集結! 時空最強イレブン‼︎
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ラグナロク第三戦、チーム・ガルの試合はサリュー=エヴァンに命令されたフェイ=ルーンが念動派を使って、松風天馬たちエルドラドチーム03の頭にプレッシャーを与えるというトラブルが起こった。しかしそれをフェーダの協力者・支援者Xがフェイに指示を聞かぬよう呼び続けたことによって阻止された。
そのおかげもあり試合は引き分けに終わったが一勝一敗一引き分けということにより、SARUとトウドウ=ヘイキチの許可の元でもうひと試合――即ち、本当の最後の試合が行われることが決まった。
試合終了のあと気を失ったフェイは支援者Xにより介抱される。なんと支援者Xはフェイの父・アスレイ=ルーンであり、フェイを見守るためにエルドラドの幹部という地位を捨ててフェーダの協力者になったという。しかしフェイは幼い頃に捨てられた疑心が捨てきれず反発するが、菜花黄名子がそれを一喝する。彼女はなんと『フェイは自分の子供だ』と言い放ったのだ。
「僕が、黄名子の子供? 何を言い出すかと思えば――」
「黄名子が言っていることは本当だ」
アスレイが肯定した。しかしフェーダと瑞貴のときのように、年齢的に釣り合っていないと空野葵はフェイと黄名子を交互に見る。
「でも、黄名子ちゃんとフェイは同い年でしょ?」
「親子なんてありえないですよ!」
「いや、ありうる」
「「「「「えっ?」」」」」
「どういうこと?」
西園信助の言葉を否定したのは両腕を組んで目を閉じたクラーク=ワンダバットだった。天馬たちは状況が追いつけないでいたが、円堂瑞貴はハッと気づく。
「そっか、タイムジャンプ!」
「ああ。黄名子は私がタイムジャンプによって、フェイと同年代の少女の時代から連れて来た紛れもない、フェイの母親だ」
「っ!?」
「やはりそうか……」
「私たちが大介さんを過去から未来に連れて来たように、黄名子ちゃんは未来から過去に来ていたんだ……」
これで黄名子が突然雷門中サッカー部に現れたことにも辻褄が合うと、ワンダバと瑞貴は思った。サッカー禁止令などからタイムパラドックスが起きやすい時代だったため、黄名子を一人紛れ込ませるには訳ないだろうと。実際、瑞貴たちも黄名子の存在をタイムパラドックスの現象だと思い込み素直に受け入れていた。
しかし次に疑問が浮かぶのは、何故黄名子を未来から連れて来たのかということだ。
「私がフェーダにいる間、フェイを守る役を誰にするか迷った。瑞貴さんはフェイと出会う前にエルドラドとSARUに接触してしまったし、どちらの監視下にも置かれていた」
「あっ……」
アスレイの言葉で瑞貴は自分にとってこの事件の始まりの日を思い出す。アルファと出会い封印されそうになり、そこをSARUに助けてもらった。確かにこの状況でアスレイが頼みに来ることはおろか、フェイに必要以上気にかけると不審に思われてしまう。
「そこで、母である黄名子に頼むことにしたんだ」
☆☆☆☆☆
現在瑞貴たちがいるこの時代よりもさらに十数年前にアスレイは黄名子と接触した。とある高層ビルにある展望台で、ガラス張りの壁の外の景色を見ながらうしろでベンチに座っている黄名子に事情を話すと、終わる頃には夕方になっていた。
『今話した通り、君はフェイの母であり、やがて成長し私の妻となる未来があるのだ』
『えっ!? ん~……?』
アスレイが振り向くと黄名子は事情が呑み込めないという顔をしていた。もちろんこれはアスレイの予想通りでもある。
『突然こんな話をされて、戸惑うのもムリはない。だが、どうか信じてほしい。フェイを――私たちの息子を救いたいのだ』
『フェイとか息子とか言われても、ウチは結婚してないし子供なんていないやんね』
『今の君には理解できないかもしれないが、フェイのタイムルートに干渉するには君が最適なのだ』
『そんなこと言われても……』
少女の黄名子にとっては結婚も子供も、憧れはあっても確信が持てない未来だ。いきなり『私の妻となる未来』とか『私たちの息子』と言われても混乱しか起こらない。
『君の存在はフェイと決して交わることがない。しかしは母と子として、君がフェイと深い繋がりを持っている。君ならフェイを守れる……頼む!』
『う~ん……ん~……?』
黄名子は未来がどうとか考えるより、アスレイの必死さを見ると嘘とは思えなかった。しかし疑問がどうしても起こる。
『なんでウチなの?』
『えっ』
『あなたが言う未来には、フェイを産んだウチがいるってことだよね? そっちの黄名子に頼むほうが早いやんね!』
『それは……私の妻である君は……』
急にアスレイの歯切れが悪くなって自分から顔を逸らした。その行動と表情でアスレイの先の言葉は想像しやすいので、黄名子は苦笑して自ら中断する。
『なんか暗い話になりそうだから、言わなくていい』
『あ、ああ……』
『ん~……――フゥ』
もう一度考えた黄名子は一度息を吐くと、勢いよくベンチから立ち上がってアスレイに笑顔を向ける。
『じゃあ、詳しく聞かせて! フェイがどんな子なのか!』
☆☆☆☆☆
それを聞いて神童拓人も瑞貴と同じようにようやく理解した。戦国時代に行ったメンバーを除いて他の部員が当たり前のように黄名子の存在を受け入れていたが、タイムジャンプしていた自分たちには謎が残ったままだったのだ。
「急に菜花がサッカー部の部員になっていたのは、フェイの父親によって行われたインタラプト修正によるものだったのか」
「…………!」
フェイはさらに混乱してしまった。幼い頃別れて音沙汰ナシだった父親・アスレイが名乗りに出たり、見たことのない母親・黄名子の告白。それは全てアスレイが自分を守るために行った行動だと。
そのおかげもあり試合は引き分けに終わったが一勝一敗一引き分けということにより、SARUとトウドウ=ヘイキチの許可の元でもうひと試合――即ち、本当の最後の試合が行われることが決まった。
試合終了のあと気を失ったフェイは支援者Xにより介抱される。なんと支援者Xはフェイの父・アスレイ=ルーンであり、フェイを見守るためにエルドラドの幹部という地位を捨ててフェーダの協力者になったという。しかしフェイは幼い頃に捨てられた疑心が捨てきれず反発するが、菜花黄名子がそれを一喝する。彼女はなんと『フェイは自分の子供だ』と言い放ったのだ。
「僕が、黄名子の子供? 何を言い出すかと思えば――」
「黄名子が言っていることは本当だ」
アスレイが肯定した。しかしフェーダと瑞貴のときのように、年齢的に釣り合っていないと空野葵はフェイと黄名子を交互に見る。
「でも、黄名子ちゃんとフェイは同い年でしょ?」
「親子なんてありえないですよ!」
「いや、ありうる」
「「「「「えっ?」」」」」
「どういうこと?」
西園信助の言葉を否定したのは両腕を組んで目を閉じたクラーク=ワンダバットだった。天馬たちは状況が追いつけないでいたが、円堂瑞貴はハッと気づく。
「そっか、タイムジャンプ!」
「ああ。黄名子は私がタイムジャンプによって、フェイと同年代の少女の時代から連れて来た紛れもない、フェイの母親だ」
「っ!?」
「やはりそうか……」
「私たちが大介さんを過去から未来に連れて来たように、黄名子ちゃんは未来から過去に来ていたんだ……」
これで黄名子が突然雷門中サッカー部に現れたことにも辻褄が合うと、ワンダバと瑞貴は思った。サッカー禁止令などからタイムパラドックスが起きやすい時代だったため、黄名子を一人紛れ込ませるには訳ないだろうと。実際、瑞貴たちも黄名子の存在をタイムパラドックスの現象だと思い込み素直に受け入れていた。
しかし次に疑問が浮かぶのは、何故黄名子を未来から連れて来たのかということだ。
「私がフェーダにいる間、フェイを守る役を誰にするか迷った。瑞貴さんはフェイと出会う前にエルドラドとSARUに接触してしまったし、どちらの監視下にも置かれていた」
「あっ……」
アスレイの言葉で瑞貴は自分にとってこの事件の始まりの日を思い出す。アルファと出会い封印されそうになり、そこをSARUに助けてもらった。確かにこの状況でアスレイが頼みに来ることはおろか、フェイに必要以上気にかけると不審に思われてしまう。
「そこで、母である黄名子に頼むことにしたんだ」
☆☆☆☆☆
現在瑞貴たちがいるこの時代よりもさらに十数年前にアスレイは黄名子と接触した。とある高層ビルにある展望台で、ガラス張りの壁の外の景色を見ながらうしろでベンチに座っている黄名子に事情を話すと、終わる頃には夕方になっていた。
『今話した通り、君はフェイの母であり、やがて成長し私の妻となる未来があるのだ』
『えっ!? ん~……?』
アスレイが振り向くと黄名子は事情が呑み込めないという顔をしていた。もちろんこれはアスレイの予想通りでもある。
『突然こんな話をされて、戸惑うのもムリはない。だが、どうか信じてほしい。フェイを――私たちの息子を救いたいのだ』
『フェイとか息子とか言われても、ウチは結婚してないし子供なんていないやんね』
『今の君には理解できないかもしれないが、フェイのタイムルートに干渉するには君が最適なのだ』
『そんなこと言われても……』
少女の黄名子にとっては結婚も子供も、憧れはあっても確信が持てない未来だ。いきなり『私の妻となる未来』とか『私たちの息子』と言われても混乱しか起こらない。
『君の存在はフェイと決して交わることがない。しかしは母と子として、君がフェイと深い繋がりを持っている。君ならフェイを守れる……頼む!』
『う~ん……ん~……?』
黄名子は未来がどうとか考えるより、アスレイの必死さを見ると嘘とは思えなかった。しかし疑問がどうしても起こる。
『なんでウチなの?』
『えっ』
『あなたが言う未来には、フェイを産んだウチがいるってことだよね? そっちの黄名子に頼むほうが早いやんね!』
『それは……私の妻である君は……』
急にアスレイの歯切れが悪くなって自分から顔を逸らした。その行動と表情でアスレイの先の言葉は想像しやすいので、黄名子は苦笑して自ら中断する。
『なんか暗い話になりそうだから、言わなくていい』
『あ、ああ……』
『ん~……――フゥ』
もう一度考えた黄名子は一度息を吐くと、勢いよくベンチから立ち上がってアスレイに笑顔を向ける。
『じゃあ、詳しく聞かせて! フェイがどんな子なのか!』
☆☆☆☆☆
それを聞いて神童拓人も瑞貴と同じようにようやく理解した。戦国時代に行ったメンバーを除いて他の部員が当たり前のように黄名子の存在を受け入れていたが、タイムジャンプしていた自分たちには謎が残ったままだったのだ。
「急に菜花がサッカー部の部員になっていたのは、フェイの父親によって行われたインタラプト修正によるものだったのか」
「…………!」
フェイはさらに混乱してしまった。幼い頃別れて音沙汰ナシだった父親・アスレイが名乗りに出たり、見たことのない母親・黄名子の告白。それは全てアスレイが自分を守るために行った行動だと。