イナズマジャパン脱退試験!
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「俺も残るよ。弟たちも喜んでくれるし、もう少しがんばってみる」
「よかった! 君も残ってくれるよね?」
「!」
井吹に続いて瞬木もイナズマジャパンに留まると言ってくれた。天馬は最後に葵の隣にいる好葉に顔を向けると、彼女はビクッと肩を上げた。
「ウチは……ウチも、試験受けます」
「好葉ちゃん……」
「ウチは、なんの役にも立たないから……」
(このままじゃ、チームは……!)
集められたメンバーには可能性があると信じている天馬だが、全員がサッカーに対して前向きじゃない限りこの先に勝利の見込みがないということもわかっている。しかしこのまま終わりたくないとも思った。
☆☆☆☆☆
脱退試験が行われるシーサイドスタジアム内では、黒岩と水川みのりだけがいた。
「監督、あなたの考えが読めません。故に、イナズマジャパンは試合ができなくなる……」
「黙って見てるがいい」
ガ――……!
みのりに向かって黒岩がそう言うと、二人のうしろの扉が開いて瑞貴が入って来た。
「監督、準備ができました」
「そうか、では始めろ」
「はい」
「!」
黒岩の許可が出たので瑞貴は携帯を取り出してひと言ふた言と何か話すと、みのりは次の光景を見て目を見開いた。
(これは……!?)
先にユニフォームに着替え、グラウンドにやって来た神童もまた周りを見て驚いた。
☆☆☆☆☆
神童と同じようにユニフォームに着替えた天馬は椅子に座って気落ちしていた。彼の前には葵の他にイナズマジャパンに残ると決めた剣城と瞬木と井吹もいる。
「どうすればいい……どうすればみんな残ってくれるんだろ?」
「放っておくんだな」
「!」
「契約に縛られて、嫌々サッカーをしていた連中だ。むしろ二人も残ったことに、俺は驚いている」
「そんな……!」
剣城は雷門メンバー以外の全員が脱退試験を受けてもおかしくないと思っていたらしい。そして神童と同じく抜けても構わないと思っていたことに天馬は驚いた。
「剣城くんの言う通りだと思うよ」
「瞬木……」
「チームのことを考えてがんばるのはわかるけど、踏み込まれたくないことだってあるんだ。放っておくべきだよ」
「でも、俺……」
「……キャプテンには、わからないかも」
「えっ?」
「でも、そのほうが幸せかもしれないよ」
「どういうこと?」
「そろそろ時間だよ。行かなくちゃ」
「うん……」
「…………」
天馬に真意を告げず、まるで場を宥めるように微笑む瞬木を剣城は横目で訝しげに見ていた。
☆☆☆☆☆
一方、脱退試験を受ける者たちは控室に待機していた。その中で鉄角は右拳をギュッと握って見つめると過去を思い出す。
――ロードワークの最中に鉄角は母娘と擦れ違ったあと、その母親の悲鳴が上がった。
『きゃっ! やめてください!』
『待て!』
『っ!』
――見ればひったくりが母親の鞄を無理矢理奪ったので、鉄角が止めに入った途端、ひったくりはそばの工事現場にある鉄パイプを拾い振りかざした。それに立ち向かうため鉄角はい右拳を前に出したのだ。
鉄角は労わるように右拳を左手でさすっていると、皆帆が自分の前にやって来た。
「君は、無意識に右手をかばっている。怪我のこと、真名部くんに聞いたよ――」
「うるさい!」
「怒らせちゃったかな?」
「その話はするな」
「よかった! 君も残ってくれるよね?」
「!」
井吹に続いて瞬木もイナズマジャパンに留まると言ってくれた。天馬は最後に葵の隣にいる好葉に顔を向けると、彼女はビクッと肩を上げた。
「ウチは……ウチも、試験受けます」
「好葉ちゃん……」
「ウチは、なんの役にも立たないから……」
(このままじゃ、チームは……!)
集められたメンバーには可能性があると信じている天馬だが、全員がサッカーに対して前向きじゃない限りこの先に勝利の見込みがないということもわかっている。しかしこのまま終わりたくないとも思った。
☆☆☆☆☆
脱退試験が行われるシーサイドスタジアム内では、黒岩と水川みのりだけがいた。
「監督、あなたの考えが読めません。故に、イナズマジャパンは試合ができなくなる……」
「黙って見てるがいい」
ガ――……!
みのりに向かって黒岩がそう言うと、二人のうしろの扉が開いて瑞貴が入って来た。
「監督、準備ができました」
「そうか、では始めろ」
「はい」
「!」
黒岩の許可が出たので瑞貴は携帯を取り出してひと言ふた言と何か話すと、みのりは次の光景を見て目を見開いた。
(これは……!?)
先にユニフォームに着替え、グラウンドにやって来た神童もまた周りを見て驚いた。
☆☆☆☆☆
神童と同じようにユニフォームに着替えた天馬は椅子に座って気落ちしていた。彼の前には葵の他にイナズマジャパンに残ると決めた剣城と瞬木と井吹もいる。
「どうすればいい……どうすればみんな残ってくれるんだろ?」
「放っておくんだな」
「!」
「契約に縛られて、嫌々サッカーをしていた連中だ。むしろ二人も残ったことに、俺は驚いている」
「そんな……!」
剣城は雷門メンバー以外の全員が脱退試験を受けてもおかしくないと思っていたらしい。そして神童と同じく抜けても構わないと思っていたことに天馬は驚いた。
「剣城くんの言う通りだと思うよ」
「瞬木……」
「チームのことを考えてがんばるのはわかるけど、踏み込まれたくないことだってあるんだ。放っておくべきだよ」
「でも、俺……」
「……キャプテンには、わからないかも」
「えっ?」
「でも、そのほうが幸せかもしれないよ」
「どういうこと?」
「そろそろ時間だよ。行かなくちゃ」
「うん……」
「…………」
天馬に真意を告げず、まるで場を宥めるように微笑む瞬木を剣城は横目で訝しげに見ていた。
☆☆☆☆☆
一方、脱退試験を受ける者たちは控室に待機していた。その中で鉄角は右拳をギュッと握って見つめると過去を思い出す。
――ロードワークの最中に鉄角は母娘と擦れ違ったあと、その母親の悲鳴が上がった。
『きゃっ! やめてください!』
『待て!』
『っ!』
――見ればひったくりが母親の鞄を無理矢理奪ったので、鉄角が止めに入った途端、ひったくりはそばの工事現場にある鉄パイプを拾い振りかざした。それに立ち向かうため鉄角はい右拳を前に出したのだ。
鉄角は労わるように右拳を左手でさすっていると、皆帆が自分の前にやって来た。
「君は、無意識に右手をかばっている。怪我のこと、真名部くんに聞いたよ――」
「うるさい!」
「怒らせちゃったかな?」
「その話はするな」