最悪! 新生イナズマジャパン‼︎
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ズズズズズ――……!
大きな音のあと別の入場口からスモークと共に現れたのは、帝国学園のマークがある旗をたなびかせる巨大なバスだ。その迫力に天馬たちは驚きを隠せない。
「えっ!? ええっ!?」
「「「「「…………!?」」」」」
扉が開きレッドカーペットが敷かれると、二列になって出て来たのは帝国学園サッカー部。中には元フィフスセクターのシードもいるが、フィフスセクターが解散されたあと実力を買われて改めて帝国学園に入ったのだ。
最後に奥から現れた帝国学園サッカー部監督・鬼道有人は、イナズマジャパンの選手たちのうしろにいる黒岩と目が合うとニヤリと笑う。
「フッ……黒岩監督、見せてもらいます。あなたが選んだイナズマジャパンを」
「面白いことになりそうですね、監督?」
黒岩の隣にやって来たのは水川みのりという謎の少女。そしてそのうしろから瑞貴も続いて黒岩の声をかけた。
「本当に、初めはこんな公の場でいいんですか?」
「世界と戦う前に実力を知っておいたほうがいいだろう。観客も、選手も」
黒岩の答えを聞いて、ずいぶん思い切ったことをするなと瑞貴は小さく溜息を吐いた。
そして両チームはそれぞれのベンチに移動し、ストレッチやミーティングを行っている。天馬は瑞貴を見上げた。
「イナズマジャパンのコーチが瑞貴さんだなんて、俺、嬉しいです! ここでもよろしくお願いします!」
「うん。よろしくね、天馬」
「瑞貴さん、彼らを起用した理由は?」
「それは全て黒岩監督の指示だから、私は直接関わっていないの」
「なるほど、瑞貴さんにとっても未知数の選手というわけですか……」
天馬に続き剣城や神童も話しかけてきた。監督の黒岩は知らない人物だが、自分たちと親しい瑞貴がいてくれて緊張が少し和らいだようだ。しかし彼女からも他の選手についての情報を得られないことに少し残念に思う。
すると王将や松居から、FFIV2開催によって新たに追加されたルールが発表される。
《ではここで、FFIV2において新たに設定されたルールをご説明いたしましょう! ――これまで使われてきた、化身とその関連行為の全てを禁止するというルールが生まれました! 本試合より、この新ルールが適用されます!!》
《パワー重視のこれまでより、基本的なサッカーテクニックが要求されます! この新ルールが選手たちのプレーにどう影響するのか注目です!》
「化身と化身アームド、さらミキシマックスまでもが禁止とはな……」
「いいんじゃないんスか? それはそれで」
今まで選手たちをパワーアップさせ、試合の流れを変えてきた行為が禁止されたことに驚く三国。しかし狩屋マサキの言う通り、どんなに強い化身やミキシマックスを用いても、基本ができていなければ意味がない。
(能力に制約を与えることで、選手たちの新たな可能性を見出す……――あなたが考案したルールだ)
豪炎寺はこの新ルールを考案した黒岩を見てフッと笑う。
「お前たちの力、ここにいる多くの者に知らしめるのだ」
「「「「「はい!」」」」」
「名門・帝国学園に許されるのは、勝利のみだ! わかっているな!」
「「「「「はい!」」」」」
両チームは監督に告げられたあと、一斉にフィールドに入ってポジションに着いた。
《さあ新生イナズマジャパン対帝国学園の一戦、まもなく開始です! この戦いにより日本を背負う者たちの力を、今ここで見届けることができるのです!!》
ホイッスルが鳴って試合開始、最初のボールはイナズマジャパンからだ。剣城からボールを受け取った瞬木により、エキシビジョンマッチがついに始まった。
それからボールを回された天馬はドリブルをし、横を走る神童に向かってパスを出す。
「神童さん!」
「代表さんよ、見せてもらうぜ……その実力をな!」
帝国学園サッカー部キャプテン・御門春馬に続き逸見久仁彦が出るが、神童は素早いターンで二人をかわした。
「剣城!」
「うりゃあ!」
神童からのパスを受け取った剣城だが、五木勝正のスライディングにより阻止された。こぼれたボールを天馬がすかさず拾う。
「よーし……いっけー!」
ドリブルしつつ加速した天馬に、飛鳥寺朔也と蒲田太留彦がディフェンスに入る。
「アグレッシブ――」
「「サルガッソーV2!」」
必殺技で突破しようとした天馬よりも先に、飛鳥寺と蒲田はホーリーロードよりも進化した必殺技で防いだ。
「うわあ!」
「まだだ!」
「神童さん!」
(よし、試してみるか!)
飛ばされたボールをジャンプして胸でトンッと受け止めた神童に、天馬はナイスカバーというように声を上げる。次いで神童はボールを足で止め、ロッカールームにいたときのことを思い出す。
『聞いてくれ。俺たちは今日会ったばかりだが、試合に勝つためには連携が必要だ。全員、協力してほしい!』
『『『『『…………』』』』』
前に出て拳を握って告げた神童に、天馬や剣城を除いたメンバーたちはお互いの顔を見合わせるだけで何も答えなかった。だが、『世界に勝ちたい』という気持ちは一緒だろうと神童は思った。