集結! 時空最強イレブン‼︎
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「アスレイさんが調整してくれたから、戦国時代に行ってしまったメンバーを除いて、ウチは他のみんなから前から部員だったように接されたから、複雑な想いもあった……『これは偽物だ』って心のどこかで思っていたんよ」
「黄名子ちゃん……」
「でも、帰って来たキャプテンはウチのことに戸惑いつつも受け入れて、それからずっとフェイと同じように仲間として接してくれて、とっても嬉しかったやんね! 雷門のみんなと過ごすのも楽しかった! それに瑞貴さんはウチのこともずっと守ってくれた……ウチにとって、みんなが何よりの心の拠り所やんね!」
何度も瑞貴は小さくなった身を挺して黄名子たち雷門メンバーを守ろうとしていた。ムチャだって怒りたかったときもあったけれど、黄名子にとってはむしろ嬉しさのほうが増していたのだ。
「ウチも役目が終わったら雷門を離れるやんね……。だから、どうしても瑞貴さんに直接お礼が言いたかったやんね!」
「私こそ。私と……――みんなと一緒に戦ってくれてありがとう、黄名子ちゃん! あなたも立派な雷門イレブンの一人だよ!」
「エヘヘッ」
本来生きる時代は違えど、瑞貴からそう言ってもらえた黄名子は嬉しそうに笑った。
「うん! ウチ、明日の試合がんばるやんね! みんなのためにも、フェイのためにも!」
「あっ。黄名子ちゃんが本当の母親なのに、フェイくんが私のことを『母さん』って呼ぶことに複雑だったんじゃない?」
「いやいや~。むしろこの歳で呼ばれたら、そっちのほうが複雑やんね」
「確かに」
「「フフフフッ」」
瑞貴と黄名子は顔を見合わせるとおかしそうに笑った。次いで瑞貴は黄名子の背に腕を回し、そっと抱き締める。感謝と愛情を込めて。
「ありがとう、黄名子ちゃん。本当に……!」
「うん……!」
しばらく抱きしめ会っていた二人。そして明日に備えて休むということで黄名子は部屋に戻ることを伝えると、扉の前で何かを思い出して声を上げる。
「あっ! あと最後に一つ」
「?」
「ウチが瑞貴さんに憧れていろんなポジションができるようになったっていうのは本当やんよ。――ウチの自慢のご先祖様だからやんね!」
「……えっ?」
「じゃあ瑞貴さん、おやすみー!」
「ちょっと、黄名子ちゃん!?」
バタンッ!
最後に黄名子はとんでもない爆弾発言を残して去ってしまい、残った瑞貴は机に突っ伏した。
円堂と子供ができる未来だって考えたことがなかったわけではないが、SARUたちといい黄名子といい、子孫だって名乗り出られるとやはり心臓に悪い。
コンコンッ。
「は、はい!?」
「失礼します……――って、瑞貴さん!? どうしたんですか!? 顔が赤いですよ!?」
「なななな、なんでもないよ! ささっ、入って!」
次いで尋ねて来たフェイは顔が赤い瑞貴を見て驚いた。瑞貴はそれを誤魔化しながらフェイを部屋に招き入れた。
「試合の前に瑞貴さんにセカンドステージ・チルドレンの……――僕らのことを話しておこうと思ったんです」
「……私がセカンドステージ・チルドレンから『母』と呼ばれる理由は、サリューから聞いていたよ」
「SARUから?」
「うん。ラグナロク開催宣言のあと、二人きりで会っていたんだ。そのときフェーダにスカウトもされたけどね」
「すみません……。僕は全然知らされていませんでした……」
「謝ることはないよ。でも、なんだかサリューは特に私に執着心があるように感じられたんだけど?」
「はい。知っての通り僕らは本当の親から見放されました……――いや、もしかしたら全員が全員じゃないかもしれませんが」
「フェイくん……」
フェイは自分の父親・アスレイが自分のために動いていたことを知った。もしかしたら他のセカンドステージ・チルドレンの両親にも中には子供を救おうと知らない所で動いているかもしれない。
「SARUはフェーダの中で一番強い存在である故に、一番世間から恐れられています。そして……フェーダの中にも」
「でも、サリューはリーダーなんだよね?」
「はい。彼は時に統率を乱さないため自分の力を示すことがありました。力づくでしたが、それがフェーダの一部の相手には確実な方法でもあったんです」
かつてガロが反発しようとしたとき、SARUが睨みつけると震え上がって身を引いた。フェーダの中には荒れくれもいるので、時に力で押さえることも必要だった。
「SARUはフェーダのこと、世界のこと、いろいろリーダーとして考えなくてはいけない環境でストレスが溜まらない訳がない。でも、そんなSARUの心の拠り所が瑞貴さん……あなただったんです」
フェイがまだフェーダにいた頃、SARUが部屋で一人瑞貴の映像を観ているとき今まで見たことのない表情をしていた。まるで子供が母親を慕っているような、そんな純粋な表情を。
「SARUは瑞貴さんのことを本当の母親のように慕っているんです。だから、あなたが自分のそばに来て、一時でも心の安らぎを求めたいんだと思います」
「そうだったんだ……」
SARUと瑞貴は生きる時代が違うので、当然ながらずっと一緒にいられない。それでもSARUは、少しだけでも瑞貴と一緒にいたかったかのかもしれない。
「瑞貴さん。僕は明日の試合に勝って、SARUを救いたいです。そして、フェーダのみんなにも」
「うん。想うこともまた一つの力……。絶対に勝とう。私もみんなを救いたい」
現在は子供を産んだことがないのでSARUたちフェーダから『母』と急に言われたときに戸惑ったが、慕ってくれて悪い気もしなかったし、世間から理不尽な理由で否定された子供たちを瑞貴は救いたいという気持ちもまた本物だ。
そして力は失っても大人になることでできることもあるし、様々な未来の可能性も広がる。そのためには明日の試合でザ・ラグーンに……――フェーダに勝つことが最優先だ。
「実は明日、一つサプライズにしていることがあります」
「サプライズ?」
「はい。瑞貴さんには特に嬉しいことですよ」
「?」
笑顔を浮かべるフェイに対し、今度は瑞貴が訳がわからず首を傾げるだけだった。そして親子と知ったせいか、フェイと黄名子はよく見るととても似ているとも思った。
その後、明日に備えてベッドに入った瑞貴は、ある決意をする。
「……言わなきゃね、みんなに。この戦いが本当に起こった原因は、私なんだから」
大介に励まされたものの、やはり戦いの場に出る天馬たちに何も言わないのは心苦しく、ラグナロクを観ていく内に罪悪感が込み上げていた。
この世界に来なければ、この戦争は起きなかったのではないか……と思わずにいられず、明日何を言われても受け入れるつもりだ。
「黄名子ちゃん……」
「でも、帰って来たキャプテンはウチのことに戸惑いつつも受け入れて、それからずっとフェイと同じように仲間として接してくれて、とっても嬉しかったやんね! 雷門のみんなと過ごすのも楽しかった! それに瑞貴さんはウチのこともずっと守ってくれた……ウチにとって、みんなが何よりの心の拠り所やんね!」
何度も瑞貴は小さくなった身を挺して黄名子たち雷門メンバーを守ろうとしていた。ムチャだって怒りたかったときもあったけれど、黄名子にとってはむしろ嬉しさのほうが増していたのだ。
「ウチも役目が終わったら雷門を離れるやんね……。だから、どうしても瑞貴さんに直接お礼が言いたかったやんね!」
「私こそ。私と……――みんなと一緒に戦ってくれてありがとう、黄名子ちゃん! あなたも立派な雷門イレブンの一人だよ!」
「エヘヘッ」
本来生きる時代は違えど、瑞貴からそう言ってもらえた黄名子は嬉しそうに笑った。
「うん! ウチ、明日の試合がんばるやんね! みんなのためにも、フェイのためにも!」
「あっ。黄名子ちゃんが本当の母親なのに、フェイくんが私のことを『母さん』って呼ぶことに複雑だったんじゃない?」
「いやいや~。むしろこの歳で呼ばれたら、そっちのほうが複雑やんね」
「確かに」
「「フフフフッ」」
瑞貴と黄名子は顔を見合わせるとおかしそうに笑った。次いで瑞貴は黄名子の背に腕を回し、そっと抱き締める。感謝と愛情を込めて。
「ありがとう、黄名子ちゃん。本当に……!」
「うん……!」
しばらく抱きしめ会っていた二人。そして明日に備えて休むということで黄名子は部屋に戻ることを伝えると、扉の前で何かを思い出して声を上げる。
「あっ! あと最後に一つ」
「?」
「ウチが瑞貴さんに憧れていろんなポジションができるようになったっていうのは本当やんよ。――ウチの自慢のご先祖様だからやんね!」
「……えっ?」
「じゃあ瑞貴さん、おやすみー!」
「ちょっと、黄名子ちゃん!?」
バタンッ!
最後に黄名子はとんでもない爆弾発言を残して去ってしまい、残った瑞貴は机に突っ伏した。
円堂と子供ができる未来だって考えたことがなかったわけではないが、SARUたちといい黄名子といい、子孫だって名乗り出られるとやはり心臓に悪い。
コンコンッ。
「は、はい!?」
「失礼します……――って、瑞貴さん!? どうしたんですか!? 顔が赤いですよ!?」
「なななな、なんでもないよ! ささっ、入って!」
次いで尋ねて来たフェイは顔が赤い瑞貴を見て驚いた。瑞貴はそれを誤魔化しながらフェイを部屋に招き入れた。
「試合の前に瑞貴さんにセカンドステージ・チルドレンの……――僕らのことを話しておこうと思ったんです」
「……私がセカンドステージ・チルドレンから『母』と呼ばれる理由は、サリューから聞いていたよ」
「SARUから?」
「うん。ラグナロク開催宣言のあと、二人きりで会っていたんだ。そのときフェーダにスカウトもされたけどね」
「すみません……。僕は全然知らされていませんでした……」
「謝ることはないよ。でも、なんだかサリューは特に私に執着心があるように感じられたんだけど?」
「はい。知っての通り僕らは本当の親から見放されました……――いや、もしかしたら全員が全員じゃないかもしれませんが」
「フェイくん……」
フェイは自分の父親・アスレイが自分のために動いていたことを知った。もしかしたら他のセカンドステージ・チルドレンの両親にも中には子供を救おうと知らない所で動いているかもしれない。
「SARUはフェーダの中で一番強い存在である故に、一番世間から恐れられています。そして……フェーダの中にも」
「でも、サリューはリーダーなんだよね?」
「はい。彼は時に統率を乱さないため自分の力を示すことがありました。力づくでしたが、それがフェーダの一部の相手には確実な方法でもあったんです」
かつてガロが反発しようとしたとき、SARUが睨みつけると震え上がって身を引いた。フェーダの中には荒れくれもいるので、時に力で押さえることも必要だった。
「SARUはフェーダのこと、世界のこと、いろいろリーダーとして考えなくてはいけない環境でストレスが溜まらない訳がない。でも、そんなSARUの心の拠り所が瑞貴さん……あなただったんです」
フェイがまだフェーダにいた頃、SARUが部屋で一人瑞貴の映像を観ているとき今まで見たことのない表情をしていた。まるで子供が母親を慕っているような、そんな純粋な表情を。
「SARUは瑞貴さんのことを本当の母親のように慕っているんです。だから、あなたが自分のそばに来て、一時でも心の安らぎを求めたいんだと思います」
「そうだったんだ……」
SARUと瑞貴は生きる時代が違うので、当然ながらずっと一緒にいられない。それでもSARUは、少しだけでも瑞貴と一緒にいたかったかのかもしれない。
「瑞貴さん。僕は明日の試合に勝って、SARUを救いたいです。そして、フェーダのみんなにも」
「うん。想うこともまた一つの力……。絶対に勝とう。私もみんなを救いたい」
現在は子供を産んだことがないのでSARUたちフェーダから『母』と急に言われたときに戸惑ったが、慕ってくれて悪い気もしなかったし、世間から理不尽な理由で否定された子供たちを瑞貴は救いたいという気持ちもまた本物だ。
そして力は失っても大人になることでできることもあるし、様々な未来の可能性も広がる。そのためには明日の試合でザ・ラグーンに……――フェーダに勝つことが最優先だ。
「実は明日、一つサプライズにしていることがあります」
「サプライズ?」
「はい。瑞貴さんには特に嬉しいことですよ」
「?」
笑顔を浮かべるフェイに対し、今度は瑞貴が訳がわからず首を傾げるだけだった。そして親子と知ったせいか、フェイと黄名子はよく見るととても似ているとも思った。
その後、明日に備えてベッドに入った瑞貴は、ある決意をする。
「……言わなきゃね、みんなに。この戦いが本当に起こった原因は、私なんだから」
大介に励まされたものの、やはり戦いの場に出る天馬たちに何も言わないのは心苦しく、ラグナロクを観ていく内に罪悪感が込み上げていた。
この世界に来なければ、この戦争は起きなかったのではないか……と思わずにいられず、明日何を言われても受け入れるつもりだ。