フェイが敵⁉︎
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「父さんが僕を捨てたのは、僕のセカンドステージ・チルドレンの力が怖かったからなんだ。でも、一人ぼっちになった僕にSARUは声をかけてくれた」
「!」
周りの人々からも蔑ろにされてフェイは孤独のまま生きていたが、SARUがフェイをフェーダのアジトに呼んだのだ。
『フェイ、君の力は気味悪くなんかない。――素晴らしいモノだ! 人への未来の可能性だよ!』
『…………!』
そんなこと言われたのは初めてで、とても嬉しかった。そして自分と同じ境遇の子供がこんなにもいて、フェイと同じ気持ちを抱いていると知った。
「だから決めたんだ。僕たちを認めない奴らに復讐するって。そしてエルドラドに利用されている、僕たちのマリアであり母でもある、瑞貴さん――母さんを取り戻す」
「復讐って!? それに瑞貴さんのことを母さんって呼んで……!」
「フェイくん……」
二人の会話は葵のときと同様に瑞貴にも聞こえている。SARUたちのようにそう呼んだのは、まるでもう『ただ一人の円堂瑞貴』ではなく『セカンドステージ・チルドレンの母』としてしか見てもらえない気がした。
フェイが自分を慕ってくれたのは『ファンだから』と思っていたが、セカンドステージ・チルドレンの記憶がなくても、それは自分たちの存在のキッカケとなった『母(マリア)』ということを、心の底で認識していたからかもしれない。
「ホントにそれが、フェイの望みなの!?」
「手加減はしないよ、天馬」
「!」
敵として戦う、そう言い残してフェイは天馬の元から去ってピッチに入って行った。
「天馬!」
「っ、はい!」
「今は試合に集中するんだ」
「はい!」
豪炎寺が天馬に呼びかけて一喝し、天馬もまたチームと共にピッチに入った。
《さあ、ラグナロク最終戦となる第三戦は、エルドラドチーム03対チーム・ガルだ! そして、かつてのチームメイトが敵同士で戦うことになってしまった――っ!!》
(フェイ、君が敵だなんて……『サッカーを守ろう』って、ずっと一緒に戦って来たのに……! フェイ、『サッカーが好きだ』って言っていたあのときのフェイが本当のフェイだよね? 俺、どうしたら……)
「天馬ー!」
「キャプテン!」
「!」
客席から大声で呼んだワンダバと黄名子の声で天馬は我に返って見てみると、二人は同時に空に向かって指差した。それを見た天馬は顔を輝かせて朝のことを思い出す。
「黄名子……! ワンダバ……!」
『頼むぞ、天馬。お前のサッカーで、フェイの目を覚ましてやってくれ!』
『フェイ、あなたは一人じゃない。こーんなにもあなたを想ってくれている仲間が、ここにいるやんね!』
フェイと一緒に天馬の時代へやって来たワンダバ、現れたときからフェイのことを気にかけている黄名子、二人のためにも天馬はフェイに自分たちの想いをこの試合で伝えなくてはならない。
(俺だけなんだ……ここで今、フェイに何かを伝えることができるのは! ワンダバの気持ち、黄名子の気持ち、俺の気持ちをサッカーで伝えるんだ!)
ついに試合開始のホイッスルが鳴り響いた。先攻はエルドラドチーム03からである。
《運命の第三戦、キックオフだ――っ!!》
「っ!?」
雨宮太陽からボールを受け取った天馬は目の前にいるフェイの対策のため、スペースを取って抜けるが、フェイは動かなかった。それどころか他のチーム・ガルも天馬がどんどん進むのに一歩も動かないし何もしない。
「!」
周りの人々からも蔑ろにされてフェイは孤独のまま生きていたが、SARUがフェイをフェーダのアジトに呼んだのだ。
『フェイ、君の力は気味悪くなんかない。――素晴らしいモノだ! 人への未来の可能性だよ!』
『…………!』
そんなこと言われたのは初めてで、とても嬉しかった。そして自分と同じ境遇の子供がこんなにもいて、フェイと同じ気持ちを抱いていると知った。
「だから決めたんだ。僕たちを認めない奴らに復讐するって。そしてエルドラドに利用されている、僕たちのマリアであり母でもある、瑞貴さん――母さんを取り戻す」
「復讐って!? それに瑞貴さんのことを母さんって呼んで……!」
「フェイくん……」
二人の会話は葵のときと同様に瑞貴にも聞こえている。SARUたちのようにそう呼んだのは、まるでもう『ただ一人の円堂瑞貴』ではなく『セカンドステージ・チルドレンの母』としてしか見てもらえない気がした。
フェイが自分を慕ってくれたのは『ファンだから』と思っていたが、セカンドステージ・チルドレンの記憶がなくても、それは自分たちの存在のキッカケとなった『母(マリア)』ということを、心の底で認識していたからかもしれない。
「ホントにそれが、フェイの望みなの!?」
「手加減はしないよ、天馬」
「!」
敵として戦う、そう言い残してフェイは天馬の元から去ってピッチに入って行った。
「天馬!」
「っ、はい!」
「今は試合に集中するんだ」
「はい!」
豪炎寺が天馬に呼びかけて一喝し、天馬もまたチームと共にピッチに入った。
《さあ、ラグナロク最終戦となる第三戦は、エルドラドチーム03対チーム・ガルだ! そして、かつてのチームメイトが敵同士で戦うことになってしまった――っ!!》
(フェイ、君が敵だなんて……『サッカーを守ろう』って、ずっと一緒に戦って来たのに……! フェイ、『サッカーが好きだ』って言っていたあのときのフェイが本当のフェイだよね? 俺、どうしたら……)
「天馬ー!」
「キャプテン!」
「!」
客席から大声で呼んだワンダバと黄名子の声で天馬は我に返って見てみると、二人は同時に空に向かって指差した。それを見た天馬は顔を輝かせて朝のことを思い出す。
「黄名子……! ワンダバ……!」
『頼むぞ、天馬。お前のサッカーで、フェイの目を覚ましてやってくれ!』
『フェイ、あなたは一人じゃない。こーんなにもあなたを想ってくれている仲間が、ここにいるやんね!』
フェイと一緒に天馬の時代へやって来たワンダバ、現れたときからフェイのことを気にかけている黄名子、二人のためにも天馬はフェイに自分たちの想いをこの試合で伝えなくてはならない。
(俺だけなんだ……ここで今、フェイに何かを伝えることができるのは! ワンダバの気持ち、黄名子の気持ち、俺の気持ちをサッカーで伝えるんだ!)
ついに試合開始のホイッスルが鳴り響いた。先攻はエルドラドチーム03からである。
《運命の第三戦、キックオフだ――っ!!》
「っ!?」
雨宮太陽からボールを受け取った天馬は目の前にいるフェイの対策のため、スペースを取って抜けるが、フェイは動かなかった。それどころか他のチーム・ガルも天馬がどんどん進むのに一歩も動かないし何もしない。