帝王の涙!
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すると九坂は両手をズボンのポケットに入れると、地面に足をめり込ませ、首のうしろにボールを乗せて反り返る。それに従うようボールが宙に浮く間、勢いよく反り返した体が落ちて来るボールに目がけてヘディングをかます。
「キョウボウヘッド!」
「ドライブロー!」
ついに誕生した九坂の必殺技に、スルタンもまた必殺技で立ち向かうがシュートはゴールに入った。
《決まった――っ!! 九坂のキョウボウヘッドでイナズマジャパン、とうとう逆転に成功した――っ!!》
決勝点を決めたイナズマジャパンへ王将の実況と同時に湧き起こる歓声。そして試合終了のホイッスルが鳴り響く。
《ここで試合終了――っ!! イナズマジャパン、3対2でシャムシールを破り、準決勝へ進出を決めました――っ!!》
「いいぞー! バンダナの兄ちゃーん!」
「カッコよかったぞー!」
「リュウちゃん……! いっぱい悩んだけど、思い切って今日ここへ来て、本当によかった……!」
雄太と瞬が称賛の声を上げ、生まれ変わった九坂の姿が見れた里子は目尻に涙を浮かべていた。
試合が終わったのでバンダナを頭に付ける九坂に声をかける天馬の顔は、試合に勝っただけでなく、九坂が決勝点を決めたことにも喜んでいた。
「九坂!」
「!」
「決めたな、決勝点! スゴい必殺シュートだったよ! この勢いで、準決勝も勝とう!」
「……ハハッ。なんか、いいっスね、サッカーって!」
「そうだろう!? いいだろ、サッカー!」
「ウッス!」
褒められて照れ臭いのか頭を掻く九坂。だが気持ちのいいプレーができてサッカーに対する見方も変わったのでそう告げると、サッカーの面白さに気づいてくれて天馬は再び嬉しそうに声を上げた。
『条件を言います。俺のせいで退学くらった仲間たちと一緒に、俺をこの学校に戻してください』
九坂はベンチにいる黒岩を見て初めて会ったときのことを思い出す。通っていた友信学園の前で、九坂は黒岩にイナズマジャパンに参加する条件を頭を下げて提示した。
(俺は仲間を守ってるつもりだった……けど、結局それは自分を守っていただけ。みんなが離れていくことを、恐れていただけだったんだ……)
九坂だって本当はとっくに気づいていたかもしれないが、それを認めたくなかった。しかし向き合うことで見方も変わることができたようだ。
「次は準決勝だ!」
「「「「「オウッ!」」」」」
ゴール前でみんなと共に喜びを分かち合う天馬を、剣城と神童は少し離れた場所で眺めていた。
「試合を重ねるごとに、みんながまとまってきていますね。その中心にいるのは間違いなく――天馬です」
「ああ……」
物事の見方が変わって来たのは九坂だけでなく神童も同じようだ。まだ不安要素はいくつかあるが、天馬が税所からずっと彼らと向き合っていたことが、チームに変化をもたらしていたのかもしれない。
「楽しい試合でしたね」
「…………」
みのりが笑みを浮かべてそう言うが、黒岩は何も返さなかった。
☆☆☆☆☆
「「「「「いただきまーす!」」」」」
宿舎に戻ったイナズマジャパンは、夕飯に蒲田静音が作ったカレーを味わっていた。
「ん~! うまい!」
「おばちゃんのカレー、最高!」
「たんとお食べよお食べ! おかわりたーくさん作ってあるからね!」
「――辛っ!」
「ん?」
天馬やさくらのような称賛が上がる中で、静音が顔を向けると九坂が舌を出して辛さを引こうとしているのが目に入った。
「ヒー! ヒー!」
「あら九坂くん、辛いの『弱い』のね」
「!」
ピタッ。
「「「「「!」」」」」
試合で起こったトラブルの詳細を知らないのか、不意にそう言った静音の言葉に手を止めた九坂。他のメンバーも食べる手を止めて緊張した面持ちで見やると……。
「いえ! 辛いの大好きっス!」
「おどかすなよ……」
「ハァ~……アハハハッ」
顔中に汗を流しているが親指を立てて笑った九坂に、井吹と天馬たちはホッとする。
「辛っ! けどうめぇ!」
ガツガツとカレーを食べる九坂は、満足そうに笑ってそう言った。
☆コーチの 今日の格言☆
強さと弱さは表裏一体……だからこそ自分の強さも弱さも見つけたときに、人は本当の意味で強くなれる
以上!!
「キョウボウヘッド!」
「ドライブロー!」
ついに誕生した九坂の必殺技に、スルタンもまた必殺技で立ち向かうがシュートはゴールに入った。
《決まった――っ!! 九坂のキョウボウヘッドでイナズマジャパン、とうとう逆転に成功した――っ!!》
決勝点を決めたイナズマジャパンへ王将の実況と同時に湧き起こる歓声。そして試合終了のホイッスルが鳴り響く。
《ここで試合終了――っ!! イナズマジャパン、3対2でシャムシールを破り、準決勝へ進出を決めました――っ!!》
「いいぞー! バンダナの兄ちゃーん!」
「カッコよかったぞー!」
「リュウちゃん……! いっぱい悩んだけど、思い切って今日ここへ来て、本当によかった……!」
雄太と瞬が称賛の声を上げ、生まれ変わった九坂の姿が見れた里子は目尻に涙を浮かべていた。
試合が終わったのでバンダナを頭に付ける九坂に声をかける天馬の顔は、試合に勝っただけでなく、九坂が決勝点を決めたことにも喜んでいた。
「九坂!」
「!」
「決めたな、決勝点! スゴい必殺シュートだったよ! この勢いで、準決勝も勝とう!」
「……ハハッ。なんか、いいっスね、サッカーって!」
「そうだろう!? いいだろ、サッカー!」
「ウッス!」
褒められて照れ臭いのか頭を掻く九坂。だが気持ちのいいプレーができてサッカーに対する見方も変わったのでそう告げると、サッカーの面白さに気づいてくれて天馬は再び嬉しそうに声を上げた。
『条件を言います。俺のせいで退学くらった仲間たちと一緒に、俺をこの学校に戻してください』
九坂はベンチにいる黒岩を見て初めて会ったときのことを思い出す。通っていた友信学園の前で、九坂は黒岩にイナズマジャパンに参加する条件を頭を下げて提示した。
(俺は仲間を守ってるつもりだった……けど、結局それは自分を守っていただけ。みんなが離れていくことを、恐れていただけだったんだ……)
九坂だって本当はとっくに気づいていたかもしれないが、それを認めたくなかった。しかし向き合うことで見方も変わることができたようだ。
「次は準決勝だ!」
「「「「「オウッ!」」」」」
ゴール前でみんなと共に喜びを分かち合う天馬を、剣城と神童は少し離れた場所で眺めていた。
「試合を重ねるごとに、みんながまとまってきていますね。その中心にいるのは間違いなく――天馬です」
「ああ……」
物事の見方が変わって来たのは九坂だけでなく神童も同じようだ。まだ不安要素はいくつかあるが、天馬が税所からずっと彼らと向き合っていたことが、チームに変化をもたらしていたのかもしれない。
「楽しい試合でしたね」
「…………」
みのりが笑みを浮かべてそう言うが、黒岩は何も返さなかった。
☆☆☆☆☆
「「「「「いただきまーす!」」」」」
宿舎に戻ったイナズマジャパンは、夕飯に蒲田静音が作ったカレーを味わっていた。
「ん~! うまい!」
「おばちゃんのカレー、最高!」
「たんとお食べよお食べ! おかわりたーくさん作ってあるからね!」
「――辛っ!」
「ん?」
天馬やさくらのような称賛が上がる中で、静音が顔を向けると九坂が舌を出して辛さを引こうとしているのが目に入った。
「ヒー! ヒー!」
「あら九坂くん、辛いの『弱い』のね」
「!」
ピタッ。
「「「「「!」」」」」
試合で起こったトラブルの詳細を知らないのか、不意にそう言った静音の言葉に手を止めた九坂。他のメンバーも食べる手を止めて緊張した面持ちで見やると……。
「いえ! 辛いの大好きっス!」
「おどかすなよ……」
「ハァ~……アハハハッ」
顔中に汗を流しているが親指を立てて笑った九坂に、井吹と天馬たちはホッとする。
「辛っ! けどうめぇ!」
ガツガツとカレーを食べる九坂は、満足そうに笑ってそう言った。
☆コーチの 今日の格言☆
強さと弱さは表裏一体……だからこそ自分の強さも弱さも見つけたときに、人は本当の意味で強くなれる
以上!!