信介の必殺技!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
こぼれたボールを神童が追いかける姿を、ベンチで山菜茜は写真を撮っていた。
「神さま、凛々しい……!」
「ハハッ……。そういえば、天馬と信助は?」
「はい。いつも一番乗りなんですけど、どうしたんでしょうか?」
茜の姿に瀬戸水鳥は苦笑して空野葵に問うが、彼女も二人がどこにいるのか知らなかった。西園信助が試合の反省とこれからの目標も含めて、松風天馬と共に河川敷で時間も忘れて特訓していると知らずに。
同じベンチで霧野が試合で足を負傷したため見学していると、音無春奈が声をかける。
「霧野くん、足の怪我は大丈夫なの?」
「はい、大したことありません。二、三日したら運動していいそうです」
「よかった……。でもムリはダメよ?」
「わかっています」
ホッとした春奈は改めて告げると、霧野は心得たように頷いた。
「「すみませーん!」」
「遅いぞ」
やっと時間に気づいて慌ててきた天馬と信助に神童は叱咤した。しかし信助は自分が原因であると遅刻の理由を話す。
「僕のせいなんです。 必殺技の特訓をしてて」
「必殺技?」
「はい! 僕も先輩たちみたいにできたらいいなぁって」
「へぇ、どんな技だ?」
三国太一を始め、車田剛一も天城大地も興味津々で問いかける。結局完成できなかったので言い辛いのか、信助は口ごもった。
「あー……えっと……。『ぶっとびジャンプ』って、ディフェンス技で!」
「ぶっとびジャンプ……?」
「なんだそりゃ?」
「えっと……とにかく、ジャンプ力を生かした技なんです!」
「やる気は認めるが、時間は守れ」
「「はい!」」
「あと、瑞貴さんから遅刻の罰として追加練習メニューを預かっているからな」
「「ウッ!」」
どんな理由であれ遅刻したのは変わりないので、神童は円堂守と共に理事長室に呼び出された瑞貴からの練習メニューを天馬と信助に渡した。
前回で宣言されたせいか恐る恐る受け取ると、基礎練習が倍になっていたので青ざめる。そんな二人に倉間典人は両腕を組んで呆れていた。
「昨日ちょっといいとこ見せたからって、気ぃ抜いて遅刻してんじゃねぇよ」
「いいとこ見せたって言えば剣城もだけど、来ないね?」
「もしかして……フィフスセクターを裏切ったから罰を受けたのかも!」
「えっ?」
周りを見た浜野海士が剣城の不在を指摘すると、速水が恐れるように言ったので、天馬を始めみんなが速水に注目する。
「剣城だけじゃありません! 俺たちだってどうなるか……」
「覚悟はしてるド!」
「俺たちは自分の意思で第五条に逆らうと決めたんだからな!」
「みなさんはそうでしょうけど……」
天城も車田もフィフスセクターを裏切ったことに後悔はない。しかし速水は不安でたまらないのだ。
話が見えないのか天馬は信助と顔を見合わすと、先輩たちに問いかける。
「あの、『第五条』ってなんですか?」
「知らないんですか?」
「「はい……」」
「少年サッカー法第五条・『サッカーは皆平等に愛されるべきであり、その価値ある勝利も平等に分け与えられるべきである』……」
「少年サッカー法……」
「それを守るために、フィフスセクターが作られたんだ。試合の勝敗を管理し、勝利を分配する……そんなサッカーはもういらない! 俺たちは間違ってはいない! 勝ち続けて取り戻すんだ。本当のサッカーを――俺たちの手に!」
速水の代わりに神童は説明すると宣言した。管理サッカーではなく本気でサッカーをする価値を見つけたからこそ、覚悟を決めて堂々と言えるのだ。他のみんなも真剣に聞いている。
だが、同時にそれは大きな問題もある。車田も天城もそれに気づいていた。
「勝ち続けるか……」
「指示通りに試合するより難しいド……」
「ああ。だがやるしかない!」
三国も勝ち続けるほど相手が強敵になるのは承知の上だ。天馬と信助も顔を見合わせて力強く頷いた。
「神さま、凛々しい……!」
「ハハッ……。そういえば、天馬と信助は?」
「はい。いつも一番乗りなんですけど、どうしたんでしょうか?」
茜の姿に瀬戸水鳥は苦笑して空野葵に問うが、彼女も二人がどこにいるのか知らなかった。西園信助が試合の反省とこれからの目標も含めて、松風天馬と共に河川敷で時間も忘れて特訓していると知らずに。
同じベンチで霧野が試合で足を負傷したため見学していると、音無春奈が声をかける。
「霧野くん、足の怪我は大丈夫なの?」
「はい、大したことありません。二、三日したら運動していいそうです」
「よかった……。でもムリはダメよ?」
「わかっています」
ホッとした春奈は改めて告げると、霧野は心得たように頷いた。
「「すみませーん!」」
「遅いぞ」
やっと時間に気づいて慌ててきた天馬と信助に神童は叱咤した。しかし信助は自分が原因であると遅刻の理由を話す。
「僕のせいなんです。 必殺技の特訓をしてて」
「必殺技?」
「はい! 僕も先輩たちみたいにできたらいいなぁって」
「へぇ、どんな技だ?」
三国太一を始め、車田剛一も天城大地も興味津々で問いかける。結局完成できなかったので言い辛いのか、信助は口ごもった。
「あー……えっと……。『ぶっとびジャンプ』って、ディフェンス技で!」
「ぶっとびジャンプ……?」
「なんだそりゃ?」
「えっと……とにかく、ジャンプ力を生かした技なんです!」
「やる気は認めるが、時間は守れ」
「「はい!」」
「あと、瑞貴さんから遅刻の罰として追加練習メニューを預かっているからな」
「「ウッ!」」
どんな理由であれ遅刻したのは変わりないので、神童は円堂守と共に理事長室に呼び出された瑞貴からの練習メニューを天馬と信助に渡した。
前回で宣言されたせいか恐る恐る受け取ると、基礎練習が倍になっていたので青ざめる。そんな二人に倉間典人は両腕を組んで呆れていた。
「昨日ちょっといいとこ見せたからって、気ぃ抜いて遅刻してんじゃねぇよ」
「いいとこ見せたって言えば剣城もだけど、来ないね?」
「もしかして……フィフスセクターを裏切ったから罰を受けたのかも!」
「えっ?」
周りを見た浜野海士が剣城の不在を指摘すると、速水が恐れるように言ったので、天馬を始めみんなが速水に注目する。
「剣城だけじゃありません! 俺たちだってどうなるか……」
「覚悟はしてるド!」
「俺たちは自分の意思で第五条に逆らうと決めたんだからな!」
「みなさんはそうでしょうけど……」
天城も車田もフィフスセクターを裏切ったことに後悔はない。しかし速水は不安でたまらないのだ。
話が見えないのか天馬は信助と顔を見合わすと、先輩たちに問いかける。
「あの、『第五条』ってなんですか?」
「知らないんですか?」
「「はい……」」
「少年サッカー法第五条・『サッカーは皆平等に愛されるべきであり、その価値ある勝利も平等に分け与えられるべきである』……」
「少年サッカー法……」
「それを守るために、フィフスセクターが作られたんだ。試合の勝敗を管理し、勝利を分配する……そんなサッカーはもういらない! 俺たちは間違ってはいない! 勝ち続けて取り戻すんだ。本当のサッカーを――俺たちの手に!」
速水の代わりに神童は説明すると宣言した。管理サッカーではなく本気でサッカーをする価値を見つけたからこそ、覚悟を決めて堂々と言えるのだ。他のみんなも真剣に聞いている。
だが、同時にそれは大きな問題もある。車田も天城もそれに気づいていた。
「勝ち続けるか……」
「指示通りに試合するより難しいド……」
「ああ。だがやるしかない!」
三国も勝ち続けるほど相手が強敵になるのは承知の上だ。天馬と信助も顔を見合わせて力強く頷いた。