楽しいサッカーをしよう!
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味方同士の接触により二人は負傷してしまった。急いでベンチから救急箱を持って来た葵は、足を痛めたというさくらにアイシングをする。
「大丈夫?」
「ううん……」
アイシングをかけて状態を確認する葵に、さくらは首を横に振った。
「おかしいですね。今の角度からは足を痛めるはずはないのに」
「あの……――あっ」
「…………」
「ヒッ!」
何か言おうとした好葉だが、余計なことは言うなという視線を向けるさくらにビビって萎縮してしまい口を閉じた。
「悪いのは私なの……。さっきからなんか、眩暈がして……」
「そっか。だからさくらさん練習のときのような調子が出なかったんだ」
「みんなに迷惑かけちゃって……本当にごめんなさい……」
片目に手を当てて肩を震わせるさくらに、葵は体調が悪かったからプレーがおかしかったのだと思った。
「交代できる選手はいない。ポジションを変えるしかないようだな」
「うん」
「やはり控えの選手を入れるべきだったんだ……!」
剣城と天馬が今後のことを話し合っている間、神童はこのような事態のために追加選手を入れるべきだと先日申請したのに動かなかった黒岩を強く睨みつけた。
「サッカーなど、やめさせるべきだったな」
「ええ」
(パパ……ママ……)
――苛立ちながら自分を見下ろす両親の視線を感じる。さくらは二位のメダルを両親に出しつつ、大会でのことを聞かれたことを思い出す。
『今日の演技はどうしたんだ? 負けるような相手じゃなかっただろ』
『…………』
『このメダルは飾らないようにしましょうね』
そう言ったかえでは自分の手からメダルの入った箱を取り、続けてさくらに向かって言う。
『いい、さくら? これを飾ったら認めてしまうことになるの。あなたより上がいるということをね』
『そう、お前は頂上で輝くべきなんだ。私たちの娘なんだからな』
かえでからメダルの入った箱を受け取った成一は、自分の目に入らないように引き出しにしまった。
『あなたはこんな所で躓く選手じゃない。もっとできるはずよ、自分のやるべきことに集中しなさい』
『……わかった! 私、もっとがんばる!』
――両親からの期待をかけられた言葉に、さくらはムリして笑顔で告げた。
(結果を出さなくてごめんなさい……。パパ……ママ……)
「…………?」
仕切りにさくらが観客席を見ては眉を下げていることに気づいた剣城はそこに視線を向ける中、天馬はさくらに話しかけた。
「ねぇ、さくら」
「な、なぁに? キャプテン?」
「新体操で演技しているとき、楽しかった? どう?」
「えっ? あ、当たり前じゃない。とっても楽しかったんだから!」
「そのときの気持ちを思い出してほしいんだ! 今のさくらは心からサッカーを楽しんでいない気がする」
「サッカーを楽しむ……?」
「――天馬! ポジションに着くぞ!」
「あっ、はい! 今できること、精一杯やってみようよ! ねっ、さくら!」
神童に指示された天馬は返事をすると、最後にもう一度さくらに話しかけて剣城と共にポジションに戻った。
イナズマジャパンはさくらと鉄角のポジションを入れ替えた。足を負傷したさくらに負担をかけさせないためである。
「頼んだよ、鉄角!」
「任せとけ!」
(何が『サッカーを楽しんでない』よ。スポーツは結果が全て……一番になれなければ楽しいも何もあるわけないじゃない!)
鉄角に声をかける天馬を、さくらは恨めしそうな目で見ながらそう思った。
「瞬木!」
「相手は一人いないも同然だ! 一気に攻めろ! ここで絶対なる勝利を収めるのだ!」
「「「「「はい!!」」」」」
「大丈夫?」
「ううん……」
アイシングをかけて状態を確認する葵に、さくらは首を横に振った。
「おかしいですね。今の角度からは足を痛めるはずはないのに」
「あの……――あっ」
「…………」
「ヒッ!」
何か言おうとした好葉だが、余計なことは言うなという視線を向けるさくらにビビって萎縮してしまい口を閉じた。
「悪いのは私なの……。さっきからなんか、眩暈がして……」
「そっか。だからさくらさん練習のときのような調子が出なかったんだ」
「みんなに迷惑かけちゃって……本当にごめんなさい……」
片目に手を当てて肩を震わせるさくらに、葵は体調が悪かったからプレーがおかしかったのだと思った。
「交代できる選手はいない。ポジションを変えるしかないようだな」
「うん」
「やはり控えの選手を入れるべきだったんだ……!」
剣城と天馬が今後のことを話し合っている間、神童はこのような事態のために追加選手を入れるべきだと先日申請したのに動かなかった黒岩を強く睨みつけた。
「サッカーなど、やめさせるべきだったな」
「ええ」
(パパ……ママ……)
――苛立ちながら自分を見下ろす両親の視線を感じる。さくらは二位のメダルを両親に出しつつ、大会でのことを聞かれたことを思い出す。
『今日の演技はどうしたんだ? 負けるような相手じゃなかっただろ』
『…………』
『このメダルは飾らないようにしましょうね』
そう言ったかえでは自分の手からメダルの入った箱を取り、続けてさくらに向かって言う。
『いい、さくら? これを飾ったら認めてしまうことになるの。あなたより上がいるということをね』
『そう、お前は頂上で輝くべきなんだ。私たちの娘なんだからな』
かえでからメダルの入った箱を受け取った成一は、自分の目に入らないように引き出しにしまった。
『あなたはこんな所で躓く選手じゃない。もっとできるはずよ、自分のやるべきことに集中しなさい』
『……わかった! 私、もっとがんばる!』
――両親からの期待をかけられた言葉に、さくらはムリして笑顔で告げた。
(結果を出さなくてごめんなさい……。パパ……ママ……)
「…………?」
仕切りにさくらが観客席を見ては眉を下げていることに気づいた剣城はそこに視線を向ける中、天馬はさくらに話しかけた。
「ねぇ、さくら」
「な、なぁに? キャプテン?」
「新体操で演技しているとき、楽しかった? どう?」
「えっ? あ、当たり前じゃない。とっても楽しかったんだから!」
「そのときの気持ちを思い出してほしいんだ! 今のさくらは心からサッカーを楽しんでいない気がする」
「サッカーを楽しむ……?」
「――天馬! ポジションに着くぞ!」
「あっ、はい! 今できること、精一杯やってみようよ! ねっ、さくら!」
神童に指示された天馬は返事をすると、最後にもう一度さくらに話しかけて剣城と共にポジションに戻った。
イナズマジャパンはさくらと鉄角のポジションを入れ替えた。足を負傷したさくらに負担をかけさせないためである。
「頼んだよ、鉄角!」
「任せとけ!」
(何が『サッカーを楽しんでない』よ。スポーツは結果が全て……一番になれなければ楽しいも何もあるわけないじゃない!)
鉄角に声をかける天馬を、さくらは恨めしそうな目で見ながらそう思った。
「瞬木!」
「相手は一人いないも同然だ! 一気に攻めろ! ここで絶対なる勝利を収めるのだ!」
「「「「「はい!!」」」」」