特訓! ブラックルーム‼︎
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フットボールフロンティアインターナショナルV2の準々決勝・サウジアラビア代表シャムシール戦は、九坂隆二が松風天馬と森村好葉のおかげで己の弱さと向き合うことができ、見事勝利を収めることができた。次は準決勝……お台場サッカーガーデンに知的な夫婦が訪れるのだが、また新たな波乱がやって来る。
ヨットハーバーグラウンドで、イナズマジャパンは次の準決勝に向けて練習をしている。今日はオフェンスとディフェンスに分かれる実践形式だ。
「キャプテン!」
「行かせるか!」
「あの速度なら、キャプテンが右からかわす確率は……86パーセント!」
野咲さくらのパスを受け取った天馬がドリブルし、それを鉄角真が止めようと走り出す中、真名部陣一郎は両指で四角を作って観察し推測した。
「でやあっ!」
「計算通り!」
すると真名部の予測通り、鉄角のスライディングを天馬は右にかわした。予測していたこともあり、真名部が自信満々に天馬を止めようとするが……。
「ふっ!」
「あっ!? 計算はバッチリだったのに……」
確かに予測は合っていたが天馬にアッサリと抜かれてしまうのだった。
「九坂!」
「いいぞ、九坂!」
「いけ!」
以前と違いしっかりとパスを受け取ってドリブルする九坂に、天馬と瞬木隼人は走りながら応援する。
(本当の強さとは、自分の恐れていることに向き合えること……あいつに言われなきゃ、俺は自分が何を本当に怖がっていたのか、気づくことはできなかった……)
九坂は好葉を見つめながら真名部をかわし、シャムシール戦のことを思い出す。
『ウチにはわかる……。九坂くんは怖がってるんです……』
『怖いだと? 俺が何を怖がってるって言うんだ』
(あいつは俺のことをわかってくれた……俺も、あいつのことをわかってやりたい!)
九坂は自分でもわかっていなかった弱さに気づかせて救ってくれた好葉に、今度は自分が救いたいと思うようになった。
時に強い思いがレベルアップに繋がることがある。そして意気込みがあるのは九坂だけじゃない。
(待ってろ。雄太、瞬。次の試合でも点を取ってやるからな!)
弟たちの姿が瞬木の脳裏に浮かぶ。試合で点を取れば喜んでくれるし、二人の世間体にも良き方向へ繋がる。
「もらった!」
「ふっ! キャプテン!」
「よし!」
「ナイス瞬木!」
ディフェンスに来る皆帆和人を、瞬木は足でボールを抑えて動きを止め、一瞬のフェイントで皆帆をかわし天馬にパスをした。絶好の位置にパスする瞬木を天馬もさくらも称える。
「…………」
ゴールの近くにいる神童拓人は相変わらず厳しい目で練習光景を見ている。対して空野葵と円堂瑞貴はベンチから徐々に実力をつけて来たみんなを見て嬉しそうにしていた。
「みんな、どんどんうまくなってきていますね……! 連携もれるようになってきたし!」
「そうだね。まだまだ問題はあるけど、サッカーに対して積極的な姿勢になってくれたのは嬉しいな」
「水川さんも監督とばかりいないで、みんなと一緒にいれば楽しいのに……」
葵が少し眉を下げて見上げる先は宿舎がある。今日も黒岩流星が練習を見に来ていないので必然的に水川みのりも来ていない。マネージャー同士、彼女ともっと仲良くなりたい葵は残念に思っているのだろう。
「九坂!」
「ふっ!」
「あっ!」
九坂に向かってパスを出した天馬。だが九坂に渡る前に飛び出してパスカットしたのは鉄角だ。
「森村!」
「ふえっ! あっ…ああっ……」
鉄角が出したパスに好葉はアタフタして右往左往するが受け取ることができず、バウンドしたボールを追って行った。
「ハァ~……またか」
「っ! ウウッ……」
「…………」
両手を横にして軽く溜息を吐くさくらの言葉が聞こえ、好葉は身を小さくして落ち込んだ。それに九坂は何かを思ったのか好葉を見つめていた。
☆☆☆☆☆
宿舎にある監督専用の部屋で、黒岩はコンピューターを作動させるとモニターに瞬木とさくらと九坂が映し出される。これまでの試合の中で変化が訪れた三人の名前をポトムリ=エムナトルが黒岩の横から上げる。
「瞬木隼人に、野咲さくら、そして今度は九坂隆二ですか。あなたはこうなることを予測していた……。それがあなたの自信の根拠というわけですね」
「彼らの力はまだまだこんなものではない」
「ホォ、それはそれは……」
ポトムリが黒岩から次にモニターを見やると、そこには黒岩が先ほどアップさせた九坂が映し出された。まるで彼が再び変化を起こしてくれると予想しているようだ。
ヨットハーバーグラウンドで、イナズマジャパンは次の準決勝に向けて練習をしている。今日はオフェンスとディフェンスに分かれる実践形式だ。
「キャプテン!」
「行かせるか!」
「あの速度なら、キャプテンが右からかわす確率は……86パーセント!」
野咲さくらのパスを受け取った天馬がドリブルし、それを鉄角真が止めようと走り出す中、真名部陣一郎は両指で四角を作って観察し推測した。
「でやあっ!」
「計算通り!」
すると真名部の予測通り、鉄角のスライディングを天馬は右にかわした。予測していたこともあり、真名部が自信満々に天馬を止めようとするが……。
「ふっ!」
「あっ!? 計算はバッチリだったのに……」
確かに予測は合っていたが天馬にアッサリと抜かれてしまうのだった。
「九坂!」
「いいぞ、九坂!」
「いけ!」
以前と違いしっかりとパスを受け取ってドリブルする九坂に、天馬と瞬木隼人は走りながら応援する。
(本当の強さとは、自分の恐れていることに向き合えること……あいつに言われなきゃ、俺は自分が何を本当に怖がっていたのか、気づくことはできなかった……)
九坂は好葉を見つめながら真名部をかわし、シャムシール戦のことを思い出す。
『ウチにはわかる……。九坂くんは怖がってるんです……』
『怖いだと? 俺が何を怖がってるって言うんだ』
(あいつは俺のことをわかってくれた……俺も、あいつのことをわかってやりたい!)
九坂は自分でもわかっていなかった弱さに気づかせて救ってくれた好葉に、今度は自分が救いたいと思うようになった。
時に強い思いがレベルアップに繋がることがある。そして意気込みがあるのは九坂だけじゃない。
(待ってろ。雄太、瞬。次の試合でも点を取ってやるからな!)
弟たちの姿が瞬木の脳裏に浮かぶ。試合で点を取れば喜んでくれるし、二人の世間体にも良き方向へ繋がる。
「もらった!」
「ふっ! キャプテン!」
「よし!」
「ナイス瞬木!」
ディフェンスに来る皆帆和人を、瞬木は足でボールを抑えて動きを止め、一瞬のフェイントで皆帆をかわし天馬にパスをした。絶好の位置にパスする瞬木を天馬もさくらも称える。
「…………」
ゴールの近くにいる神童拓人は相変わらず厳しい目で練習光景を見ている。対して空野葵と円堂瑞貴はベンチから徐々に実力をつけて来たみんなを見て嬉しそうにしていた。
「みんな、どんどんうまくなってきていますね……! 連携もれるようになってきたし!」
「そうだね。まだまだ問題はあるけど、サッカーに対して積極的な姿勢になってくれたのは嬉しいな」
「水川さんも監督とばかりいないで、みんなと一緒にいれば楽しいのに……」
葵が少し眉を下げて見上げる先は宿舎がある。今日も黒岩流星が練習を見に来ていないので必然的に水川みのりも来ていない。マネージャー同士、彼女ともっと仲良くなりたい葵は残念に思っているのだろう。
「九坂!」
「ふっ!」
「あっ!」
九坂に向かってパスを出した天馬。だが九坂に渡る前に飛び出してパスカットしたのは鉄角だ。
「森村!」
「ふえっ! あっ…ああっ……」
鉄角が出したパスに好葉はアタフタして右往左往するが受け取ることができず、バウンドしたボールを追って行った。
「ハァ~……またか」
「っ! ウウッ……」
「…………」
両手を横にして軽く溜息を吐くさくらの言葉が聞こえ、好葉は身を小さくして落ち込んだ。それに九坂は何かを思ったのか好葉を見つめていた。
☆☆☆☆☆
宿舎にある監督専用の部屋で、黒岩はコンピューターを作動させるとモニターに瞬木とさくらと九坂が映し出される。これまでの試合の中で変化が訪れた三人の名前をポトムリ=エムナトルが黒岩の横から上げる。
「瞬木隼人に、野咲さくら、そして今度は九坂隆二ですか。あなたはこうなることを予測していた……。それがあなたの自信の根拠というわけですね」
「彼らの力はまだまだこんなものではない」
「ホォ、それはそれは……」
ポトムリが黒岩から次にモニターを見やると、そこには黒岩が先ほどアップさせた九坂が映し出された。まるで彼が再び変化を起こしてくれると予想しているようだ。