フェイが敵⁉︎
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ミーティングルームで雷門のユニフォームに着替えたエルドラドチーム03は、監督・豪炎寺修也とコーチ・円堂瑞貴の前に集まる。
「ラグナロクは、二戦を終えて一勝一敗だ」
「今日の第三戦……この最終戦で全てが決まる!」
「勝ってサッカーを、円堂監督を取り戻すんだ!」
「「「「「オウッ!」」」」」
天馬の言葉に拳を上げたのは雷門メンバーのみ。しかしエルドラドメンバーとて試合に勝ちたいという想いは一緒である。
(そして……フェイも!)
この試合でもう一人――フェイも取り戻すと天馬はあのときワンダバと黄名子に誓った。
――豪炎寺と瑞貴は二人でグラウンドへ向かうため廊下を歩いていると、鬼道有人がそこで待っていた。
「頼んだぞ、豪炎寺、瑞貴」
「ああ。第一戦でお前が繋げてくれた勝利への希望の1点、それに応えてみせる!」
「そして、第二戦で勝ってくれた拓人くんたちの想いも含めてね!」
二人の言葉に鬼道は頷いた。鬼道が負けるとわかった第一戦で、1点を取るように言ってくれた。あのおかげでセカンドステージ・チルドレンと言えど、点を取れない相手ではないとわかったので第二戦の勝利にも繋げた。
「必ず勝とう、修也」
「俺たちの……円堂のためにも!」
このメンバーにとって唯一無二のキャプテンであり、恩人でもある円堂守。この第三戦で勝つことができれば彼を取り戻すことができるのだ。
(守、もう少しだよ。――待っててね)
瑞貴もまた拳を握り締めて誓った。監督とコーチの補佐をするのが自分の役目、それを全うして助け出すと再度誓った。
その想いが伝わったのか偶然なのか、フェーダの部屋の箱にある円堂のクロノストーンが淡く光っていた。箱の蓋は閉じているので、それに気づいた者は誰もいなかったが。
――超満員の観客席から歓声が上がる中、矢嶋陽介が実況者としてタイムジャンプされていた。
《さあラグナロクもいよいよ最終戦! 世界意思決定機関の実権を握り、世界を動かすのはエルドラドか!? それともフェーダか!? 全世界の未来をかけた一戦がまもなく始まろうとしていま――すっ!!》
試合前のストレッチをベンチの前でやっている天馬に、レイ=ルクが近づくと相変わらず無表情のまま天馬を見つめていた。
「な、何?」
「データベースを更新しました。これよりあなたをキャプテンとみなします」
「ア…アハハッ。よろしく」
「了解、キャプテン」
「そうだ、観に来てるかな? フェイ」
天馬は観客席を見回す。全席が満席だがフェイの姿を天馬が見逃すはずがない。しかし観客席はおろか、出場チーム用に与えられた客席にもいなかった。
(フェーダ……)
残るはあそこかと天馬はフェーダのリーダー・サリュー=エヴァンのいるVIP席を見る。だがそこにもフェイの姿はなく、代わりにSARUの隣に現れたのは、白いローブの老人――支援者Xだ。
「あの人は……!」
「「!」」
支援者Xに気づいた天馬だが、同じように客席で気づいたワンダバと黄名子も特に反応していた。