フェイが敵⁉︎
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ラグナロク第二回戦は、神のタクトを進化させてチームを導く神童拓人、決定的な攻撃を見せてくれたアルファとベータとガンマ。円堂守のデータをもとに作られてその身を挺してゴールを守ってくれたメカ円堂、そして時空最強イレブンの一人になろうと奮起するザナーク=アバロニク――彼らを中心にしたエルドラドチーム02が勝利した。
これで一勝一敗となり、次の試合でこの世界の覇権を持つ組織が決まる。
その試合当日となる早朝で、松風天馬はただ一人客席に座ってグラウンドを眺めていた。
(サッカーの命運をかけた、ラグナロク第三戦……今日の最終戦で全てが決まる。なのに、たった一つ欠けているモノがある。……フェイ(君)がいない)
天馬は自分の隣の席に手を置いた。いつもなら自分の隣にいてくれた、フェイ=ルーン。彼はセカンドステージ・チルドレンのスパイとして記憶を消して潜入していたのだ。そして記憶を取り戻した彼は今、フェーダに行ってしまった。
「天馬」
「ワンダバ……」
「フェイのことか?」
「!」
現れたクラーク=ワンダバットは、天馬が誰のことを考えているかわかった。図星を突かれた天馬は顔をうつむけると、ワンダバもまた悲しそうな顔をする。そんな彼らの死角の壁を背に、菜花黄名子もまた浮かない表情でそこにいた。
ワンダバは天馬の隣の席に移動して座ると、自分が今までフェイと一緒にいた真実を話す。
「私がフェイと行動を共にして来たのは、アルノ博士にお目付け役を頼まれたからなんだ。それだけではない……――彼が好きだったからだ」
クロスワード=アルノは、フェイがセカンドステージ・チルドレンのボス・サリュー=エヴァンから送り込まれたことを知っていた。もちろんそのときのフェイは何も知らないサッカーが好きな普通の少年としてそこにいた。
それでも万が一のために、アルノはワンダバをお目付け役に抜擢した。そしてワンダバがフェイと初めて会ったとき、フェイは手に持っているボールをワンダバに差し出した。
『君も、一緒にサッカーやらない?』
『!』
フェイはワンダバがアンドロイドとか関係なく、純粋にサッカーに誘ってくれた。それがワンダバにとって何よりも嬉しかった。
「フェイは、私にも普通の友達として接してくれたんだ……」
「そうだったんだ……」
「頼むぞ、天馬。お前のサッカーで、フェイの目を覚ましてやってくれ!」
「ワンダバ……!」
ワンダバは監督でも選手でもない。だからこそ、この試合で全ての決着を付ける天馬に託したのだ。
「俺もフェイとまた、一緒にサッカーがしたい。けど……」
『天馬、僕が戦ってきた理由はね――』
『「サッカーが好きだから」、だよね!?』
『悪いけど、違う。僕は――僕らを認めない奴らと戦わなきゃならない。それが僕たちの宿命なんだ』
天馬の脳裏に浮かぶのは、チーム・ザンとの試合のあと。全てを思い出したフェイは天馬たちと戦ってまでも、本来の自分の戦いをすると宣言した。その決意は『サッカーを守りたい』と言っていたときと同じくらい強く、そして簡単には揺るがないモノだと伝わっていた。
「できるかな、俺に? フェイの目を覚ますことが……」
「天馬……」
「――できるやんね!」
「「!」」
この場に二人しかいないと思っていた天馬とワンダバは、高くても力強い声と共にやってきた黄名子を見て驚いた。
「できるよ、キャプテンなら! フェイと一緒にいろんな試練を乗り越えてきたキャプテンならできる! ウチが保証するやんね!」
「っ、黄名子……」
「フェイも、キャプテンやワンダバの想いに気づくはずやんね。みんなを見てきたウチにはよーくわかる!」
次いで黄名子は天馬たちに背を向け、空を見上げて大きく両腕を広げる。立場は違えど、同じ空の下にいるフェイに届けるように。
「フェイ、あなたは一人じゃない。こーんなにもあなたを想ってくれている仲間が、ここにいるやんね!」
「「うん/ウム!」」
これで一勝一敗となり、次の試合でこの世界の覇権を持つ組織が決まる。
その試合当日となる早朝で、松風天馬はただ一人客席に座ってグラウンドを眺めていた。
(サッカーの命運をかけた、ラグナロク第三戦……今日の最終戦で全てが決まる。なのに、たった一つ欠けているモノがある。……フェイ(君)がいない)
天馬は自分の隣の席に手を置いた。いつもなら自分の隣にいてくれた、フェイ=ルーン。彼はセカンドステージ・チルドレンのスパイとして記憶を消して潜入していたのだ。そして記憶を取り戻した彼は今、フェーダに行ってしまった。
「天馬」
「ワンダバ……」
「フェイのことか?」
「!」
現れたクラーク=ワンダバットは、天馬が誰のことを考えているかわかった。図星を突かれた天馬は顔をうつむけると、ワンダバもまた悲しそうな顔をする。そんな彼らの死角の壁を背に、菜花黄名子もまた浮かない表情でそこにいた。
ワンダバは天馬の隣の席に移動して座ると、自分が今までフェイと一緒にいた真実を話す。
「私がフェイと行動を共にして来たのは、アルノ博士にお目付け役を頼まれたからなんだ。それだけではない……――彼が好きだったからだ」
クロスワード=アルノは、フェイがセカンドステージ・チルドレンのボス・サリュー=エヴァンから送り込まれたことを知っていた。もちろんそのときのフェイは何も知らないサッカーが好きな普通の少年としてそこにいた。
それでも万が一のために、アルノはワンダバをお目付け役に抜擢した。そしてワンダバがフェイと初めて会ったとき、フェイは手に持っているボールをワンダバに差し出した。
『君も、一緒にサッカーやらない?』
『!』
フェイはワンダバがアンドロイドとか関係なく、純粋にサッカーに誘ってくれた。それがワンダバにとって何よりも嬉しかった。
「フェイは、私にも普通の友達として接してくれたんだ……」
「そうだったんだ……」
「頼むぞ、天馬。お前のサッカーで、フェイの目を覚ましてやってくれ!」
「ワンダバ……!」
ワンダバは監督でも選手でもない。だからこそ、この試合で全ての決着を付ける天馬に託したのだ。
「俺もフェイとまた、一緒にサッカーがしたい。けど……」
『天馬、僕が戦ってきた理由はね――』
『「サッカーが好きだから」、だよね!?』
『悪いけど、違う。僕は――僕らを認めない奴らと戦わなきゃならない。それが僕たちの宿命なんだ』
天馬の脳裏に浮かぶのは、チーム・ザンとの試合のあと。全てを思い出したフェイは天馬たちと戦ってまでも、本来の自分の戦いをすると宣言した。その決意は『サッカーを守りたい』と言っていたときと同じくらい強く、そして簡単には揺るがないモノだと伝わっていた。
「できるかな、俺に? フェイの目を覚ますことが……」
「天馬……」
「――できるやんね!」
「「!」」
この場に二人しかいないと思っていた天馬とワンダバは、高くても力強い声と共にやってきた黄名子を見て驚いた。
「できるよ、キャプテンなら! フェイと一緒にいろんな試練を乗り越えてきたキャプテンならできる! ウチが保証するやんね!」
「っ、黄名子……」
「フェイも、キャプテンやワンダバの想いに気づくはずやんね。みんなを見てきたウチにはよーくわかる!」
次いで黄名子は天馬たちに背を向け、空を見上げて大きく両腕を広げる。立場は違えど、同じ空の下にいるフェイに届けるように。
「フェイ、あなたは一人じゃない。こーんなにもあなたを想ってくれている仲間が、ここにいるやんね!」
「「うん/ウム!」」