「だって、フェイは俺たちの仲間だから！」

「っ！」

「戻って来てフェイ！　また君と一緒に、サッカーをしたいんだ！」

「…………」

「フェイ！」

「……僕はセカンドステージ・チルドレンのフェイ＝ルーンだ！」


フェイは力強く堂々とした声で、セカンドステージ・チルドレンの――フェーダの一員だと宣言した。それは同時に雷門に戻るつもりはないということも。


「天馬、君たちはこれからそれを思い知ることになる。覚えておいて！」

「あっ……」


もう一度エルドラドチーム03のボールで試合再開。次にボールを回された輝がドリブルをして行くと、ユウチとデッキがあっという間に前に塞がる。


「っ、速過ぎる……トーブくん！」

「任せろー！」

「ふっ！」

「オラのボールだぞ!?」


輝のパスをフェイはトーブに渡る前にカットした。挙げ句先回りして前を塞いだトーブを、フェイはスピードを上げて弾く。


「トーブ！」

「フェイくんが、あんなプレーをするなんて……！」


天馬と瑞貴が声を上げる中、またもやフェイはフリーでゴールまでやって来た。


「ふっ！」

「ミキシトランス・劉備！」


フェイはノーマルシュートを放つと、信助はミキシマックスで対抗する。しかし正面から受け止めようとしたが自身ごとゴールに叩きつけられてしまった。


《フェイのシュートが再び決まった――っ!!　ガル、続けざまの得点でエルドラドを突き離した――っ!!》

「っつぅ……！」

「大丈夫か、トーブ!?」


先ほどフェイに弾かれたせいで、トーブが右足首を抑えていた。霧野蘭丸と天馬と雨宮は心配して駆け寄る。


「っ、大丈夫……！　このぐらいトーチャンのクチバシに比べたら軽い軽い――イッテテテッ！」

「トーブ！」


平気だと証明するために立ち上がったトーブは右足を踏み込むが、走る痛みに敵わず右足を持ち上げて左足で跳ねながら痛みを訴える。やはりダメージが大きいと天馬は気づいた。


｢｢アハハハハッ！｣｣

「…………」

「フェイ！」

｢｢｢！｣｣｣


その様子を見たピノとローコは笑ってフェイはただ黙って見ていると、天馬が声を荒げた。


「さっきのプレーはヒドいよ！　あんな危険なプレー、トーブがケガでもしたら――」

「天馬、まだわからないのか」

「えっ」

「僕たちは君たちとは違う。僕は……僕たちは特別な存在なんだ。だから君たちを淘汰しなきゃならない」

「フェイ……」

「こんなサッカーを一番嫌っていたのは、フェイやんね……」


危険なプレーをしたフェイに、天馬もワンダバも黄名子もショックを受けた。