楽しいサッカーをしよう!
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(他のみんなより早く結果を出さなきゃ……だったら!)
内心焦りながらドリブルするさくらの前に、マーシャ=アークが現れた。
「やってみせるわ! 必殺技!」
「ふっ!」
「あっ!」
「っ!」
なんとか必殺技を出そうとしたさくらだが、マーシャがボールを奪った。だが、神童がスライディングでカットしボールをラインの外に出したため、ピンチを凌ぐことができた。
「何をしているんだ!」
「ハァ……ハァ……」
「ったく! どういうつもりだ、必殺技って!」
「これ以上、流れを乱さないでほしいですね」
「みんな、試合に集中するんだ!」
「「…………」」
神童に叱咤されるさくらを見て鉄角と真名部が悪態を吐くと、天馬が集中するように呼びかけた。二人は渋々というようにポジションに戻る。
チームメイトが不信感をも持っていると気づいているが、さくらはそれどころじゃなかった。観客席を見上げると、両親が苛立った顔をして見下ろしていることに気づく。
(あのときと……同じ……!)
過去に新体操の大会で二位という結果を出したときの表情と同じだった。
『第二位、おめでとう!』
『っ、ありがとうございます』
パチパチパチパチ――!
『優勝、おめでとう!』
『はい! ありがとうございます!』
パチパチパチパチ――!!
『っ……!』
二位の自分に祝福する拍手の中で両親は厳しい表情のままで拍手をしなかったし、一位の子に沸き上がる自分よりも大きな拍手も耳に痛かった。
(あんな思い……もうしたくないのに!)
「…………」
拳を握って必死な表情をするさくらを、天馬はうしろで見つめつつ先ほどのことを思い出す。
『サッカーって楽しいはずなのに……なんか、苦しそう』
『っ! 何言ってるの、キャプテン? 私が苦しんでいるように見える?』
(やっぱりさくら、苦しんでる……)
勝手なプレーをして怒られるのは当然だ。しかしさくらはチームメイトに怒られたこととは別のことに苦しんでいるので、あのとき感じたことは気のせいではなかったと天馬は改めて思った。
それからもさくらのプレーは失敗ばかりだ。ドリブルすれば敵に取られ、ディフェンスに入ろうとすれば突破される。あまりにもミスが目立つので観客からブーイングまで来るほどだ。
「なんで…なんでうまくいかないの……?」
「焦っちゃダメだ! 落ち着くんだ、さくら!」
「っ……!」
膝を付くさくらに声をかける天馬だが、さくらには責めているようにしか聞こえないのか目をギュッと閉じた。
その様子を見て、ベンチにいる空野葵もさくらのプレーに違和感を持っている。
「どうしちゃったの、さくらさん? なんかスゴく焦ってるみたい……」
「さくらちゃんは今、最も見るべき場所を見ていないからね」
「えっ? どういうことですか?」
「フィールドに立てば、見るべき重要な場所はベンチも含めたグラウンド――試合だけってこと」
観客席からの声が耳に入っても、一番重要なのは目の前の試合だ。さくらは両親の顔色ばかりに気にしており、フィールドを――試合を見ようとしていない。
(これ以上、みっともない所は見せられない! こうなったら!)
立ち上がったさくらは何か決意したように揺らした瞳を真っ直ぐに正した。
ドリブルする剣城京介がゴールに向かう前に、マーシャとスクィドがやって来た。回せるのはうしろにいる森村だけだ。
「好葉!」
「わわっ!」
剣城は競り合いになる前にバックパスで好葉へボールを送る。それを取ろうと駆け出す好葉だが……さくらが駆け出していることに好葉と天馬は気づいた。
「えっ!?」
「さくら!?」
「「わあっ/きゃあっ!」」
内心焦りながらドリブルするさくらの前に、マーシャ=アークが現れた。
「やってみせるわ! 必殺技!」
「ふっ!」
「あっ!」
「っ!」
なんとか必殺技を出そうとしたさくらだが、マーシャがボールを奪った。だが、神童がスライディングでカットしボールをラインの外に出したため、ピンチを凌ぐことができた。
「何をしているんだ!」
「ハァ……ハァ……」
「ったく! どういうつもりだ、必殺技って!」
「これ以上、流れを乱さないでほしいですね」
「みんな、試合に集中するんだ!」
「「…………」」
神童に叱咤されるさくらを見て鉄角と真名部が悪態を吐くと、天馬が集中するように呼びかけた。二人は渋々というようにポジションに戻る。
チームメイトが不信感をも持っていると気づいているが、さくらはそれどころじゃなかった。観客席を見上げると、両親が苛立った顔をして見下ろしていることに気づく。
(あのときと……同じ……!)
過去に新体操の大会で二位という結果を出したときの表情と同じだった。
『第二位、おめでとう!』
『っ、ありがとうございます』
パチパチパチパチ――!
『優勝、おめでとう!』
『はい! ありがとうございます!』
パチパチパチパチ――!!
『っ……!』
二位の自分に祝福する拍手の中で両親は厳しい表情のままで拍手をしなかったし、一位の子に沸き上がる自分よりも大きな拍手も耳に痛かった。
(あんな思い……もうしたくないのに!)
「…………」
拳を握って必死な表情をするさくらを、天馬はうしろで見つめつつ先ほどのことを思い出す。
『サッカーって楽しいはずなのに……なんか、苦しそう』
『っ! 何言ってるの、キャプテン? 私が苦しんでいるように見える?』
(やっぱりさくら、苦しんでる……)
勝手なプレーをして怒られるのは当然だ。しかしさくらはチームメイトに怒られたこととは別のことに苦しんでいるので、あのとき感じたことは気のせいではなかったと天馬は改めて思った。
それからもさくらのプレーは失敗ばかりだ。ドリブルすれば敵に取られ、ディフェンスに入ろうとすれば突破される。あまりにもミスが目立つので観客からブーイングまで来るほどだ。
「なんで…なんでうまくいかないの……?」
「焦っちゃダメだ! 落ち着くんだ、さくら!」
「っ……!」
膝を付くさくらに声をかける天馬だが、さくらには責めているようにしか聞こえないのか目をギュッと閉じた。
その様子を見て、ベンチにいる空野葵もさくらのプレーに違和感を持っている。
「どうしちゃったの、さくらさん? なんかスゴく焦ってるみたい……」
「さくらちゃんは今、最も見るべき場所を見ていないからね」
「えっ? どういうことですか?」
「フィールドに立てば、見るべき重要な場所はベンチも含めたグラウンド――試合だけってこと」
観客席からの声が耳に入っても、一番重要なのは目の前の試合だ。さくらは両親の顔色ばかりに気にしており、フィールドを――試合を見ようとしていない。
(これ以上、みっともない所は見せられない! こうなったら!)
立ち上がったさくらは何か決意したように揺らした瞳を真っ直ぐに正した。
ドリブルする剣城京介がゴールに向かう前に、マーシャとスクィドがやって来た。回せるのはうしろにいる森村だけだ。
「好葉!」
「わわっ!」
剣城は競り合いになる前にバックパスで好葉へボールを送る。それを取ろうと駆け出す好葉だが……さくらが駆け出していることに好葉と天馬は気づいた。
「えっ!?」
「さくら!?」
「「わあっ/きゃあっ!」」