岩はブラックルームから出ていったのでまたかと葵は溜息を吐く。
「ハァ……――えっ!?」
「何か?」
「い、いえ! 別に!」
いつも黒岩に付いて行くみのりがその場にいたので、葵は思わずといったように声を上げると、みのり本人に不思議に思われたので慌てて否定した。
その間に少し気まずい空気が流れると、その空気を変えるため葵は反対側にいる瑞貴に声をかける。
「で、でもこの特訓ってスゴいですね。ここなら格段にレベルアップしそうです!」
「うん。長所を伸ばし短所を直すのは打って付けだよ。だからこそ、私たちもしっかり記録して選手たちに伝えないと」
「えっ?」
「当事者じゃないからこそ気づくこともあるってこと。葵ちゃんもみのりちゃんも、傍目から見て何か気づいたら教えてね」
「はい!」
「わかりました」
瑞貴の頼みに元気よく返事をする葵とは対称的に、みのりは淡々と答えるのだった。
☆☆☆☆☆
二日目。剣城と鉄角とさくらはドリブルの練習をするのだが、鉄角とさくらは鉄骨が落ちて来る度に足を止めてしまう。しかし剣城はドリブルをやめず鉄骨をよけながら進むので、鉄角やさくらから尊敬の目で見つめる。
皆帆と真名部のペアは吊り橋の落ちる板から逃げるように走り続け、井吹は砂漠の砂に足を取られてゴールを次々と許してしまう。
天馬と九坂と好葉は足場が不規則な崖を登りつつ、次の崖へ行こうとするときに飛んで来るボールを空中でシュートして崖を渡らなければならない。神童と瞬木は流れる川をサーフボードに乗ってバランスを維持し、さらに飛んできたボールをジャンプして蹴って再びボードに着地して再び流れに乗る。
「うわああっ!」
「誰よ! こんなプログラム選んだの!」
続いて鉄角とさくらと瞬木と皆帆と真名部と好葉と九坂は、現在恐竜に追われていた。これもまた足腰を鍛える特訓なのだがリアルなため本人たちの内心は命懸けである。
☆☆☆☆☆
三日目。みのりから操作を教えてもらったので鉄角を始め選手たちは自分でコンピューターを動かし、特訓のメニューやレベルを調整できるようになっていた。
「よし、レベル2。1.5倍だ」
「そんなのムリだ」
「ムリだからやるんだ!」
鉄角は九坂にそう言ってさくらと三人で選ぶメニューを選択する。いつもの街エリアで鉄骨が落ちてくるが……レベル1よりも鉄骨の量が多かった。
「やっぱレベル1で……」
その光景を見て、過度なムリはせず徐々にレベルを上げて行こうと思った鉄角だった。
選手たちがそれぞれ特訓を行う中、瑞貴はデータとは別に自分の目で見たことを記録し、葵はたまにみのりに話しかけてコミュニケーションをとっていた。
――ブラックルームの練習が終わると、雷門メンバーを除き鉄角たちは宿舎のテラスで水分補給をする。
「プッハァ~! 終わったぜ!」
「それにしても妙だとは思わない?」
「「「「「?」」」」」
「サッカーのために、あんなスゴい施設を作るなんて」
「掛かっている費用は、少なく見積もっても数十億……普通じゃ考えられない額です」
皆帆の疑問も真名部の予想額もあながち間違っていないだろう。しかしいくら世界大会のためとはいえ、度が過ぎているのではないかと思った。
「ハァ~……助かりました……」
ガコンッ! ガコンッ――……!
真名部と皆帆がホッとして振り向くと、先ほどまで外れた板が次々と元に戻っていた。しかし次の瞬間、逆サイドの板が落ちていくので走り出す。
「今度はこっちから!?」
「「うわあぁぁあああ!」」
外側から見れば二人もまたドーム状に包まれた空間にいて、残ったのはGKである井吹だけだ。
「キーパー用はないんですか?」
「もちろんある」
パシュンッ!
黒岩がそう告げた途端、井吹は一人砂漠の空間にいた。
「砂漠? 歩き辛いな……」
当然足場が砂なので足を上げればスパイクに引っ掛かっていた砂が落ちていく。そしてうしろにはサッカーゴール、目の前には最初に見たマネキン選手が現れた。
「なるほど、そういうことか。来い!」
バシュンッ!
井吹が構えると同時に放たれたシュートだが、砂のせいで思うように動けずゴールを許してしまった。
「もう一回だ!」
井吹はあきらめずもう一度と願い、再び特訓に入る。
三つの空間に分かれて選手たちがそれぞれ特訓をし、瑞貴と葵とみのりはそれを眺める中、黒岩はブラックルームから出ていったのでまたかと葵は溜息を吐く。
「ハァ……――えっ!?」
「何か?」
「い、いえ! 別に!」
いつも黒岩に付いて行くみのりがその場にいたので、葵は思わずといったように声を上げると、みのり本人に不思議に思われたので慌てて否定した。
その間に少し気まずい空気が流れると、その空気を変えるため葵は反対側にいる瑞貴に声をかける。
「で、でもこの特訓ってスゴいですね。ここなら格段にレベルアップしそうです!」
「うん。長所を伸ばし短所を直すのは打って付けだよ。だからこそ、私たちもしっかり記録して選手たちに伝えないと」
「えっ?」
「当事者じゃないからこそ気づくこともあるってこと。葵ちゃんもみのりちゃんも、傍目から見て何か気づいたら教えてね」
「はい!」
「わかりました」
瑞貴の頼みに元気よく返事をする葵とは対称的に、みのりは淡々と答えるのだった。
☆☆☆☆☆
二日目。剣城と鉄角とさくらはドリブルの練習をするのだが、鉄角とさくらは鉄骨が落ちて来る度に足を止めてしまう。しかし剣城はドリブルをやめず鉄骨をよけながら進むので、鉄角やさくらから尊敬の目で見つめる。
皆帆と真名部のペアは吊り橋の落ちる板から逃げるように走り続け、井吹は砂漠の砂に足を取られてゴールを次々と許してしまう。
天馬と九坂と好葉は足場が不規則な崖を登りつつ、次の崖へ行こうとするときに飛んで来るボールを空中でシュートして崖を渡らなければならない。神童と瞬木は流れる川をサーフボードに乗ってバランスを維持し、さらに飛んできたボールをジャンプして蹴って再びボードに着地して再び流れに乗る。
「うわああっ!」
「誰よ! こんなプログラム選んだの!」
続いて鉄角とさくらと瞬木と皆帆と真名部と好葉と九坂は、現在恐竜に追われていた。これもまた足腰を鍛える特訓なのだがリアルなため本人たちの内心は命懸けである。
☆☆☆☆☆
三日目。みのりから操作を教えてもらったので鉄角を始め選手たちは自分でコンピューターを動かし、特訓のメニューやレベルを調整できるようになっていた。
「よし、レベル2。1.5倍だ」
「そんなのムリだ」
「ムリだからやるんだ!」
鉄角は九坂にそう言ってさくらと三人で選ぶメニューを選択する。いつもの街エリアで鉄骨が落ちてくるが……レベル1よりも鉄骨の量が多かった。
「やっぱレベル1で……」
その光景を見て、過度なムリはせず徐々にレベルを上げて行こうと思った鉄角だった。
選手たちがそれぞれ特訓を行う中、瑞貴はデータとは別に自分の目で見たことを記録し、葵はたまにみのりに話しかけてコミュニケーションをとっていた。
――ブラックルームの練習が終わると、雷門メンバーを除き鉄角たちは宿舎のテラスで水分補給をする。
「プッハァ~! 終わったぜ!」
「それにしても妙だとは思わない?」
「「「「「?」」」」」
「サッカーのために、あんなスゴい施設を作るなんて」
「掛かっている費用は、少なく見積もっても数十億……普通じゃ考えられない額です」
皆帆の疑問も真名部の予想額もあながち間違っていないだろう。しかしいくら世界大会のためとはいえ、度が過ぎているのではないかと思った。