小さな変化
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「「「「「ワアアァァアアア!!」」」」」
「なんだ、これ……?」
「マジか……」
「予想通りです……」
「フンッ」
「えっ? 勝った?」
「私たち勝ったわね」
試合前とは一転して溢れんばかりの歓声と勝利に、鉄角も九坂も皆帆もなかなか実感が湧かず、真名部は両腕を組んで鼻を鳴らし、好葉は戸惑っていると、さくらは前髪をいじりながら得意気に笑う。
「やったぞ、瞬、雄太。兄ちゃん、やったからな!」
「勝ったな、瞬木! また明日から一緒にがんばろうな!」
「うん!」
「みんなー!」
「……単純な奴」
天馬が他のみんなにも声をかけるため走り出したあと、瞬木は半目になって呆れるようにそう呟いた。
「このチームで勝てるとは……」
「…………」
「!」
剣城も実際信じられない気持ちでいた。勝とうと意気込んでいたがチーム全体がちゃんと機能していないので確率が低いからだ。そのうしろで井吹が黙ってゴールから去って行くのを、神童は睨みつけるように顔を向けるのだった。
――その後、真名部がロッカールームの扉を開くと先に着替え終わった瞬木と鉢合わせた。真名部は顔を逸らすも瞬木は何も言わずそのまま去って行く。
結局財布が見つかっていないし瞬木が疑わしいことには変わらないので、真名部は着替えながら吐き捨てる。
「フンッ! 絶対瞬木の奴が盗んだに決まってる!」
「案外、着慣れないジャージのポケットに入れたとかよ」
「僕がそういうことを忘れるわけな――……あっ」
鉄角がもしかしたらと尋ねると、ジャージを羽織った真名部は両手をポケットに入れてみた。すると右ポケットに何かが入っており、それを取り出して確認すると……手に持っていたのは紛れもなく真名部の財布だった。
慌てて真名部はドタバタと動きながら財布をもう一度深くジャージのポケットに入れ、周りにいる鉄角と九坂と井吹と皆帆に恐る恐る訊いてみる。
「……見ました?」
「「「「うん」」」」
「ちゃんと瞬木に謝るんだな!」
「あっ……はい……」
真実を知った今、真名部の不注意のせいで汚名を着せられた瞬木が完全に被害者だ。鉄角は強い口調で真名部に瞬木へ謝罪するように告げた。
……同時刻、ファイアードラゴンのロッカールームでは選手たちのユニフォームが散乱していた。そしてその中には不自然な黄緑の液体が一部残っているのだった。
☆☆☆☆☆
夕食を食べたあと、瑞貴は宿舎の中をを歩いていたら瞬木と真名部を見つけた。
会話は聞こえなかったが真名部は頭を下げており、瞬木は苦笑して何か言うと、気まずそうな顔をして真名部が走り出して外へ出て行った。きっと自分の部屋に戻るのだろう。それを確認した瑞貴は残った瞬木に声をかける。
「事件は解決したのかな?」
「っ! コーチ……あのことを聞いてたんですか」
「ちょっとね。でも、あの様子だと真名部くんの誤解だったみたいだね」
「ええ、まあ……」
「…………」
その言葉に瞬木は苦笑すると、瑞貴はジッと見つめる。選手を集める際に情報も集めていたので、瑞貴は瞬木の前科の理由も知っていたのだが、天馬に伝える前に雄太と瞬が警備員と揉めているのを見つけたのだ。
そして同時にいろんなことも知ることになったのだが、これだけは伝えておこうと瑞貴は微笑む。
「今日の瞬木くんのプレー、よかったよ」
「っ、ありがとうございます」
ポンッと瑞貴は瞬木の肩に手を置いて去って行くと、一瞬だけ目を見開いた瞬木は礼を言ったあとジッと瑞貴の背を見据えているのだった。
――監督専用の部屋は薄暗く、椅子に座る黒岩の前には選考会のときもいたピエロの容姿をするポトムリ=エムナトルがいる。
「一回戦を勝ち抜くとは予想外でした」
「私の選んだイナズマジャパンが、負けることはない」
「ホォ? ……あなたのその自信は、いったいどこから来るのでしょうねぇ?」
パシュンッ!
「失礼します」
ポトムリが黒岩に尋ねると同時に扉が開き、瑞貴が挨拶をしながら中に入って来た。
「ファイアードラゴンについての後始末は、韓国の協力もあり無事に終了しました」
「そうか」
「…………」
そう報告したあと瑞貴がどこか歯切れの悪い表情をしているのを、薄暗い部屋の上にサングラスをかけているにもかかわらず、黒岩にははっきりと見えていた。
「どうした」
「いえ……。私も現場に赴きましたが、実際目の当たりにしたことでやっと実感が湧いたというか……」
「怖くなりましたか?」
「怖いっていうより、ちょっと思考が追いつかないだけだよ」
首を傾げるポトムリに瑞貴は苦笑しつつ、ファイアードラゴンのロッカールームの光景を思い返していた。
「余計な事を考えなくていい。お前は与えられた役目をこなせ」
「はい」
気遣うことなく淡々と指示を出す黒岩に、瑞貴は改めて気を引き締めるのだった。
☆コーチの 今日の格言☆
チームの問題を終わらせる一番の方法は、監督やコーチの言葉じゃなくチームメイト同士なの
以上!!
「なんだ、これ……?」
「マジか……」
「予想通りです……」
「フンッ」
「えっ? 勝った?」
「私たち勝ったわね」
試合前とは一転して溢れんばかりの歓声と勝利に、鉄角も九坂も皆帆もなかなか実感が湧かず、真名部は両腕を組んで鼻を鳴らし、好葉は戸惑っていると、さくらは前髪をいじりながら得意気に笑う。
「やったぞ、瞬、雄太。兄ちゃん、やったからな!」
「勝ったな、瞬木! また明日から一緒にがんばろうな!」
「うん!」
「みんなー!」
「……単純な奴」
天馬が他のみんなにも声をかけるため走り出したあと、瞬木は半目になって呆れるようにそう呟いた。
「このチームで勝てるとは……」
「…………」
「!」
剣城も実際信じられない気持ちでいた。勝とうと意気込んでいたがチーム全体がちゃんと機能していないので確率が低いからだ。そのうしろで井吹が黙ってゴールから去って行くのを、神童は睨みつけるように顔を向けるのだった。
――その後、真名部がロッカールームの扉を開くと先に着替え終わった瞬木と鉢合わせた。真名部は顔を逸らすも瞬木は何も言わずそのまま去って行く。
結局財布が見つかっていないし瞬木が疑わしいことには変わらないので、真名部は着替えながら吐き捨てる。
「フンッ! 絶対瞬木の奴が盗んだに決まってる!」
「案外、着慣れないジャージのポケットに入れたとかよ」
「僕がそういうことを忘れるわけな――……あっ」
鉄角がもしかしたらと尋ねると、ジャージを羽織った真名部は両手をポケットに入れてみた。すると右ポケットに何かが入っており、それを取り出して確認すると……手に持っていたのは紛れもなく真名部の財布だった。
慌てて真名部はドタバタと動きながら財布をもう一度深くジャージのポケットに入れ、周りにいる鉄角と九坂と井吹と皆帆に恐る恐る訊いてみる。
「……見ました?」
「「「「うん」」」」
「ちゃんと瞬木に謝るんだな!」
「あっ……はい……」
真実を知った今、真名部の不注意のせいで汚名を着せられた瞬木が完全に被害者だ。鉄角は強い口調で真名部に瞬木へ謝罪するように告げた。
……同時刻、ファイアードラゴンのロッカールームでは選手たちのユニフォームが散乱していた。そしてその中には不自然な黄緑の液体が一部残っているのだった。
☆☆☆☆☆
夕食を食べたあと、瑞貴は宿舎の中をを歩いていたら瞬木と真名部を見つけた。
会話は聞こえなかったが真名部は頭を下げており、瞬木は苦笑して何か言うと、気まずそうな顔をして真名部が走り出して外へ出て行った。きっと自分の部屋に戻るのだろう。それを確認した瑞貴は残った瞬木に声をかける。
「事件は解決したのかな?」
「っ! コーチ……あのことを聞いてたんですか」
「ちょっとね。でも、あの様子だと真名部くんの誤解だったみたいだね」
「ええ、まあ……」
「…………」
その言葉に瞬木は苦笑すると、瑞貴はジッと見つめる。選手を集める際に情報も集めていたので、瑞貴は瞬木の前科の理由も知っていたのだが、天馬に伝える前に雄太と瞬が警備員と揉めているのを見つけたのだ。
そして同時にいろんなことも知ることになったのだが、これだけは伝えておこうと瑞貴は微笑む。
「今日の瞬木くんのプレー、よかったよ」
「っ、ありがとうございます」
ポンッと瑞貴は瞬木の肩に手を置いて去って行くと、一瞬だけ目を見開いた瞬木は礼を言ったあとジッと瑞貴の背を見据えているのだった。
――監督専用の部屋は薄暗く、椅子に座る黒岩の前には選考会のときもいたピエロの容姿をするポトムリ=エムナトルがいる。
「一回戦を勝ち抜くとは予想外でした」
「私の選んだイナズマジャパンが、負けることはない」
「ホォ? ……あなたのその自信は、いったいどこから来るのでしょうねぇ?」
パシュンッ!
「失礼します」
ポトムリが黒岩に尋ねると同時に扉が開き、瑞貴が挨拶をしながら中に入って来た。
「ファイアードラゴンについての後始末は、韓国の協力もあり無事に終了しました」
「そうか」
「…………」
そう報告したあと瑞貴がどこか歯切れの悪い表情をしているのを、薄暗い部屋の上にサングラスをかけているにもかかわらず、黒岩にははっきりと見えていた。
「どうした」
「いえ……。私も現場に赴きましたが、実際目の当たりにしたことでやっと実感が湧いたというか……」
「怖くなりましたか?」
「怖いっていうより、ちょっと思考が追いつかないだけだよ」
首を傾げるポトムリに瑞貴は苦笑しつつ、ファイアードラゴンのロッカールームの光景を思い返していた。
「余計な事を考えなくていい。お前は与えられた役目をこなせ」
「はい」
気遣うことなく淡々と指示を出す黒岩に、瑞貴は改めて気を引き締めるのだった。
☆コーチの 今日の格言☆
チームの問題を終わらせる一番の方法は、監督やコーチの言葉じゃなくチームメイト同士なの
以上!!