フェイの目醒め
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エルドラド側の議長室に集まっているのは、トウドウ=ヘイキチと瑞貴、エルドラドチーム02のサカマキ=トグロウと神童、エルドラドチーム03の豪炎寺修也と天馬。そしてワープパネルでエルドラドチーム01の鬼道と剣城が姿を現した。
全員がそろったのを確認したサカマキは、この場に集合を呼び掛けたトウドウに告げる。
「各チームの監督・キャプテンがそろいました」
「フェイ=ルーンに関しては、我々の調査不足だ。むざむざ敵をチームに招き入れてしまうとは……」
「フェイは敵なんかじゃありません!」
真っ直ぐな目を向けてそう断言する天馬にトウドウは一瞥するが、すぐに次の話に移る。
「まあいい。それより、君たちに話しておくことがある。――ついに完成したのだ。セカンドステージ・チルドレンの力を消す、SSC制御ワクチンが」
「「「「「!」」」」」
「ワクチン……!?」
セカンドステージ・チルドレンのみ所有する遺伝子に対するワクチンが完成したと知り、それを聞いた豪炎寺たちは目を見開いた。この場で驚いていないのはトウドウを除けば、同じエルドラドのサカマキと――瑞貴だけだ。
「この先は私から説明しよう。エルドラドの科学研究所において、セカンドステージ・チルドレンの遺伝子を制御し、抑え込むワクチンを開発していたのだ。先日、円堂瑞貴が与えてくれた血液によりついに完成した」
「瑞貴の……!?」
「セカンドステージ・チルドレンのSSC遺伝子は、サッカーと私の血筋で共鳴して生まれたからね。だからワクチンを作るため、私の血が必要だって言われたの」
豪炎寺が驚いて瑞貴を見ると、瑞貴は目を閉じて先日の研究室でのことを思い出す。
『セカンドステージ・チルドレンの力が生まれたのは、サッカーによる遺伝子だというのは知っているだろう』
『ええ……』
『その力を打ち消すために、我々が開発しているワクチンに重要な鍵が君の血だということに気づいた。どうか、協力してくれないか?』
『……条件がある』
あのときトウドウに呼ばれて研究室へ連れて行かれたのは、ワクチンを作るに必要な瑞貴の血液の採取のためだったのだ。それに瑞貴は『ある条件』を付けて了承した。
「これで、彼らの特殊な力を消し去ることができる」
「そんなモノが……!」
ラグナロクとエルドラドが今までして来た行為の理由しか知らなかったので、鬼道はエルドラドがワクチンを開発していたという事実に驚いていた。
「だが彼らがワクチンを受け入れるとは思えない。……それが彼らを救うことにもなるというのにな」
「どういうことですか?」
「前にも言ったように、彼らは大きな力を持つ代わりに永くは生きられない。しかしワクチンを打てば、力は失うが寿命を普通の子供たちと同じに戻すことができる」
フェーダを救う意味を剣城が問うと、サカマキはそう答えた。そして意味がわかった天馬は同じセカンドステージ・チルドレンのフェイを救うことにもなると思って声を上げる。
「じゃあ、それを使えばフェイも!」
「ああ。だが、彼らが力を手放すことはないだろう」
「SARUは自分たちの寿命のことをわかった上でこの反乱を起こしている。今のあいつの頭にあるのは『世界を自分たちのモノにする』という野望だけだ」
「そんな……!」
確かにワクチンの存在を知っても、今のSARUやフェイたちフェーダが受け入れるとは思えない。寿命を延ばす方法が見つかったというのに受ける側が了承しないと意味がないので、天馬はショックを受けるが……。
「勝てばいいということだ」
「っ、神童先輩……」
「そうすれば、フェイも救える」
神童の言葉に同意して剣城も頷いた。それを見た天馬もまた力強く頷き返した。
「はい! 勝つんだ……ラグナロクに勝って、みんなを救うんだ!」
天馬たちにとって、ラグナロクに勝利するのはサッカーを守るだけでなく、フェイやフェーダを救うという目的ができた。
☆コーチの 今日の格言☆
勝利は目に見えるけど、希望は目に見えないからこそ、もっとも価値がある
以上!!