チーム結成の謎!
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残った瑞貴はただベンチに座り、バインダーとタブレットを取り出して操作し始めるだけなので、神童は両拳を握って体を震わせる。
「こんな状況を放っておくなんて……! これが監督のすることなのか!? 瑞貴さんもどうして!?」
「――ホンット、訳わからないですよねぇ」
同意の声を上げたのは、天馬でも剣城でも葵でもなく、他のメンバーと同じ雇われた者であるさくらだった。
「野咲さん……」
「さくらでいいよ。そういえば新体操やってたときも来ない子いたっけ……」
「みんなを呼んで来る!」
ガシッ!
他のメンバーを呼ぼうと駆け出した天馬の腕を、さくらは両手でつかんで笑いかけた。
「ねぇ、私たちだけで始めましょうよ!」
「で、でも……」
「黒岩監督もそう言ってたし、コーチだって練習メニュー出さなかったから私たちで考えなくちゃ」
「だけど……」
「――私が行く!」
天馬の代わりにメンバーを呼び掛けると声を上げたのは、マネージャーの葵だった。
「他のみんなは私が呼んで来るよ! 天馬たちは先始めてて!」
「ありがとう、葵!」
「やる気のある人たちだけでやっちゃお。ねっ、神童さん! 剣城くんもね!」
「あ、ああ……」
やる気満々と笑顔のさくらだが、そのあとどこか黒い笑みを浮かべていた。
――とりあえず五人だけで練習を始めることにし、まずはウォーミングアップでボールを蹴り合う。天馬が蹴ったボールをさくらは前後開脚で止めた。サッカーはできなくてもボールを扱うには慣れている様子だと天馬は気づいた。
「アハッ、そういえば新体操ってボール使うんだよね」
「そっ。こんな風に!」
さくらはとても柔らかく体を曲げるとボールが吸いつくように移動していく。サッカーでなくても剣城もどこか感心したように驚き、天馬も声を上げた。
「!」
「スゴい!」
「っ、聞いたことがある。全国優勝どころかワールドクラスの公式大会でメダルを取っている、アジアの天才少女・野咲さくら!」
「知ってるの!? 嬉しい~! イナズマジャパンでプレーしたら、世界最高の新体操チームに海外留学させてくれるって言うから!」
「「…………」」
さくらの新体操技術のレベルに感心したものの、やはり条件のために代表入りしたので神童も天馬も呆れてしまう。
「あっ、でも、前の試合でちょっとサッカー面白くなったかな~。フフッ」
「やったー! 俺、君たちがそう言ってくれるのが一番嬉しい!」
先ほど呆れていた気持ちが一転し、天馬は両腕を上げて大喜びする。悪く言えば単純とはこのことかもしれない。
「もしかしたら、新体操がヒントで必殺技ができるかもしれないよ!」
「なんかステキ! じゃあこんなのも、ヒントになるかしら!」
さくらはボールを手に取ると、右手から腕を伝って左手に渡ってさらに背中へ転がして右手で止めた。
「ハハッ、ボールが体に吸いついてるみたいでスゴいけど……」
「完全にハンドだな」
「あっ。アハハッ、そっか。サッカーじゃ手を使ったら反則だったよね」
天馬は苦笑しながら頬を掻き、剣城は注意すると、さくらは失敗というように拳をコツンと頭に乗せて苦笑した。ペナルティエリアにいるGKでない限り、手や腕にボールが触れることは禁止されているのだ。
「キーパーなら手を使ってもいいんだけどね」
「じゃあキーパーやってみる!」
「えっ? じゃ、ちょっと試してみるか」
「うん! コーチ、予備の手袋ありますかー!?」
「一応あるけど……」
「ありがとうございます!」
「……新体操協会は、何故野咲を引き止めなかった? 才能があり、実績も積んでいる将来有望な選手を何故?」
ベンチに走って行って瑞貴からGK用のグローブを受け取るさくらを見て、神童は彼女が一時的とはいえ新体操からサッカーに転向をするのを許したがわからなかった。
「さあ来い!」
「……いくぞ!」
手を叩いてやる気満々に構えるさくらに対し、あまり乗り気じゃない剣城は軽くシュートを撃つが……。
「こんな状況を放っておくなんて……! これが監督のすることなのか!? 瑞貴さんもどうして!?」
「――ホンット、訳わからないですよねぇ」
同意の声を上げたのは、天馬でも剣城でも葵でもなく、他のメンバーと同じ雇われた者であるさくらだった。
「野咲さん……」
「さくらでいいよ。そういえば新体操やってたときも来ない子いたっけ……」
「みんなを呼んで来る!」
ガシッ!
他のメンバーを呼ぼうと駆け出した天馬の腕を、さくらは両手でつかんで笑いかけた。
「ねぇ、私たちだけで始めましょうよ!」
「で、でも……」
「黒岩監督もそう言ってたし、コーチだって練習メニュー出さなかったから私たちで考えなくちゃ」
「だけど……」
「――私が行く!」
天馬の代わりにメンバーを呼び掛けると声を上げたのは、マネージャーの葵だった。
「他のみんなは私が呼んで来るよ! 天馬たちは先始めてて!」
「ありがとう、葵!」
「やる気のある人たちだけでやっちゃお。ねっ、神童さん! 剣城くんもね!」
「あ、ああ……」
やる気満々と笑顔のさくらだが、そのあとどこか黒い笑みを浮かべていた。
――とりあえず五人だけで練習を始めることにし、まずはウォーミングアップでボールを蹴り合う。天馬が蹴ったボールをさくらは前後開脚で止めた。サッカーはできなくてもボールを扱うには慣れている様子だと天馬は気づいた。
「アハッ、そういえば新体操ってボール使うんだよね」
「そっ。こんな風に!」
さくらはとても柔らかく体を曲げるとボールが吸いつくように移動していく。サッカーでなくても剣城もどこか感心したように驚き、天馬も声を上げた。
「!」
「スゴい!」
「っ、聞いたことがある。全国優勝どころかワールドクラスの公式大会でメダルを取っている、アジアの天才少女・野咲さくら!」
「知ってるの!? 嬉しい~! イナズマジャパンでプレーしたら、世界最高の新体操チームに海外留学させてくれるって言うから!」
「「…………」」
さくらの新体操技術のレベルに感心したものの、やはり条件のために代表入りしたので神童も天馬も呆れてしまう。
「あっ、でも、前の試合でちょっとサッカー面白くなったかな~。フフッ」
「やったー! 俺、君たちがそう言ってくれるのが一番嬉しい!」
先ほど呆れていた気持ちが一転し、天馬は両腕を上げて大喜びする。悪く言えば単純とはこのことかもしれない。
「もしかしたら、新体操がヒントで必殺技ができるかもしれないよ!」
「なんかステキ! じゃあこんなのも、ヒントになるかしら!」
さくらはボールを手に取ると、右手から腕を伝って左手に渡ってさらに背中へ転がして右手で止めた。
「ハハッ、ボールが体に吸いついてるみたいでスゴいけど……」
「完全にハンドだな」
「あっ。アハハッ、そっか。サッカーじゃ手を使ったら反則だったよね」
天馬は苦笑しながら頬を掻き、剣城は注意すると、さくらは失敗というように拳をコツンと頭に乗せて苦笑した。ペナルティエリアにいるGKでない限り、手や腕にボールが触れることは禁止されているのだ。
「キーパーなら手を使ってもいいんだけどね」
「じゃあキーパーやってみる!」
「えっ? じゃ、ちょっと試してみるか」
「うん! コーチ、予備の手袋ありますかー!?」
「一応あるけど……」
「ありがとうございます!」
「……新体操協会は、何故野咲を引き止めなかった? 才能があり、実績も積んでいる将来有望な選手を何故?」
ベンチに走って行って瑞貴からGK用のグローブを受け取るさくらを見て、神童は彼女が一時的とはいえ新体操からサッカーに転向をするのを許したがわからなかった。
「さあ来い!」
「……いくぞ!」
手を叩いてやる気満々に構えるさくらに対し、あまり乗り気じゃない剣城は軽くシュートを撃つが……。