九坂の二つの顔!
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九坂は以前天馬が探しに来ていた工事現場で、七瀬と五反田と六本松と共にたむろっていた。
「なんか面白いことないっスかね~?」
ザッ――。
「よぉ、九坂。最近、球蹴りなんかやってるんだって?」
「「「「ヒヒヒヒッ」」」」
「…………!」
組み立てられた鉄骨の上から現れたのは兜坂テルという男を含めた五人の男子中学生。しかし彼らを見た九坂は眉をしかめた。
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ミーティングルームに残った天馬は一人、サウジアラビア代表シャムシールの試合をモニターで見ていた。
「アラビアの獅子か……確かにスゴい破壊力だ」
パシュンッ!
「大変よ、天馬!」
「ん?」
「九坂くんが……九坂くんが警察に!」
「えっ!? 警察って……何かあったのか!?」
突然入って来た葵の報告に、天馬は目を見開いて椅子から立ち上がった。
「街の不良たちとケンカしたらしいの」
「ケンカ!? なんで!?」
「そういえば……帝国とのエキシビジョンマッチのときも!」
葵はふとエキシビジョンマッチのことを思い出した。いつもニコニコとしている九坂だが、あるとき目を開けて険しい表情をしていたときがあった。
『今、弱いって言ったよな……言ったよなー!?』
天馬もそれを思い出し、九坂がそのときのように暴走したのではないかと思った。
――九坂が暴力事件を起こしたことは当然瑞貴や黒岩の耳にも入っている。瑞貴は九坂を迎えに行くため、黒岩の部屋に入って外出許可をもらいに行く。
「監督、タクシーを呼びました。私はこれから九坂くんを――」
「構わん。私が行ってくる」
「えっ?」
まさか黒岩自身が出向くと思っていなかったので瑞貴は目を丸くしたが、黒岩が部屋から出て行ったとき我に返って慌ててあとを追った。
宿舎から出る黒岩と瑞貴。階段下の道沿いには瑞貴が呼んだタクシーが待っている。
「――監督! 瑞貴さん!」
「…………」
「天馬!」
声をかけられたので振り向くと、そこには天馬がいた。
「警察に行くんですよね? 俺も一緒に連れてってください!」
「好きにしろ。井上、お前はここに残れ」
「はい。天馬、九坂くんのことお願いね」
「わかりました」
瑞貴の言葉に力強く頷いた天馬は黒岩と共にタクシーに乗り込み、九坂がいるという警察署へと向かって行くのだった。