立ち込める暗雲! 世界大会開幕‼︎
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「たとえば鉄角くんは実家が漁師なので壊れた漁船の修理代稼ぎ、野咲さんは世界最高の新体操チームへの海外留学、井吹くんも海外のバスケットチームへの留学費用ですよね」
「ああ」
「そんな……! ホントなの……!? 瞬木、君もそうなの……!?」
「……俺は、弟たちを大きな家に住まわせてやりたいんだ」
「そんな……!」
「なんてことだ……!」
天馬や剣城や神童はショックを受ける。全員が代表選手になった理由がサッカー以外の目的のためであり、世界大会については眼中にない。三人は仲間と共に代表になるためひたすら特訓を重ねて来たというのに……。
――不穏な空気が流れているのはロッカールームだけではなかった。葵がドリンクの用意をしている中、データの最終チェックをしている瑞貴と、ベンチに座って両腕と足を組んでいる黒岩にみのりが話しかける。
「世間のイナズマジャパンの反応、よくありませんね」
「そうだね。まあこのメンバーを選考したときからわかっていたことだけど」
「監督には『日本チームを敗北に導こうとしている』、『他国のエージェントから報酬を受けてわざと弱いチームを組んだ』とか。コーチのあなたにも『コーチの資格がない』、『監督と手を組んで日本を潰すつもりだ』……世間ではそんな噂が流れています」
「言わせておけ」
「噂は予想も悪態も含めていろいろ言えるけど、『今この場に起きた現実』こそが真実なんだから」
みのりが告げる世間の噂に対して黒岩は淡々と特に反応しなかったが、瑞貴はそう言いながらデータチェックを終えて入場して来るイナズマジャパンに、期待と不安を抱えながらも表に出さないように見つめていた。
――日本代表イナズマジャパンと韓国代表ファイアードラゴンの両チームがそれぞれポジションに着いた。
《さあ一回戦の日本代表、韓国代表の両チームがポジションに着きました!! 実況席へも選手たちの闘志が熱く伝わってきます! まもなく試合開始……イナズマジャパン対ファイアードラゴン、運命のキックオフです!!》
ホイッスルが鳴って試合開始。先攻はイナズマジャパンからである。
「すぐ俺に戻せ」
瞬木にそう指示を出した剣城がボールを渡し、それを受け取った瞬木は……。
「瞬木!」
「えっ!?」
「チッ!」
なんと瞬木は剣城にボールを戻さずドリブルして行く。早々にチームの問題が現れたプレーに剣城は声を上げ、天馬は驚き、神童は舌打ちした。
瞬木がドリブルして行くと、シム=ソヨンとファン=ジュノが彼の先を走りながら様子を見つつマークし……。
「うわあっ!」
「っ!」
「瞬木!」
「止めるんだ!」
ソヨンがスライディングで瞬木からボールを奪う。さっそく相手にボールを与えてしまって神童はさらに顔をしかめると、天馬は声を上げる。そして剣城の指示で近くにいたさくらがボールを取るとするが、最もボールを渡してはいけないチュンユンが取ってしまった。
「ふっ!」
「抜かせねぇ!」
「ふっ!」
真名部が上へと鉄角が下へ頭から突っ込んで止めようとしたが、チュンユンは華麗にターンして二人をかわした。
「みんな! 練習したことを思い出せ!」
「チッ! ――っ!」
「来るぞ!」
「俺の前に立つな!」
天馬がみんなに向けて声を上げる中、さっそく出番が回って来たので井吹は構えるが、それよりも前に神童が立ち塞がった。
《リ=チュンユン速い! 一気にゴール前だ――っ!!》
「でやっ!」
「絶対止めてや――」
「ふっ!」
「神童さん!」
「クッ!」
チュンユンのゴールバーへギリギリのシュートを井吹が出る前に、ジャンプした神童が足を出して止めた。嬉しそうな天馬に対して井吹は顔をしかめる。
「クッ……!」
「…………」
「あっ……」
睨みつける井吹に神童は一度見ただけで黙って背を向ける。神童の元へ駆け寄って激励の言葉を告げようとした天馬だが、空気がそれを許さない。練習でも剣城どころか神童のシュートも止められなかった井吹だ。チュンユンのシュートも止められなかっただろう。
世界という強敵を相手にしているのに、チームの空気はとても悪い。それでも天馬はなんとか空気を変えようと声を上げる。
「イナズマジャパン! 先制点は俺たちが取るぞ!」
☆コーチの 今日の格言☆
噂は予想も悪態も含めていろいろ言えるけど、『今この場に起きた現実』こそが真実
以上!!
「ああ」
「そんな……! ホントなの……!? 瞬木、君もそうなの……!?」
「……俺は、弟たちを大きな家に住まわせてやりたいんだ」
「そんな……!」
「なんてことだ……!」
天馬や剣城や神童はショックを受ける。全員が代表選手になった理由がサッカー以外の目的のためであり、世界大会については眼中にない。三人は仲間と共に代表になるためひたすら特訓を重ねて来たというのに……。
――不穏な空気が流れているのはロッカールームだけではなかった。葵がドリンクの用意をしている中、データの最終チェックをしている瑞貴と、ベンチに座って両腕と足を組んでいる黒岩にみのりが話しかける。
「世間のイナズマジャパンの反応、よくありませんね」
「そうだね。まあこのメンバーを選考したときからわかっていたことだけど」
「監督には『日本チームを敗北に導こうとしている』、『他国のエージェントから報酬を受けてわざと弱いチームを組んだ』とか。コーチのあなたにも『コーチの資格がない』、『監督と手を組んで日本を潰すつもりだ』……世間ではそんな噂が流れています」
「言わせておけ」
「噂は予想も悪態も含めていろいろ言えるけど、『今この場に起きた現実』こそが真実なんだから」
みのりが告げる世間の噂に対して黒岩は淡々と特に反応しなかったが、瑞貴はそう言いながらデータチェックを終えて入場して来るイナズマジャパンに、期待と不安を抱えながらも表に出さないように見つめていた。
――日本代表イナズマジャパンと韓国代表ファイアードラゴンの両チームがそれぞれポジションに着いた。
《さあ一回戦の日本代表、韓国代表の両チームがポジションに着きました!! 実況席へも選手たちの闘志が熱く伝わってきます! まもなく試合開始……イナズマジャパン対ファイアードラゴン、運命のキックオフです!!》
ホイッスルが鳴って試合開始。先攻はイナズマジャパンからである。
「すぐ俺に戻せ」
瞬木にそう指示を出した剣城がボールを渡し、それを受け取った瞬木は……。
「瞬木!」
「えっ!?」
「チッ!」
なんと瞬木は剣城にボールを戻さずドリブルして行く。早々にチームの問題が現れたプレーに剣城は声を上げ、天馬は驚き、神童は舌打ちした。
瞬木がドリブルして行くと、シム=ソヨンとファン=ジュノが彼の先を走りながら様子を見つつマークし……。
「うわあっ!」
「っ!」
「瞬木!」
「止めるんだ!」
ソヨンがスライディングで瞬木からボールを奪う。さっそく相手にボールを与えてしまって神童はさらに顔をしかめると、天馬は声を上げる。そして剣城の指示で近くにいたさくらがボールを取るとするが、最もボールを渡してはいけないチュンユンが取ってしまった。
「ふっ!」
「抜かせねぇ!」
「ふっ!」
真名部が上へと鉄角が下へ頭から突っ込んで止めようとしたが、チュンユンは華麗にターンして二人をかわした。
「みんな! 練習したことを思い出せ!」
「チッ! ――っ!」
「来るぞ!」
「俺の前に立つな!」
天馬がみんなに向けて声を上げる中、さっそく出番が回って来たので井吹は構えるが、それよりも前に神童が立ち塞がった。
《リ=チュンユン速い! 一気にゴール前だ――っ!!》
「でやっ!」
「絶対止めてや――」
「ふっ!」
「神童さん!」
「クッ!」
チュンユンのゴールバーへギリギリのシュートを井吹が出る前に、ジャンプした神童が足を出して止めた。嬉しそうな天馬に対して井吹は顔をしかめる。
「クッ……!」
「…………」
「あっ……」
睨みつける井吹に神童は一度見ただけで黙って背を向ける。神童の元へ駆け寄って激励の言葉を告げようとした天馬だが、空気がそれを許さない。練習でも剣城どころか神童のシュートも止められなかった井吹だ。チュンユンのシュートも止められなかっただろう。
世界という強敵を相手にしているのに、チームの空気はとても悪い。それでも天馬はなんとか空気を変えようと声を上げる。
「イナズマジャパン! 先制点は俺たちが取るぞ!」
☆コーチの 今日の格言☆
噂は予想も悪態も含めていろいろ言えるけど、『今この場に起きた現実』こそが真実
以上!!