信介の必殺技!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「やった!」
「まだだ! ――どうだ!」
高く飛んだ倉間がオーバーヘッドシュートを撃った。ディフェンスにしては足りなかったと信助は走り出し、そして――。
「くっそー!」
バシュン!
「あっ……」
「!」
「何?」
「あれは……!」
信助がジャンプしようと踏み込んだとき、足元からボールをぶつけたときと同じ衝撃を感じた。天馬も倉間もシュートを止めた三国も他のみんなも驚いたが、一番驚いたのは信助自身だ。
「僕、今……?」
「うん! 感じたよ、物凄いパワーを!」
「あいつ……」
朝に協力した天馬も嬉しそうに信助の肩に手を置き、接触した倉間も直接信助のパワーを感じていた。
「根性見せてるじゃないか、信助の奴!」
「ああ。大したモンだド!」
「ぶっとびジャンプか……楽しみだな!」
「見えてきたぞ……僕の必殺技が!」
車田と天城と三国は信助がこれからどう必殺技を開花させていくのか楽しみにしていた。そして信助も完成へのヒントになったようだ。
☆☆☆☆☆
今日は日曜日。部活は休みなので円堂と瑞貴も休日を謳歌していた……というより、瑞貴が久々の休みなので大掃除をするといい始め、円堂も手伝うことになったのだ。
「そういやさ、昨日の信助の必殺技……お前はどう思う?」
「うーん。確かに兆しは出ていたけど、まだまだだね。でも、太一くんたち三年組が特に気になっているようだし、必殺技を完成させるため手を貸してくれると思うよ」
今まで邪険にしていたこともあったが、前向きになった彼らなら仲間たちのために手助けするのも惜しまないだろう。
話している間に掃除が終わったので道具を片付けると、瑞貴は一冊の本をカバンに入れた。
「ちょっと病院に行ってくるね」
「病院?」
「冬花ちゃんに借りていた本を返しに行くの。その間に留守番をお願い」
「俺も付いて行こうか」
「守は準決勝への手続きするため書類を書かなくちゃいけないでしょ」
確かに監督として必要な仕事だが、一緒に行きたかったのは本当なのでショボンと円堂は肩を落とした。
「それじゃあ、行ってきます」
「待ってくれ。忘れ物があるぞ」
「忘れ物?」
借りた本は持ったし、貴重品もあるし、何を忘れたのかと瑞貴は目をパチクリすると――。
グイッ――チュッ。
なんと円堂が瑞貴の腕を引いてキスをしたのだ。突然のことに瑞貴は一瞬何をされたかわからなかったが、あとから実感がして顔を真っ赤にする。
「行ってらっしゃいのキスな」
「っ! い、行ってきます!」
実はこれは円堂家の恒例なのだ。毎日やっているとはいえ瑞貴は全く慣れることなく恥ずかしがって家を飛び出した。
結婚したといっても円堂は海外のプロリーグにいたため、共に暮らした時間は少なかったので円堂が提案したのだ。瑞貴は離れて暮らす寂しさもあったのでそのとき顔を赤くしながら了承したが、こうして日常茶飯事になると恥ずかしくも感じていた。
――とある釣り堀で、浜野が釣り糸を垂らしていると隣にいる速水が声をかけてきた。
「このままでいいんでしょうか……」
「任しときなって。ここの釣り堀はよく釣れるんだぜ~」
「釣り堀の話じゃなくて、サッカー部の話ですよ」
「ああ、そっちね。――いんじゃね」
「えっ?」
考えることもなく速水に呑気に返す浜野だが、彼は彼なりに思う所もあった。
「俺、天馬に乗っかってもいっかなーって思ってるけど」
「俺は…不安です……」
先日言ったこともそうだが、フィフスセクターは手段を選ばない傾向もある。数々のサッカー部を潰してきたし、命令に従ってもらうためシードを各学校に送り込んでいるのだ。恐怖を覚えないわけがない。
「まだだ! ――どうだ!」
高く飛んだ倉間がオーバーヘッドシュートを撃った。ディフェンスにしては足りなかったと信助は走り出し、そして――。
「くっそー!」
バシュン!
「あっ……」
「!」
「何?」
「あれは……!」
信助がジャンプしようと踏み込んだとき、足元からボールをぶつけたときと同じ衝撃を感じた。天馬も倉間もシュートを止めた三国も他のみんなも驚いたが、一番驚いたのは信助自身だ。
「僕、今……?」
「うん! 感じたよ、物凄いパワーを!」
「あいつ……」
朝に協力した天馬も嬉しそうに信助の肩に手を置き、接触した倉間も直接信助のパワーを感じていた。
「根性見せてるじゃないか、信助の奴!」
「ああ。大したモンだド!」
「ぶっとびジャンプか……楽しみだな!」
「見えてきたぞ……僕の必殺技が!」
車田と天城と三国は信助がこれからどう必殺技を開花させていくのか楽しみにしていた。そして信助も完成へのヒントになったようだ。
☆☆☆☆☆
今日は日曜日。部活は休みなので円堂と瑞貴も休日を謳歌していた……というより、瑞貴が久々の休みなので大掃除をするといい始め、円堂も手伝うことになったのだ。
「そういやさ、昨日の信助の必殺技……お前はどう思う?」
「うーん。確かに兆しは出ていたけど、まだまだだね。でも、太一くんたち三年組が特に気になっているようだし、必殺技を完成させるため手を貸してくれると思うよ」
今まで邪険にしていたこともあったが、前向きになった彼らなら仲間たちのために手助けするのも惜しまないだろう。
話している間に掃除が終わったので道具を片付けると、瑞貴は一冊の本をカバンに入れた。
「ちょっと病院に行ってくるね」
「病院?」
「冬花ちゃんに借りていた本を返しに行くの。その間に留守番をお願い」
「俺も付いて行こうか」
「守は準決勝への手続きするため書類を書かなくちゃいけないでしょ」
確かに監督として必要な仕事だが、一緒に行きたかったのは本当なのでショボンと円堂は肩を落とした。
「それじゃあ、行ってきます」
「待ってくれ。忘れ物があるぞ」
「忘れ物?」
借りた本は持ったし、貴重品もあるし、何を忘れたのかと瑞貴は目をパチクリすると――。
グイッ――チュッ。
なんと円堂が瑞貴の腕を引いてキスをしたのだ。突然のことに瑞貴は一瞬何をされたかわからなかったが、あとから実感がして顔を真っ赤にする。
「行ってらっしゃいのキスな」
「っ! い、行ってきます!」
実はこれは円堂家の恒例なのだ。毎日やっているとはいえ瑞貴は全く慣れることなく恥ずかしがって家を飛び出した。
結婚したといっても円堂は海外のプロリーグにいたため、共に暮らした時間は少なかったので円堂が提案したのだ。瑞貴は離れて暮らす寂しさもあったのでそのとき顔を赤くしながら了承したが、こうして日常茶飯事になると恥ずかしくも感じていた。
――とある釣り堀で、浜野が釣り糸を垂らしていると隣にいる速水が声をかけてきた。
「このままでいいんでしょうか……」
「任しときなって。ここの釣り堀はよく釣れるんだぜ~」
「釣り堀の話じゃなくて、サッカー部の話ですよ」
「ああ、そっちね。――いんじゃね」
「えっ?」
考えることもなく速水に呑気に返す浜野だが、彼は彼なりに思う所もあった。
「俺、天馬に乗っかってもいっかなーって思ってるけど」
「俺は…不安です……」
先日言ったこともそうだが、フィフスセクターは手段を選ばない傾向もある。数々のサッカー部を潰してきたし、命令に従ってもらうためシードを各学校に送り込んでいるのだ。恐怖を覚えないわけがない。