最後のタイムジャンプ!
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「もう終わりだ!」
「――まだだ」
「!」
「SARU、まだ終わってない」
「…………!?」
「そうよ。がんばってよ、SARU」
ギリスがそう言ったので顔を上げると、メイアもまた片膝を付いてSARUと向き合って優しい微笑みを向けている。
「僕にはもう、お前たちに誇れる力は……残っていない」
「試合時間はまだ残っている。最後まで一緒にやろう」
「っ! 何故……!?」
「何故って、当然だろ」
「ここまで一緒にやって来たんじゃないか!」
「さあ、いつもみたいに指示してよ!」
ギリスとメイアだけじゃない、オムもピグもニケも、誰もSARUを見下したり嘲笑ったりなんかしていなかった。むしろ一緒にがんばろうとしている。
「このまま負けるのは、僕の美学に反するんだ。それにSARUだって、負けるの嫌いだったよな?」
「…………!」
片膝を付いて差し伸べるギリスの手を見て、SARUは少し顔をうつむけて目を閉じた。メイアはそこまで足が痛むのかと心配する。
「SARU!」
「負けるものか……僕を誰だと思っている!」
目を開けたSARUの瞳には迷いがない。自分も手を差し出し、力を入れるためSARUとギリスはお互いの手首をつかむ。力を入れて立ち上がろうとするSARUだが、それでも痛みにより顔を歪めているのでギリスはこのまま戦えるのかどうか確認する。
「やれるか?」
「ああ! 僕も最後まで戦う! ――うおおぉぉおおお!」
ついに立ち上がったSARUは、気持ちを溢れだすように叫び出した。そして同士に――いや、仲間たちに向かって笑みを浮かべて告げる。
「お前たちと一緒にな!」
きっとこの言葉を『一人の人間として』言えたのは初めてだろう。だが、SARUは嫌じゃなかった。
(今わかった……フェーダが繋がっていたのは、力を持った者同士だったからじゃない。母さんが目覚めさせてくれた力は、みんなと出会うキッカケに過ぎなかった)
(サリュー……私に見せて。あなたたちのサッカーを!)
(母さん……。戦える……この仲間と一緒なら!)
SARUが瑞貴を見れば笑顔を浮かべて頷いており、次いで自分の両手を見つめてギュッと握って叫ぶ。
「さあいくぞ!」
「「「「「オウッ!!」」」」」
「よーし! 思いっきりサッカーしよう!」
ミキシマックスもセカンドステージ・チルドレンの力も使い切ったので、ここからは身一つの勝負となっていた。しかし今までと違いどちらのチームも一つのボールを追いかけて楽しそうにサッカーをしている。
そして天馬とSARUが体力は使い切ってもボールを追いかけようとしたが、お互いのフラついた体がぶつかったので二人共倒れてしまうと、ボールがラインの外に出たのと同時に試合終了のホイッスルが鳴り響く。
《ここで試合終了――っ!! 最終戦はクロノストームの勝利で幕を下ろした――っ!!》
「ハァ……ハァ……」
「ハァ…ハァ…終わった……」
「勝ったー! 天馬ー!」
「うわあっ!」
うつ伏せになっていた天馬と仰向けになっていたSARUは大きく呼吸をしていると、ゴールにいる信助を始め錦たちが駆け寄って来た。特に信助はやっと体を起こした天馬に思いっきり抱きついたため、また天馬は倒れることになる。
「やったぜよ、天馬!」
「アッハハッ! はい!」
続いて仰向けに寝たままのSARUは、空を見上げながら弱々しくもどこか悔しそうに呟く。
「負けた……」
「ああ。悔しいよな」
「でも楽しかったじゃない」
「……フッ」
負けたことには悔しかったが、思いっきりサッカーができてギリスもメイアも嬉しそうだった。それはSARUも同じ気持ちであり、満足気に微笑んだ。
電光掲示板に表示されるのは5対4というクロノストームの勝利の証。豪炎寺と鬼道と瑞貴と円堂はそれを見上げる。
「終わったな」
「ああ。天馬たちはサッカーだけじゃなく、人類の未来も救ったんだ」
「なんか、私も感慨深くなっちゃう」
「それにしても、雷門は大きくなったな」
円堂たちが視線を向ける先には、集まって笑い合うクロノストームのみんな。生きる時代は違えど、同じユニフォームを着て同じゴールを目指す者たちは、紛れもなく同じチームの仲間だ。
それから試合終了と共に動く仕組みだったのか、ラグナロクスタジアムはワームホールから元の時代に戻った。
「いつの間にか、なっていたんだな」
「えっ?」
「天馬たちに教えられたよ。僕たちが組織なんかじゃなく、友達だったってことを」
ワームホールから抜けたことで吹き抜けのラグナロクスタジアムの上空には青空が広がっている。それを見ながらSARUがそう言うと、ギリスが手を差し伸べたので、SARUはそれを受け取って立ち上がった。
「友達か……」
「今まで使ったことなかったな……そんな言葉」
「――SARU!」
「「「!」」」
SARUのようにギリスもメイアもまた天馬たちによって気づかされたとのだと言うと、教えてくれた張本人の天馬がやってきた。
天馬は黙って右手を差し出すと、SARUは一瞬驚いたものの微笑んで手を重ね、そしてひと言。
「ありがとう」
ザ・ラグーンもクロノストームも、試合前とは違ってお互い笑い合っている。お互い最高の仲間と共に最強のチームを相手にサッカーができたことが楽しかったのだ。
「――まだだ」
「!」
「SARU、まだ終わってない」
「…………!?」
「そうよ。がんばってよ、SARU」
ギリスがそう言ったので顔を上げると、メイアもまた片膝を付いてSARUと向き合って優しい微笑みを向けている。
「僕にはもう、お前たちに誇れる力は……残っていない」
「試合時間はまだ残っている。最後まで一緒にやろう」
「っ! 何故……!?」
「何故って、当然だろ」
「ここまで一緒にやって来たんじゃないか!」
「さあ、いつもみたいに指示してよ!」
ギリスとメイアだけじゃない、オムもピグもニケも、誰もSARUを見下したり嘲笑ったりなんかしていなかった。むしろ一緒にがんばろうとしている。
「このまま負けるのは、僕の美学に反するんだ。それにSARUだって、負けるの嫌いだったよな?」
「…………!」
片膝を付いて差し伸べるギリスの手を見て、SARUは少し顔をうつむけて目を閉じた。メイアはそこまで足が痛むのかと心配する。
「SARU!」
「負けるものか……僕を誰だと思っている!」
目を開けたSARUの瞳には迷いがない。自分も手を差し出し、力を入れるためSARUとギリスはお互いの手首をつかむ。力を入れて立ち上がろうとするSARUだが、それでも痛みにより顔を歪めているのでギリスはこのまま戦えるのかどうか確認する。
「やれるか?」
「ああ! 僕も最後まで戦う! ――うおおぉぉおおお!」
ついに立ち上がったSARUは、気持ちを溢れだすように叫び出した。そして同士に――いや、仲間たちに向かって笑みを浮かべて告げる。
「お前たちと一緒にな!」
きっとこの言葉を『一人の人間として』言えたのは初めてだろう。だが、SARUは嫌じゃなかった。
(今わかった……フェーダが繋がっていたのは、力を持った者同士だったからじゃない。母さんが目覚めさせてくれた力は、みんなと出会うキッカケに過ぎなかった)
(サリュー……私に見せて。あなたたちのサッカーを!)
(母さん……。戦える……この仲間と一緒なら!)
SARUが瑞貴を見れば笑顔を浮かべて頷いており、次いで自分の両手を見つめてギュッと握って叫ぶ。
「さあいくぞ!」
「「「「「オウッ!!」」」」」
「よーし! 思いっきりサッカーしよう!」
ミキシマックスもセカンドステージ・チルドレンの力も使い切ったので、ここからは身一つの勝負となっていた。しかし今までと違いどちらのチームも一つのボールを追いかけて楽しそうにサッカーをしている。
そして天馬とSARUが体力は使い切ってもボールを追いかけようとしたが、お互いのフラついた体がぶつかったので二人共倒れてしまうと、ボールがラインの外に出たのと同時に試合終了のホイッスルが鳴り響く。
《ここで試合終了――っ!! 最終戦はクロノストームの勝利で幕を下ろした――っ!!》
「ハァ……ハァ……」
「ハァ…ハァ…終わった……」
「勝ったー! 天馬ー!」
「うわあっ!」
うつ伏せになっていた天馬と仰向けになっていたSARUは大きく呼吸をしていると、ゴールにいる信助を始め錦たちが駆け寄って来た。特に信助はやっと体を起こした天馬に思いっきり抱きついたため、また天馬は倒れることになる。
「やったぜよ、天馬!」
「アッハハッ! はい!」
続いて仰向けに寝たままのSARUは、空を見上げながら弱々しくもどこか悔しそうに呟く。
「負けた……」
「ああ。悔しいよな」
「でも楽しかったじゃない」
「……フッ」
負けたことには悔しかったが、思いっきりサッカーができてギリスもメイアも嬉しそうだった。それはSARUも同じ気持ちであり、満足気に微笑んだ。
電光掲示板に表示されるのは5対4というクロノストームの勝利の証。豪炎寺と鬼道と瑞貴と円堂はそれを見上げる。
「終わったな」
「ああ。天馬たちはサッカーだけじゃなく、人類の未来も救ったんだ」
「なんか、私も感慨深くなっちゃう」
「それにしても、雷門は大きくなったな」
円堂たちが視線を向ける先には、集まって笑い合うクロノストームのみんな。生きる時代は違えど、同じユニフォームを着て同じゴールを目指す者たちは、紛れもなく同じチームの仲間だ。
それから試合終了と共に動く仕組みだったのか、ラグナロクスタジアムはワームホールから元の時代に戻った。
「いつの間にか、なっていたんだな」
「えっ?」
「天馬たちに教えられたよ。僕たちが組織なんかじゃなく、友達だったってことを」
ワームホールから抜けたことで吹き抜けのラグナロクスタジアムの上空には青空が広がっている。それを見ながらSARUがそう言うと、ギリスが手を差し伸べたので、SARUはそれを受け取って立ち上がった。
「友達か……」
「今まで使ったことなかったな……そんな言葉」
「――SARU!」
「「「!」」」
SARUのようにギリスもメイアもまた天馬たちによって気づかされたとのだと言うと、教えてくれた張本人の天馬がやってきた。
天馬は黙って右手を差し出すと、SARUは一瞬驚いたものの微笑んで手を重ね、そしてひと言。
「ありがとう」
ザ・ラグーンもクロノストームも、試合前とは違ってお互い笑い合っている。お互い最高の仲間と共に最強のチームを相手にサッカーができたことが楽しかったのだ。