小さな変化
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「ちょっとできるからっていい気になりやがって! ナメんじゃねぇ!」
逆に意気込んでいる鉄角真はボールを奪おうと飛び出すが、ミンソはアッサリと抜いた。
「それでもサッカーやってるつもりなの?」
「クッ!」
圧倒的にファイアードラゴンの優勢の中、瑞貴はチラッと韓国のベンチを見る。そこには十年前のファイアードラゴンの代表選手であり、現ファイアードラゴンの監督・チェ=チャンスウがいた。
(自分の出る幕はないって顔だけど、油断していると痛い目を見るよ)
余裕の笑みを浮かべて選手たちのプレーをジッと見ているチャンスウに、瑞貴は心の中で宣戦布告をした。
「行かせるか!」
「フフッ」
「あっ!」
「決めろ! ファン!」
瞬木をかわしたソヨンは、ファン=ジュノに向けてボールを蹴った。シュートチャンスが相手に巡ったので、今度こそと井吹は構える。
「よし、来い!」
「でやあっ!」
「っつ!」
「何!?」
ジュノのシュートを止めたのは井吹ではなく、序盤と同じように飛び出した神童だった。
《止めたぞ神童! またしてもピンチを救ったのは神童だ――っ!!》
「またか……何をする! 余計なことをするな!」
「…………」
「おい聞いてるのか!?」
ゴールから井吹が叫ぶが、神童は答えるどころか振り向くことすらもなかった。
先ほどから神童は攻撃に動かず、むしろゴールを中心に守る行動をとっているのを見て、空野葵はある仮説が思い浮かんだ。
「これって、もしかして神童先輩は……」
「葵ちゃんの予想、合っているよ」
「ええっ!? じゃあ、やっぱり……!」
その先の言葉が予想できた瑞貴がそう告げると葵は声を上げた。
天馬もまた、昨日神童が自分の部屋で三人で戦うと告げたあとの会話を思い出す。これは黒岩に宣言したことを実行するという意味で話していた。
『でも、三人で戦うって……!?』
『勝つにはそれしかない。天馬と剣城は二人で繋いで点を取ってくれ。ゴールは俺が守る』
『神童さんが?』
『ああ。ファイアードラゴンのシュートは、全てこの俺が受け止める!』
神童は真剣に勝とうとしてゴール前にい続けているのだ。そして『ゴールを守る』という言葉を有言実行している。その気持ちに応えるためにも、勝ちたい気持ちは自分も同じ故、天馬は今ゴールを神童に預けようと思った。
「天馬!」
《今度はイナズマジャパンの攻撃だー! 松風、一気に上がって行く!》
神童のパスを受けた天馬がドリブルしていると、ジフンがボールを奪おうと走り出していた。
「行かせるか!」
「風穴ドライブ!」
天馬は必殺技でジフンを突破し、剣城にボールを回した。
「剣城!」
「……少しは、できる奴もいるみたいだな」
明らかに他の選手と違ってサッカーができているのを見て、チュンユンはイナズマジャパン全員が素人ではないとわかった。
「っ、こっちだ!」
「天馬!」
瞬木は剣城の隣に走ってパスを促すが、剣城は反対側の天馬にパスを回した。
剣城と天馬、二人の息の合った連携により次々とファイアードラゴンの選手たちを抜いて行く。しかしそうは問屋が卸さないというものだ。
「地走り火炎!」
「おわっ!」
ジョンホの炎を纏ったうしろ回し蹴りの必殺技により、剣城はボールを奪われてしまった。
今度はファイアードラゴンの攻撃となった。天馬と剣城は上がっているためすぐに下がることができず、ファイアードラゴンの巧みなパス回しにより一気にゴール前まで持ち込む。
「ふんっ!」
「でやっ!」
再びジュノがシュートを撃つと、それも神童が弾いた。神童は先ほどからゴール前を動かないので、井吹は訝しげに問いかける。
「どういうつもりだ? まさかずっとそこにいるつもりじゃないだろうな!?」
「…………」
「どけ! ボールは俺が止める!」
「…………」
「どけ! クウッ……!」
何度も井吹は叫ぶが、神童は俄然として動こうとしない。それが神童の答えだというのがわかり、井吹は忌々しげに歯を強く食いしばった。
(なんとかしなくちゃ……このままじゃ、この試合も活躍できないまま終わってしまう!)
たとえイナズマジャパンが三人のプレーで勝つことができても、瞬木自身が何もしなかったらまた弟たちがバカにされるだけだ。それを繰り返さないために瞬木は考える。
(よし! あそこを突破できれば!)
「いけー! 天馬ー!」
「「行かせるかー!」」
「うわあっ!」
真っ直ぐゴールへの道筋を見た天馬はあと一歩だとわかり、葵は声を上げて応援する。しかしジョンホとソ=ヨンジンがダブルスライディングをかけてブロックした。
逆に意気込んでいる鉄角真はボールを奪おうと飛び出すが、ミンソはアッサリと抜いた。
「それでもサッカーやってるつもりなの?」
「クッ!」
圧倒的にファイアードラゴンの優勢の中、瑞貴はチラッと韓国のベンチを見る。そこには十年前のファイアードラゴンの代表選手であり、現ファイアードラゴンの監督・チェ=チャンスウがいた。
(自分の出る幕はないって顔だけど、油断していると痛い目を見るよ)
余裕の笑みを浮かべて選手たちのプレーをジッと見ているチャンスウに、瑞貴は心の中で宣戦布告をした。
「行かせるか!」
「フフッ」
「あっ!」
「決めろ! ファン!」
瞬木をかわしたソヨンは、ファン=ジュノに向けてボールを蹴った。シュートチャンスが相手に巡ったので、今度こそと井吹は構える。
「よし、来い!」
「でやあっ!」
「っつ!」
「何!?」
ジュノのシュートを止めたのは井吹ではなく、序盤と同じように飛び出した神童だった。
《止めたぞ神童! またしてもピンチを救ったのは神童だ――っ!!》
「またか……何をする! 余計なことをするな!」
「…………」
「おい聞いてるのか!?」
ゴールから井吹が叫ぶが、神童は答えるどころか振り向くことすらもなかった。
先ほどから神童は攻撃に動かず、むしろゴールを中心に守る行動をとっているのを見て、空野葵はある仮説が思い浮かんだ。
「これって、もしかして神童先輩は……」
「葵ちゃんの予想、合っているよ」
「ええっ!? じゃあ、やっぱり……!」
その先の言葉が予想できた瑞貴がそう告げると葵は声を上げた。
天馬もまた、昨日神童が自分の部屋で三人で戦うと告げたあとの会話を思い出す。これは黒岩に宣言したことを実行するという意味で話していた。
『でも、三人で戦うって……!?』
『勝つにはそれしかない。天馬と剣城は二人で繋いで点を取ってくれ。ゴールは俺が守る』
『神童さんが?』
『ああ。ファイアードラゴンのシュートは、全てこの俺が受け止める!』
神童は真剣に勝とうとしてゴール前にい続けているのだ。そして『ゴールを守る』という言葉を有言実行している。その気持ちに応えるためにも、勝ちたい気持ちは自分も同じ故、天馬は今ゴールを神童に預けようと思った。
「天馬!」
《今度はイナズマジャパンの攻撃だー! 松風、一気に上がって行く!》
神童のパスを受けた天馬がドリブルしていると、ジフンがボールを奪おうと走り出していた。
「行かせるか!」
「風穴ドライブ!」
天馬は必殺技でジフンを突破し、剣城にボールを回した。
「剣城!」
「……少しは、できる奴もいるみたいだな」
明らかに他の選手と違ってサッカーができているのを見て、チュンユンはイナズマジャパン全員が素人ではないとわかった。
「っ、こっちだ!」
「天馬!」
瞬木は剣城の隣に走ってパスを促すが、剣城は反対側の天馬にパスを回した。
剣城と天馬、二人の息の合った連携により次々とファイアードラゴンの選手たちを抜いて行く。しかしそうは問屋が卸さないというものだ。
「地走り火炎!」
「おわっ!」
ジョンホの炎を纏ったうしろ回し蹴りの必殺技により、剣城はボールを奪われてしまった。
今度はファイアードラゴンの攻撃となった。天馬と剣城は上がっているためすぐに下がることができず、ファイアードラゴンの巧みなパス回しにより一気にゴール前まで持ち込む。
「ふんっ!」
「でやっ!」
再びジュノがシュートを撃つと、それも神童が弾いた。神童は先ほどからゴール前を動かないので、井吹は訝しげに問いかける。
「どういうつもりだ? まさかずっとそこにいるつもりじゃないだろうな!?」
「…………」
「どけ! ボールは俺が止める!」
「…………」
「どけ! クウッ……!」
何度も井吹は叫ぶが、神童は俄然として動こうとしない。それが神童の答えだというのがわかり、井吹は忌々しげに歯を強く食いしばった。
(なんとかしなくちゃ……このままじゃ、この試合も活躍できないまま終わってしまう!)
たとえイナズマジャパンが三人のプレーで勝つことができても、瞬木自身が何もしなかったらまた弟たちがバカにされるだけだ。それを繰り返さないために瞬木は考える。
(よし! あそこを突破できれば!)
「いけー! 天馬ー!」
「「行かせるかー!」」
「うわあっ!」
真っ直ぐゴールへの道筋を見た天馬はあと一歩だとわかり、葵は声を上げて応援する。しかしジョンホとソ=ヨンジンがダブルスライディングをかけてブロックした。