チーム結成の謎!
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――最後に井吹がいる場所はというと……トレーニングエリアのグラウンドだった。
「うわあっ!」
剣城のシュートをマトモにくらった井吹は地に両膝を着く。その体は夕方の今になるまで何本練習したかわからないくらいボロボロだった。
「ハァ…ハァ…ハァ……」
「今日はこのくらいに――」
「まだだ! まだ…納得いかない……来い!」
練習を終了しようと剣城が言うが、それを拒否した井吹は再び立ち上がって構えた。
「このチームで最高のシュートが撃てるのは、お前なんだろ!? 最高のシュートを止めなければ、練習にならない!」
「わかった。手加減はしないぞ」
「フッ、臨むところだ!」
ボールを足で押さえて構える剣城。それを見た井吹は拳を握り締めて歯を食いしばる。
(サッカーもイナズマジャパンもどうだっていい! 俺の力を神童に認めさせてやる!)
☆☆☆☆☆
結局みんなからいい返事をもらえなかったし、井吹を見つけることができなかった天馬は顔をうつむけながら宿舎に戻る。扉を開くと、帰りを待っていてくれたのか葵がいた。
「その様子だと、ダメだったみたいね」
「……今日はね。でもあきらめない! 明日また行くさ! その次も、その次の日も!」
ピトッ。
「冷たっ!」
歩きながら意気込んだ天馬の首に冷たいモノが当たった。驚いた天馬が振り向くと葵が先ほどの冷たい物の正体であるジュースを差し出す。
「がんばれ、キャプテン! 明日ねー!」
天馬はそう言って笑いながら走って行った葵を見送った。彼女のエールであり差し入れのジュースを一気に飲むと、なんだか元気をもらえたようで再びやる気を出す。
「よーし! がんばるぞー! みんながサッカーに興味持ってくるまで、ずっと!」
「――そんな時間はない」
「!」
制するように声がかけられたので天馬は振り向くと、黒岩とみのりと瑞貴がいた。
「黒岩監督……」
「予選第二戦は三日後。これから明日の指示を与える」
「…………!」
この二日間、何も言わなかった黒岩から指示が出されるので天馬の体に緊張が走った。
☆☆☆☆☆
同時刻、日本少年サッカー協会の会長室には部屋の主である会長・豪炎寺修也が夕日が差し込む景色を見ていると、その背の先には来客の神童がいた。
「黒岩監督は、俺たちに任せっきりで動いてくれません! バックアップもナシに十一人ギリギリでアジア予選を勝ち抜こうなんて常識外れです!」
「神童、私は黒岩監督を信頼している」
「なっ! そんな……!」
「以上だ」
「っ……」
体をこちらに向けて告げた豪炎寺の言葉に、神童は信じられない気持ちでいた。瑞貴に引き続いて信頼できる豪炎寺にまで黒岩に信頼を寄せている。それにショックを受けた神童に豪炎寺は話は終わりだと区切らせると、神童は黙って出て行くしかなかった。
「豪炎寺会長、私はもう我慢なりません!」
「っ!?」
扉を開けて出て行こうとした自分と入れ替わりに入って来たのは、船木宏正というサッカー関係者だ。
勢いよく来たため神童と擦れ違ったことにも気づいていないし、会長室の机をバンッと強く叩いて船木は豪炎寺に訴える。
「黒岩を監督に推しているのは、あなたを始めとするたった数人だけではないですか! 他の協会役員全てを敵に回しても、サッカー界を立て直した功労者であるあなただからこそ、提案を受け入れた! だが、どうです!? 彼が選んだのはサッカー未経験者ばかり! サッカーを冒涜するような行為だ! それに井上コーチのこともです!」
「!」
そのままいるわけにもいかなかったので、神童は退出するフリをして扉を少し開いたまま壁に背を預けて会話を聞いていた。その中に瑞貴の名前が挙がったことに目を見開く。
「うわあっ!」
剣城のシュートをマトモにくらった井吹は地に両膝を着く。その体は夕方の今になるまで何本練習したかわからないくらいボロボロだった。
「ハァ…ハァ…ハァ……」
「今日はこのくらいに――」
「まだだ! まだ…納得いかない……来い!」
練習を終了しようと剣城が言うが、それを拒否した井吹は再び立ち上がって構えた。
「このチームで最高のシュートが撃てるのは、お前なんだろ!? 最高のシュートを止めなければ、練習にならない!」
「わかった。手加減はしないぞ」
「フッ、臨むところだ!」
ボールを足で押さえて構える剣城。それを見た井吹は拳を握り締めて歯を食いしばる。
(サッカーもイナズマジャパンもどうだっていい! 俺の力を神童に認めさせてやる!)
☆☆☆☆☆
結局みんなからいい返事をもらえなかったし、井吹を見つけることができなかった天馬は顔をうつむけながら宿舎に戻る。扉を開くと、帰りを待っていてくれたのか葵がいた。
「その様子だと、ダメだったみたいね」
「……今日はね。でもあきらめない! 明日また行くさ! その次も、その次の日も!」
ピトッ。
「冷たっ!」
歩きながら意気込んだ天馬の首に冷たいモノが当たった。驚いた天馬が振り向くと葵が先ほどの冷たい物の正体であるジュースを差し出す。
「がんばれ、キャプテン! 明日ねー!」
天馬はそう言って笑いながら走って行った葵を見送った。彼女のエールであり差し入れのジュースを一気に飲むと、なんだか元気をもらえたようで再びやる気を出す。
「よーし! がんばるぞー! みんながサッカーに興味持ってくるまで、ずっと!」
「――そんな時間はない」
「!」
制するように声がかけられたので天馬は振り向くと、黒岩とみのりと瑞貴がいた。
「黒岩監督……」
「予選第二戦は三日後。これから明日の指示を与える」
「…………!」
この二日間、何も言わなかった黒岩から指示が出されるので天馬の体に緊張が走った。
☆☆☆☆☆
同時刻、日本少年サッカー協会の会長室には部屋の主である会長・豪炎寺修也が夕日が差し込む景色を見ていると、その背の先には来客の神童がいた。
「黒岩監督は、俺たちに任せっきりで動いてくれません! バックアップもナシに十一人ギリギリでアジア予選を勝ち抜こうなんて常識外れです!」
「神童、私は黒岩監督を信頼している」
「なっ! そんな……!」
「以上だ」
「っ……」
体をこちらに向けて告げた豪炎寺の言葉に、神童は信じられない気持ちでいた。瑞貴に引き続いて信頼できる豪炎寺にまで黒岩に信頼を寄せている。それにショックを受けた神童に豪炎寺は話は終わりだと区切らせると、神童は黙って出て行くしかなかった。
「豪炎寺会長、私はもう我慢なりません!」
「っ!?」
扉を開けて出て行こうとした自分と入れ替わりに入って来たのは、船木宏正というサッカー関係者だ。
勢いよく来たため神童と擦れ違ったことにも気づいていないし、会長室の机をバンッと強く叩いて船木は豪炎寺に訴える。
「黒岩を監督に推しているのは、あなたを始めとするたった数人だけではないですか! 他の協会役員全てを敵に回しても、サッカー界を立て直した功労者であるあなただからこそ、提案を受け入れた! だが、どうです!? 彼が選んだのはサッカー未経験者ばかり! サッカーを冒涜するような行為だ! それに井上コーチのこともです!」
「!」
そのままいるわけにもいかなかったので、神童は退出するフリをして扉を少し開いたまま壁に背を預けて会話を聞いていた。その中に瑞貴の名前が挙がったことに目を見開く。