信介の必殺技!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「もう一度サッカーやるんだろ?」
「はい!」
大好きなサッカーをやりたいからこそ、優一は辛いリハビリもがんばっていた。しかし手術を受けていない体には酷なのは間違いなく、剣城は顔をうつむけて運動ルームから背を向けた。
『剣城くんも一緒にホーリーロードを勝ち進んでいかない?』
(やっぱり俺は、フィフスセクターには逆らえない……)
瑞貴の誘いは嬉しいと思う気持ちもあった。シードというのに、前回の試合で少なからず雷門中サッカー部を痛めつけたのに、変わらず誘ってくれたからだ。きっと円堂も同じだろう。
しかし優一の怪我の原因は自分だからこそ、優一にサッカーをやってもらいたいためフィフスセクターに従うしかなかった。
☆☆☆☆☆
あれから信助はずっと天馬たちの力を借りて練習をしているが、どうにもうまくいかない。今もボールが当たって倒れたまま空を見上げる。
「ダメだ…うまくいかない……!」
「信助!」
「少し休憩しよう」
「まだいけます! お願いします!」
上半身を起き上がらせた信助に三国は提案するが、信助にあきらめるという気持ちはなかった。
「よし、わかった」
「――天馬ー! 信助ー! ランチタイムだよー!」
高い声が聞こえて全員が振り向くと、道路から木野秋と葵がお弁当を持って来てくれた。
練習に夢中で昼食のことなどすっかり忘れており、せっかく持って来てくれたので天馬たちは快く受け入れる。秋と葵が持って来てくれたレジャーシートに座ってお弁当を広げる。
「「「「「いただきまーす!」」」」」
「「「「うまい/おいしいです!」」」」
「でしょ!?」
おにぎりを取って食べると喜ぶ信助たちに、秋の料理をいつも食べている天馬は誇らしげだった。
「天馬が言ってた、秋姉の味って奴だな」
「はい!」
「えっ? なんか言った?」
「いや、みんなおいしいって!」
「そう。いっぱい食べてね!」
「「「「「はーい!」」」」」
三国には以前秋のことを話していたので、本人に知られるのは恥ずかしかったのか慌てて誤魔化した。
育ち盛りの中学生のためお弁当はどんどん減っていき、秋は信助にお茶を渡して調子を聞く。
「どう? 必殺技はできそう?」
「いえ。まだうまくいかなくて……」
「信助のジャンプとヘディングが、なかなか噛み合わなくてさ」
「ジャンプとヘディングかぁ……二つは欲張りかもね」
「欲張り?」
「どっちか一つにするってこと?」
「うーん……」
どういうことかと問いかける信助と天馬に、うまく言えないのか秋は見上げた顔の顎に手をかける。
「行き詰ったらシンプルに考えてみるといいかなって思っただけよ」
「シンプルにか……」
秋のアドバイスを天馬は呟きながら考えると、おにぎりを食べていた車田が信助に問いかける。
「ヘディングだと、シュートの威力に負けちまうんだよな」
「はい。僕のパワーが足りないのかも」
「だったら、ジャンプの脚力を活かしてみたらどうだ?」
「ジャンプの脚力?」
「キックでボールを防ぐんだ」
「「!」」
得意のジャンプとヘディングを活かすことしか考えていなかったため、天馬と信助はハッと気づいて顔を見合わせた。
「そっか、キックならいけるかも!」
「キックで……!」
「でも、今よりもーっと高く飛ばなきゃダメだド?」
天城の言う通り、これまではボールを額に当てるほど飛べたが、キックとなればさらに高く飛ばなくては届かない。顔を引き締めた信助はおにぎりとお茶を置いて立ち上がる。
「やります! 僕、絶対に高く飛んでみせます!」
空を見上げながら信助はそう宣言した。
「はい!」
大好きなサッカーをやりたいからこそ、優一は辛いリハビリもがんばっていた。しかし手術を受けていない体には酷なのは間違いなく、剣城は顔をうつむけて運動ルームから背を向けた。
『剣城くんも一緒にホーリーロードを勝ち進んでいかない?』
(やっぱり俺は、フィフスセクターには逆らえない……)
瑞貴の誘いは嬉しいと思う気持ちもあった。シードというのに、前回の試合で少なからず雷門中サッカー部を痛めつけたのに、変わらず誘ってくれたからだ。きっと円堂も同じだろう。
しかし優一の怪我の原因は自分だからこそ、優一にサッカーをやってもらいたいためフィフスセクターに従うしかなかった。
☆☆☆☆☆
あれから信助はずっと天馬たちの力を借りて練習をしているが、どうにもうまくいかない。今もボールが当たって倒れたまま空を見上げる。
「ダメだ…うまくいかない……!」
「信助!」
「少し休憩しよう」
「まだいけます! お願いします!」
上半身を起き上がらせた信助に三国は提案するが、信助にあきらめるという気持ちはなかった。
「よし、わかった」
「――天馬ー! 信助ー! ランチタイムだよー!」
高い声が聞こえて全員が振り向くと、道路から木野秋と葵がお弁当を持って来てくれた。
練習に夢中で昼食のことなどすっかり忘れており、せっかく持って来てくれたので天馬たちは快く受け入れる。秋と葵が持って来てくれたレジャーシートに座ってお弁当を広げる。
「「「「「いただきまーす!」」」」」
「「「「うまい/おいしいです!」」」」
「でしょ!?」
おにぎりを取って食べると喜ぶ信助たちに、秋の料理をいつも食べている天馬は誇らしげだった。
「天馬が言ってた、秋姉の味って奴だな」
「はい!」
「えっ? なんか言った?」
「いや、みんなおいしいって!」
「そう。いっぱい食べてね!」
「「「「「はーい!」」」」」
三国には以前秋のことを話していたので、本人に知られるのは恥ずかしかったのか慌てて誤魔化した。
育ち盛りの中学生のためお弁当はどんどん減っていき、秋は信助にお茶を渡して調子を聞く。
「どう? 必殺技はできそう?」
「いえ。まだうまくいかなくて……」
「信助のジャンプとヘディングが、なかなか噛み合わなくてさ」
「ジャンプとヘディングかぁ……二つは欲張りかもね」
「欲張り?」
「どっちか一つにするってこと?」
「うーん……」
どういうことかと問いかける信助と天馬に、うまく言えないのか秋は見上げた顔の顎に手をかける。
「行き詰ったらシンプルに考えてみるといいかなって思っただけよ」
「シンプルにか……」
秋のアドバイスを天馬は呟きながら考えると、おにぎりを食べていた車田が信助に問いかける。
「ヘディングだと、シュートの威力に負けちまうんだよな」
「はい。僕のパワーが足りないのかも」
「だったら、ジャンプの脚力を活かしてみたらどうだ?」
「ジャンプの脚力?」
「キックでボールを防ぐんだ」
「「!」」
得意のジャンプとヘディングを活かすことしか考えていなかったため、天馬と信助はハッと気づいて顔を見合わせた。
「そっか、キックならいけるかも!」
「キックで……!」
「でも、今よりもーっと高く飛ばなきゃダメだド?」
天城の言う通り、これまではボールを額に当てるほど飛べたが、キックとなればさらに高く飛ばなくては届かない。顔を引き締めた信助はおにぎりとお茶を置いて立ち上がる。
「やります! 僕、絶対に高く飛んでみせます!」
空を見上げながら信助はそう宣言した。