鬼道有人との再会!

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――グラウンドに移動したものの、急なことなので具体的な練習メニューが決まっていない。ライン際に集まった選手たちに円堂も両手を組んで考える。


「確かに帝国学園は、並の相手じゃない。対抗するための策が必要だな」

「過去の試合記録を見た所、フィフスセクターの指示があっただろうけど選手たちの実力は凄まじかったからね」

「――監督、瑞貴さん、考えがあるんです」


どうするべきか悩む円堂と瑞貴に、神童が一歩前に出て発言した。


「なんだ? 神童」

「考えって?」

「『アルティメットサンダー』を使ってみたらどうかと思うんです」

「「!」」

「アルティメットサンダー!?」

「必殺タクティクスか!」

「必殺タクティクス?」


神童の提案に円堂と瑞貴は目を見開いた。車田や三国を始め二年生と三年生は知っているが、天馬と信助はなんのことかと顔を見合わせる。


「以前、久遠監督と一緒に考えだしたんです。あれを使えば、帝国学園の鉄壁の守備を突破できるはずです」

「でも、あれって何回トライしても成功したことがなかったじゃないですか……」

「ちゅーか、強力なストライカーがいないと難しいタクティクスだからなぁ」

「っ……!」


速水は過去の失敗歴を思い出して浜野も現段階の欠点を上げると、倉間が歯を食いしばったことに誰も気づかなかった。


「確かに俺たちは、一度も決めたことがない。でも、試してみたいんだ!」

「帝国にひと泡吹かせるには、それしかねぇか!」

「よし、やってみよう」

「そうっスね」

「よーし! 燃えてきたド!」


車田も浜野も三国も天城もノリノリだ。少し前まではこんな風にみんなで勝つために作戦を練ったことがなかったため、円堂と瑞貴と春奈は顔を見合わせると嬉しそうに笑った。

必殺タクティクスは複数の人数で行うため、どう組み合わせるかと三国は神童に問いかける。


「フォーメーションはどうする?」

「前に試した布陣で行きます。ファーストキッカーは――浜野、頼む」

「オウッ!」

「二番は速水」

「うん」

「……霧野」

「ん?」

「足のほうは大丈夫か?」

「ああ!」


トントンと霧野は前に負傷した足を動かす。安静にしていたため、もうすっかり調子が戻ったようだ。


「よし、三番だ」

「任せろ!」

「四番目は天城さん」

「わかったド!」


実際にやってみるため、神童を含めて先ほど呼んだ四人と、敵チームのGKを務める三国を除いて天馬や信助たちは瑞貴たちと共にピッチの外で見学する。


「どんな必殺タクティクスなんだろう?」

「う~ん! 僕、ドキドキしてきたよ!」


三国を背にセンターラインでボールを足元に置く浜野を始め、速水、霧野、天城とジグザグになるよう並ぶ。神童はそれを確認して三国の前に立った。


「いくぞ!」


浜野の合図で神童が走り出した。しかし敵陣である三国がいるゴールではなく自陣のほうへ向かうので、信助も天馬も疑問を持つ。


「えっ?」

「キャプテン、なんでうしろに?」

「速水!」

「霧野くん!」

「天城さん!」

「神童!」


ボールをディフェンス陣に戻しながらパスを回して行くと、だんだんボールにパワーが溜めこんで来た。最後に天城が蹴ると走っていた神童は急ブレーキをかけて振り返った。


「アルティメットサンダー!」


しかし四人分のパワーを一人で受け止めて蹴り返す力がなく、神童はボールに弾き飛ばされてしまった。
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