九坂の二つの顔!
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「剣城!」
「!」
「練習に付き合え」
「フッ、いいだろう」
「瑞貴さん、時間があるなら練習を見てくれませんか?」
「うん、いいよ」
井吹は自主練をすることにしたらしく、剣城を練習に誘った。次いで井吹は瑞貴にも練習を見てもらうようにお願いすると、瑞貴もまた快く了承すると……。
「井吹、ズルい! 私、瑞貴さんも一緒にショッピングに誘おうと思ったのに!」
「みぎゃ!?」
突然横から腕を引かれて瑞貴は驚くと、その犯人はさくらだった。ビッグウェイブス戦の前から気にかけていたせいか、懐かれたようだ。
「早いモン勝ちだ、残念だったな」
「むぅ~」
両腕を組んで得意気に笑う井吹にさくらはいかにも『不満です』というように片頬を軽く膨らませると、瑞貴はそんな彼女の頭を優しく撫でる。
「次に休みがあったら出掛けようか。仕事もあるからあまり長くはできないけど、それでもいい?」
「っ、もちろんです!」
「好葉ちゃんも、そのときは一緒に行かない?」
「あっ…その……はい……」
元気よく答えたさくらに対し目を左右に動かしてしどろもどろな好葉。その様子に瑞貴は少し眉を下げたあと、さくらと別れて井吹と剣城に付いて行った。
「九坂!」
「ん?」
「一緒に練習やるか?」
「アッハハッ……いいっスよ。俺なんかのために時間使ってもらわなくても。じゃあ……」
「…………」
そう言って去って行った九坂に、天馬は残念そうに眉を下げた。
☆☆☆☆☆
瞬木の自宅であるアパート・ひので荘。その公共の蛇口で瞬木瞬が顔を洗っていた。
「瞬!」
「あっ、兄ちゃん!」
笑顔で振り向いた瞬の頬には傷があったので、瞬木は少ししゃがんで傷のことを尋ねる。
「ん? どうしたんだ、その傷」
「ケンタだよ……。俺があいつの怪獣隠したら、怒って殴りかかって来たんだ……」
「コラッ、瞬」
「えっ?」
普通ならここで『人の物を隠すな』としつけも兼ねて怒るだろう。しかし瞬木が瞬に告げた言葉は……。
「兄ちゃんがいつも言ってるだろ? 何をするにも見つからないようにやるんだ。見つかったら負け、何をやったって見つからなきゃ勝ちなんだ。――わかるな?」
「うん!」
逆に瞬木は瞬の行動に責めたのは『隠すのを見つかった』ということだけだ。――まるで己の本性を隠しているのが見つかっていないことも、勝ち続けている証だというように。
☆☆☆☆☆
ヨットハーバーグラウンドで井吹と剣城は練習をしており、瑞貴はそれを見学していた。井吹はチームのエースストライカーである剣城のシュートを全て受け止めることはできず、あちこちに擦り傷ができていた。
「クッ! まだまだ……手加減はいらん! 来い!」
「でぇりゃあっ!」
「クッ!」
再び剣城のシュートがゴールに入った。しかし井吹はあきらめておらず、もう一度と剣城に声をかける。
「もう一回だ……!」
「ちょっと待って」
「「!」」
「宗正くん、体に力が入り過ぎ。それじゃあ止められるシュートも止めれないよ。それと京介くんは時にギリギリのポイントにシュートを入れて自身のコントロールの練習も兼ねてみて」
「「はい!」」
☆☆☆☆☆
鉄角は港に向かって走る中でときどきボラードを相手選手に見立てているのか、フェイントの練習も兼ねていた。
そしてさくらと好葉の二人は、アクアモールエリアで服やストラップを見たり、大道芸を見学したりと楽しんでいた。そして今はドーナツショップのカウンターで休憩中である。
「思ったより充実してるなぁ、このモール。ところで、好葉はどんな条件で雇われたの?」
「えっ……」
「私は、世界最高チームへの海外留学……。私のいた学校って、私にはレベル低くって。だから……――だから、絶対トップになってやるんだ」
「…………」
新体操のトップになる夢はさくら自身の夢でもあるのだろう。意思の強い眼差しを横から見た好葉は眉を下げた。
「!」
「練習に付き合え」
「フッ、いいだろう」
「瑞貴さん、時間があるなら練習を見てくれませんか?」
「うん、いいよ」
井吹は自主練をすることにしたらしく、剣城を練習に誘った。次いで井吹は瑞貴にも練習を見てもらうようにお願いすると、瑞貴もまた快く了承すると……。
「井吹、ズルい! 私、瑞貴さんも一緒にショッピングに誘おうと思ったのに!」
「みぎゃ!?」
突然横から腕を引かれて瑞貴は驚くと、その犯人はさくらだった。ビッグウェイブス戦の前から気にかけていたせいか、懐かれたようだ。
「早いモン勝ちだ、残念だったな」
「むぅ~」
両腕を組んで得意気に笑う井吹にさくらはいかにも『不満です』というように片頬を軽く膨らませると、瑞貴はそんな彼女の頭を優しく撫でる。
「次に休みがあったら出掛けようか。仕事もあるからあまり長くはできないけど、それでもいい?」
「っ、もちろんです!」
「好葉ちゃんも、そのときは一緒に行かない?」
「あっ…その……はい……」
元気よく答えたさくらに対し目を左右に動かしてしどろもどろな好葉。その様子に瑞貴は少し眉を下げたあと、さくらと別れて井吹と剣城に付いて行った。
「九坂!」
「ん?」
「一緒に練習やるか?」
「アッハハッ……いいっスよ。俺なんかのために時間使ってもらわなくても。じゃあ……」
「…………」
そう言って去って行った九坂に、天馬は残念そうに眉を下げた。
☆☆☆☆☆
瞬木の自宅であるアパート・ひので荘。その公共の蛇口で瞬木瞬が顔を洗っていた。
「瞬!」
「あっ、兄ちゃん!」
笑顔で振り向いた瞬の頬には傷があったので、瞬木は少ししゃがんで傷のことを尋ねる。
「ん? どうしたんだ、その傷」
「ケンタだよ……。俺があいつの怪獣隠したら、怒って殴りかかって来たんだ……」
「コラッ、瞬」
「えっ?」
普通ならここで『人の物を隠すな』としつけも兼ねて怒るだろう。しかし瞬木が瞬に告げた言葉は……。
「兄ちゃんがいつも言ってるだろ? 何をするにも見つからないようにやるんだ。見つかったら負け、何をやったって見つからなきゃ勝ちなんだ。――わかるな?」
「うん!」
逆に瞬木は瞬の行動に責めたのは『隠すのを見つかった』ということだけだ。――まるで己の本性を隠しているのが見つかっていないことも、勝ち続けている証だというように。
☆☆☆☆☆
ヨットハーバーグラウンドで井吹と剣城は練習をしており、瑞貴はそれを見学していた。井吹はチームのエースストライカーである剣城のシュートを全て受け止めることはできず、あちこちに擦り傷ができていた。
「クッ! まだまだ……手加減はいらん! 来い!」
「でぇりゃあっ!」
「クッ!」
再び剣城のシュートがゴールに入った。しかし井吹はあきらめておらず、もう一度と剣城に声をかける。
「もう一回だ……!」
「ちょっと待って」
「「!」」
「宗正くん、体に力が入り過ぎ。それじゃあ止められるシュートも止めれないよ。それと京介くんは時にギリギリのポイントにシュートを入れて自身のコントロールの練習も兼ねてみて」
「「はい!」」
☆☆☆☆☆
鉄角は港に向かって走る中でときどきボラードを相手選手に見立てているのか、フェイントの練習も兼ねていた。
そしてさくらと好葉の二人は、アクアモールエリアで服やストラップを見たり、大道芸を見学したりと楽しんでいた。そして今はドーナツショップのカウンターで休憩中である。
「思ったより充実してるなぁ、このモール。ところで、好葉はどんな条件で雇われたの?」
「えっ……」
「私は、世界最高チームへの海外留学……。私のいた学校って、私にはレベル低くって。だから……――だから、絶対トップになってやるんだ」
「…………」
新体操のトップになる夢はさくら自身の夢でもあるのだろう。意思の強い眼差しを横から見た好葉は眉を下げた。