帝王の涙!
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《おおっとこれは!? 突然不良の一団が乱入だー!》
「なんだ、あいつら!?」
天馬を始めイナズマジャパンもシャムシールも、そして観客も角間王将も驚くばかりだ。当然試合は止まり、スタジアムは混乱状態に陥る。
「っ!」
「待て、井上。お前が行ってもどうにもならん」
「しかし……」
今にも駆け出そうとする瑞貴を黒岩流星は止めた。彼らがフィールドまで来たということは警備員も力ずくで倒したことになるので、ケンカの経験もない瑞貴が行ってもどうにもならない。瑞貴自身もわかっているが、悔しくて拳を握りしめる。
「天馬……。どうしよう、水川さん……」
「私たちにできることはないわ」
「それは…そうだけど……」
葵も水川みのりに相談するが、彼女の言う通り瑞貴同様に自分たち女子にやれることはない。
今この場で彼ら不良はアウェイな存在なのだが、そんな空気をモノともせず出門は一歩前に出て九坂にニヤリと笑いかける。
「九坂さんよぉ、昨日は俺の子分を可愛がってくれたそうじゃねぇか。たっぷり礼はさせてもらうぜ?」
「クッ!」
「何を言ってるんだ!? 九坂は――……あっ」
声を上げた天馬の前に九坂は腕を伸ばして制した。自分が原因な上、天馬に奴らの目に付けられないようにという九坂なりの配慮なのだろう。
「すんません、キャプテン。俺の問題っス」
「どうした? かかって来れねぇのか?」
「クッ!」
「やっぱり噂通り、おめぇは『弱っちい』クズ野郎か?」
「!」
今ここで再び『弱い』というワードに反応する九坂は伸ばした腕の拳を握り締める。それに天馬も気づいて声を上げる。
「てめぇ、今なんつった!?」
「っ、九坂!」
「おんどりゃあ!」
ガッ!
九坂の拳をくらったのは出門でも他の子分でもなく……天馬だった。まさか天馬が前に出ると思わなかったので九坂は驚き、葵は天馬の身を案じて叫ぶ。
「何っ!?」
「天馬!」
「あいつらケンカ始めたぞ?」
「野蛮な奴らだ」
先ほどまでこの状況に驚いていたカシムやサイードたちシャムシールも、幾分か落ち着きを取り戻したのか逆に楽しそうに笑って傍観していた。
「九坂……サッカーを……。今は…俺たちと…サッカーをやるんだ……!」
「あそこまで言われて引っ込んでられるか!」
「九坂!」
顔を上げた天馬の頬は少し晴れて片目がうまく開かないのか半目になっている。それでも懸命に九坂に呼びかけるが、九坂は再び目を大きく見開いていた。
「グダグダ言ってねぇでかかって来いよ! 弱虫野郎が!」
「っ、俺は弱くなんかない! 俺は……強くなったんだ!」
先に九坂から手を出させようとしているのか挑発する出門。それに九坂は昔を思い出す。
過去にいじめっ子に負けて以来、抑えていた感情が爆発した影響のせいか九坂は荒々しくなり、再び来たいじめっ子たちを返り討ちにしたが、その光景に恐れた里子が自分から離れてしまった。
『強くなきゃ……強くならなきゃ!』
自分がもっと早く強くなれば里子も離れなかったと思い、それ以来九坂は強さを求めるようになった。
そして今、試合中に何度も抑えて耐えようとしていた感情が再び爆発し、燃えるような炎のオーラにより九坂のバンダナが外れ怒髪天モードになる。
「うおおぉぉおおお!」
「九坂……ダメだ!」
「っ!」
今までにない異変に天馬は声を上げて止め、観客席にいる里子は何かを決意して立ち上がった。
その一方で出門たちは怒髪天モードの九坂にビビっており、九坂が一歩前に出れば逆に一歩うしろに退いた。しかしその場から立ち去ろうととしない。
「ウウウッ……!」
「じょ、上等だ…かかって来いや、コラッ!」
「あいつら、あくまで九坂くんに先に手を出させようとしている!」
「九坂くん!」
弱々しくも挑発する出門を見て、自分たちからは手を出さず『九坂が手を出した』という名目で選手生命を断とうとするのが九坂への仕返しだと気づいた瑞貴。葵は落ち着きを取り戻してほしいと九坂に声を上げる。すると……。
「なんだ、あいつら!?」
天馬を始めイナズマジャパンもシャムシールも、そして観客も角間王将も驚くばかりだ。当然試合は止まり、スタジアムは混乱状態に陥る。
「っ!」
「待て、井上。お前が行ってもどうにもならん」
「しかし……」
今にも駆け出そうとする瑞貴を黒岩流星は止めた。彼らがフィールドまで来たということは警備員も力ずくで倒したことになるので、ケンカの経験もない瑞貴が行ってもどうにもならない。瑞貴自身もわかっているが、悔しくて拳を握りしめる。
「天馬……。どうしよう、水川さん……」
「私たちにできることはないわ」
「それは…そうだけど……」
葵も水川みのりに相談するが、彼女の言う通り瑞貴同様に自分たち女子にやれることはない。
今この場で彼ら不良はアウェイな存在なのだが、そんな空気をモノともせず出門は一歩前に出て九坂にニヤリと笑いかける。
「九坂さんよぉ、昨日は俺の子分を可愛がってくれたそうじゃねぇか。たっぷり礼はさせてもらうぜ?」
「クッ!」
「何を言ってるんだ!? 九坂は――……あっ」
声を上げた天馬の前に九坂は腕を伸ばして制した。自分が原因な上、天馬に奴らの目に付けられないようにという九坂なりの配慮なのだろう。
「すんません、キャプテン。俺の問題っス」
「どうした? かかって来れねぇのか?」
「クッ!」
「やっぱり噂通り、おめぇは『弱っちい』クズ野郎か?」
「!」
今ここで再び『弱い』というワードに反応する九坂は伸ばした腕の拳を握り締める。それに天馬も気づいて声を上げる。
「てめぇ、今なんつった!?」
「っ、九坂!」
「おんどりゃあ!」
ガッ!
九坂の拳をくらったのは出門でも他の子分でもなく……天馬だった。まさか天馬が前に出ると思わなかったので九坂は驚き、葵は天馬の身を案じて叫ぶ。
「何っ!?」
「天馬!」
「あいつらケンカ始めたぞ?」
「野蛮な奴らだ」
先ほどまでこの状況に驚いていたカシムやサイードたちシャムシールも、幾分か落ち着きを取り戻したのか逆に楽しそうに笑って傍観していた。
「九坂……サッカーを……。今は…俺たちと…サッカーをやるんだ……!」
「あそこまで言われて引っ込んでられるか!」
「九坂!」
顔を上げた天馬の頬は少し晴れて片目がうまく開かないのか半目になっている。それでも懸命に九坂に呼びかけるが、九坂は再び目を大きく見開いていた。
「グダグダ言ってねぇでかかって来いよ! 弱虫野郎が!」
「っ、俺は弱くなんかない! 俺は……強くなったんだ!」
先に九坂から手を出させようとしているのか挑発する出門。それに九坂は昔を思い出す。
過去にいじめっ子に負けて以来、抑えていた感情が爆発した影響のせいか九坂は荒々しくなり、再び来たいじめっ子たちを返り討ちにしたが、その光景に恐れた里子が自分から離れてしまった。
『強くなきゃ……強くならなきゃ!』
自分がもっと早く強くなれば里子も離れなかったと思い、それ以来九坂は強さを求めるようになった。
そして今、試合中に何度も抑えて耐えようとしていた感情が再び爆発し、燃えるような炎のオーラにより九坂のバンダナが外れ怒髪天モードになる。
「うおおぉぉおおお!」
「九坂……ダメだ!」
「っ!」
今までにない異変に天馬は声を上げて止め、観客席にいる里子は何かを決意して立ち上がった。
その一方で出門たちは怒髪天モードの九坂にビビっており、九坂が一歩前に出れば逆に一歩うしろに退いた。しかしその場から立ち去ろうととしない。
「ウウウッ……!」
「じょ、上等だ…かかって来いや、コラッ!」
「あいつら、あくまで九坂くんに先に手を出させようとしている!」
「九坂くん!」
弱々しくも挑発する出門を見て、自分たちからは手を出さず『九坂が手を出した』という名目で選手生命を断とうとするのが九坂への仕返しだと気づいた瑞貴。葵は落ち着きを取り戻してほしいと九坂に声を上げる。すると……。