信介の必殺技!
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「俺たちも手伝う」
「「えっ?」」
「俺たち三年には、このホーリーロードが最後の大会になる」
「絶対に優勝したいんだ。自分たちの力で!」
「ああ。万能坂との試合でわかったド。自由にサッカーをやるのは楽しいド!」
「それに、信助の必殺技ができればチームの強化にもなるからな。一緒に完成させよう」
「「先輩……! ありがとうございます!」」
三年組の優しさに嬉しくなった天馬と信助は礼をした。人数が増えれば特訓の幅も広がるし、アドバイスをもらえれば今後に生かすこともできる。
ユニフォームに着替えた三年組は天馬も含めて、信助と対峙する形になる。天馬はボールを足元に置く。
「いくぞ、信助」
(ゴールキックで鍛えた三国先輩のシュート……これが止められなきゃ、必殺技はできっこない!)
いくらGKと言えども前線へボールを回すために脚力は鍛えられるのだ。FWには劣るかもしれないがパワーはあるだろう。
「お願いします!」
「天馬」
「はい!」
三国が合図をすると天馬はドリブルをし、三国も同時に走り出した。
(来た! 右か、左か……!)
信助はどちらから来るか見極めていると、三国が飛び出たのでそちらに行くと決めた。
「こっちだ!」
「三国先輩!」
「ふっ!」
狙いは当たったが信助の向かう先に立ち塞がるのは、駆け出してきた車田と天城。二人は顔を見合わせて頷くと一木に信助との間合いを詰めた。
(クッ! ……――来た!)
その間にもボールは飛んで来るので、信助は思いっきりかがんでジャンプした。
「しまった、タイミングが合わない! うわあ!」
「信助!」
しかし先ほど違って実戦形式でやっているので、信助は飛び出すタイミングを誤ってしまい、ボールに当たって弾き飛ばされてしまった。
モロに当たってしまったため、天馬は焦って信助のそばに行ってしゃがむ。
「大丈夫!?」
「ウッ、平気だよ……。続けてお願いします!」
一度失敗したぐらいで挫折することもなく、信助は続けてもらうよう先輩たちに頼み込んだ。
☆☆☆☆☆
稲妻総合病院で、剣城は優一のお見舞いに来ていた。いつも通り優一の病室に向かおうとするが――。
「わざわざありがとう、瑞貴ちゃん」
「こっちこそありがとう、面白かったよ。また何か貸してね」
聞き覚えのある声が聞こえて振り向くと、見覚えのあるうしろ姿が看護師と話していた。看護師がナースステーションに入ったことにより、その人物がこちらを向いたので目があった。
「あれ? 剣城くん」
「!」
声をかけてきたのは瑞貴だ。まさかいるとは思わず剣城は目を見開いて顔を逸らす。
「こんな所で会うなんて奇遇だね。誰かのお見舞い? 私はここで働いている友人に本を返してたんだ」
「…………」
「そうそう。この間の試合、スゴかったよ!」
「っ!」
「これから本当のサッカーを取り戻すため戦力にもなるし、剣城くんも一緒にホーリーロードを勝ち進んでいかない?」
前回の試合については剣城にとってタブーだった。あのできごとが自分の立場が危うくなっており、優一に手術費を出せなくなる可能性があるのだから。
「……あんたには関係ないだろ。これ以上俺に詮索するな。俺は――フィフスセクターのシードだ」
剣城は瑞貴の横を通り過ぎながらそう告げる。そのうしろ姿を瑞貴は見えなくなるまで見届けると駐車場に向かった。
――瑞貴と別れたあと剣城は病室に向かったが優一の姿はなかった。どこに行ったのかと廊下を歩いていると運動ルームで声が聞こえてきた。
「そう、その調子だ。優一くん」
「っ、はい!」
「いいぞ、もう少し」
剣城が中を覗くと、優一が歩行訓練台で先生に指導してもらいながら懸命に歩いていた。
「うっ…ぐうっ……うわっ!」
「!」
足の痛みでバランスを崩した優一に剣城は目を見開く。優一は先生に立ち上がらせてもらった。
「「えっ?」」
「俺たち三年には、このホーリーロードが最後の大会になる」
「絶対に優勝したいんだ。自分たちの力で!」
「ああ。万能坂との試合でわかったド。自由にサッカーをやるのは楽しいド!」
「それに、信助の必殺技ができればチームの強化にもなるからな。一緒に完成させよう」
「「先輩……! ありがとうございます!」」
三年組の優しさに嬉しくなった天馬と信助は礼をした。人数が増えれば特訓の幅も広がるし、アドバイスをもらえれば今後に生かすこともできる。
ユニフォームに着替えた三年組は天馬も含めて、信助と対峙する形になる。天馬はボールを足元に置く。
「いくぞ、信助」
(ゴールキックで鍛えた三国先輩のシュート……これが止められなきゃ、必殺技はできっこない!)
いくらGKと言えども前線へボールを回すために脚力は鍛えられるのだ。FWには劣るかもしれないがパワーはあるだろう。
「お願いします!」
「天馬」
「はい!」
三国が合図をすると天馬はドリブルをし、三国も同時に走り出した。
(来た! 右か、左か……!)
信助はどちらから来るか見極めていると、三国が飛び出たのでそちらに行くと決めた。
「こっちだ!」
「三国先輩!」
「ふっ!」
狙いは当たったが信助の向かう先に立ち塞がるのは、駆け出してきた車田と天城。二人は顔を見合わせて頷くと一木に信助との間合いを詰めた。
(クッ! ……――来た!)
その間にもボールは飛んで来るので、信助は思いっきりかがんでジャンプした。
「しまった、タイミングが合わない! うわあ!」
「信助!」
しかし先ほど違って実戦形式でやっているので、信助は飛び出すタイミングを誤ってしまい、ボールに当たって弾き飛ばされてしまった。
モロに当たってしまったため、天馬は焦って信助のそばに行ってしゃがむ。
「大丈夫!?」
「ウッ、平気だよ……。続けてお願いします!」
一度失敗したぐらいで挫折することもなく、信助は続けてもらうよう先輩たちに頼み込んだ。
☆☆☆☆☆
稲妻総合病院で、剣城は優一のお見舞いに来ていた。いつも通り優一の病室に向かおうとするが――。
「わざわざありがとう、瑞貴ちゃん」
「こっちこそありがとう、面白かったよ。また何か貸してね」
聞き覚えのある声が聞こえて振り向くと、見覚えのあるうしろ姿が看護師と話していた。看護師がナースステーションに入ったことにより、その人物がこちらを向いたので目があった。
「あれ? 剣城くん」
「!」
声をかけてきたのは瑞貴だ。まさかいるとは思わず剣城は目を見開いて顔を逸らす。
「こんな所で会うなんて奇遇だね。誰かのお見舞い? 私はここで働いている友人に本を返してたんだ」
「…………」
「そうそう。この間の試合、スゴかったよ!」
「っ!」
「これから本当のサッカーを取り戻すため戦力にもなるし、剣城くんも一緒にホーリーロードを勝ち進んでいかない?」
前回の試合については剣城にとってタブーだった。あのできごとが自分の立場が危うくなっており、優一に手術費を出せなくなる可能性があるのだから。
「……あんたには関係ないだろ。これ以上俺に詮索するな。俺は――フィフスセクターのシードだ」
剣城は瑞貴の横を通り過ぎながらそう告げる。そのうしろ姿を瑞貴は見えなくなるまで見届けると駐車場に向かった。
――瑞貴と別れたあと剣城は病室に向かったが優一の姿はなかった。どこに行ったのかと廊下を歩いていると運動ルームで声が聞こえてきた。
「そう、その調子だ。優一くん」
「っ、はい!」
「いいぞ、もう少し」
剣城が中を覗くと、優一が歩行訓練台で先生に指導してもらいながら懸命に歩いていた。
「うっ…ぐうっ……うわっ!」
「!」
足の痛みでバランスを崩した優一に剣城は目を見開く。優一は先生に立ち上がらせてもらった。