フェイの目醒め
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前半より勢いがなくなった理由が、フェイの裏切りと離脱だと剣城は気づく。
(フェイのことでみんな動揺している……!)
「どうした!? もっと楽しませてくれよ! ふんっ!」
「ぐうっ!」
ガロがノーマルシュートを撃つが、他のみんなと同じく動揺している三国は自身ごとゴールに入れられてしまった。
《ゴォ――ルッ!! チーム・ザン、決定的な追加点を上げた――っ!!》
「なんという強さだ……! 気持ちの上でも敵に圧倒されている……!」
「このままじゃ負けてしまう……!」
「だとすれば……」
「私たちがこの試合でやるべきことは……」
鬼道有人と瑞貴は共に敵の予想以上の強さに衝撃を受けた。だがただで終わるわけにはいかないので、それならばと顔を見合わせて頷き合うと、鬼道は剣城を呼ぶ。
「剣城!」
「!」
「ハーフウェイラインを越えて、DFも敵陣地まで上げろ!」
「っ!? まさか全員攻撃!? それは無謀です! 逆に失点を重ねる可能性があります!」
「冷静に試合を見ろ。フェイがいない今、この試合は負けると見るべきだ。ならば次の勝利のための布石を打つ!」
「しかし――」
「いいか、ここで決める1点の価値は敵と俺たちとでは全く違う! 俺たちが決めればエルドラドチーム全体のムードが変わる!」
「だからこそ、なんとしてでも1点取る……そういうことですね」
鬼道の目の前にあるライン側まで歩み寄って言う剣城に、鬼道は深く頷く。
「次の試合を控える者に、勝利の希望を残すんだ」
「勝利の希望……!」
鬼道の言いたいことが伝わった剣城は、この試合で自分たちがやるべきことを理解した。
「瑞貴さん、いったいどういうことなんですか? 鬼道監督の言ってることって『勝てない』って聞こえるんだけど……」
「うん、負けるよ。この試合」
「「ええ/なぬー!?」」
なんとなく追いつけない水鳥が問うと、瑞貴は否定もせず逆に頷いたのでワンダバと共に驚きの声を上げた。
「水鳥ちゃん、ワンダバ、私たちは何度かシュートチャンスがあったけど、それはどうなった?」
「えっ? そりゃ決められなかったけど……」
「ウム。敵の化身技が強力過ぎてな」
「他の選手もラフプレーが目立つとはいえ、超能力を使わなくても個人の実力は強い。残りのチームも特色はわからないけど同等か、それ以上の強さといってもいいよね」
「ああっ!」
「そ、それでは全敗ではないか! フェイがいたときも無失点のままだというのに!」
このままだと絶望だと慌てる水鳥とワンダバだが、瑞貴は口角を上げて人差し指を上げる。
「だけど今までのエルドラドとの試合を思い出して。相手のチームから1点でも取ることができれば?」
「「えっ?」」
瑞貴の問いに二人はお互い顔を見合わせ、もう一度瑞貴に顔を向けると――。
「「勝てない敵じゃない!」」
「そう。勝利は目に見えるけど、希望は目に見えないからこそ、もっとも価値がある」
さっきとは打って変わって顔を輝かせた二人に、瑞貴はコクリと頷いてエルドラドチーム02とエルドラドチーム03の客席を見上げた。
エルドラドチーム01のボールで試合再開。ダーナからボールを受け取った剣城が走り出すと同時に、GKの三国以外の選手が相手の陣地へ向かって走り出す。
《なんと! エルドラドチーム01、ここでキーパーを除く全員で攻撃を仕掛けて来たぞ――っ!!》
「ムダだ! もう一度いくぜぇ!」
ガロの合図でボールを持つ錦に再びブレイクアタックが集中していく。なんとか錦はボールをキープしているとはいえ、奪われるのが先か体が倒れるのが先かのどちらかの状態だ。
「徹底的に潰してやる!」
「…………」
錦を中心にジプスとロデオとデオスが三角状に囲んでいる。ジプスが錦に向けてそう言う中、剣城は鬼道の言葉を思い出す。
『敵の目は錦に向いている。その隙を突くんだ』
『隙……?』
『敵の弱点を見極めろ。どうすれば得点できるのか、それを考えるんだ。――キャプテンとして』
鬼道の指示に剣城は深く頷いた。そしてそれを見極めるため、ついに剣城が動き出す。
(フェイのことでみんな動揺している……!)
「どうした!? もっと楽しませてくれよ! ふんっ!」
「ぐうっ!」
ガロがノーマルシュートを撃つが、他のみんなと同じく動揺している三国は自身ごとゴールに入れられてしまった。
《ゴォ――ルッ!! チーム・ザン、決定的な追加点を上げた――っ!!》
「なんという強さだ……! 気持ちの上でも敵に圧倒されている……!」
「このままじゃ負けてしまう……!」
「だとすれば……」
「私たちがこの試合でやるべきことは……」
鬼道有人と瑞貴は共に敵の予想以上の強さに衝撃を受けた。だがただで終わるわけにはいかないので、それならばと顔を見合わせて頷き合うと、鬼道は剣城を呼ぶ。
「剣城!」
「!」
「ハーフウェイラインを越えて、DFも敵陣地まで上げろ!」
「っ!? まさか全員攻撃!? それは無謀です! 逆に失点を重ねる可能性があります!」
「冷静に試合を見ろ。フェイがいない今、この試合は負けると見るべきだ。ならば次の勝利のための布石を打つ!」
「しかし――」
「いいか、ここで決める1点の価値は敵と俺たちとでは全く違う! 俺たちが決めればエルドラドチーム全体のムードが変わる!」
「だからこそ、なんとしてでも1点取る……そういうことですね」
鬼道の目の前にあるライン側まで歩み寄って言う剣城に、鬼道は深く頷く。
「次の試合を控える者に、勝利の希望を残すんだ」
「勝利の希望……!」
鬼道の言いたいことが伝わった剣城は、この試合で自分たちがやるべきことを理解した。
「瑞貴さん、いったいどういうことなんですか? 鬼道監督の言ってることって『勝てない』って聞こえるんだけど……」
「うん、負けるよ。この試合」
「「ええ/なぬー!?」」
なんとなく追いつけない水鳥が問うと、瑞貴は否定もせず逆に頷いたのでワンダバと共に驚きの声を上げた。
「水鳥ちゃん、ワンダバ、私たちは何度かシュートチャンスがあったけど、それはどうなった?」
「えっ? そりゃ決められなかったけど……」
「ウム。敵の化身技が強力過ぎてな」
「他の選手もラフプレーが目立つとはいえ、超能力を使わなくても個人の実力は強い。残りのチームも特色はわからないけど同等か、それ以上の強さといってもいいよね」
「ああっ!」
「そ、それでは全敗ではないか! フェイがいたときも無失点のままだというのに!」
このままだと絶望だと慌てる水鳥とワンダバだが、瑞貴は口角を上げて人差し指を上げる。
「だけど今までのエルドラドとの試合を思い出して。相手のチームから1点でも取ることができれば?」
「「えっ?」」
瑞貴の問いに二人はお互い顔を見合わせ、もう一度瑞貴に顔を向けると――。
「「勝てない敵じゃない!」」
「そう。勝利は目に見えるけど、希望は目に見えないからこそ、もっとも価値がある」
さっきとは打って変わって顔を輝かせた二人に、瑞貴はコクリと頷いてエルドラドチーム02とエルドラドチーム03の客席を見上げた。
エルドラドチーム01のボールで試合再開。ダーナからボールを受け取った剣城が走り出すと同時に、GKの三国以外の選手が相手の陣地へ向かって走り出す。
《なんと! エルドラドチーム01、ここでキーパーを除く全員で攻撃を仕掛けて来たぞ――っ!!》
「ムダだ! もう一度いくぜぇ!」
ガロの合図でボールを持つ錦に再びブレイクアタックが集中していく。なんとか錦はボールをキープしているとはいえ、奪われるのが先か体が倒れるのが先かのどちらかの状態だ。
「徹底的に潰してやる!」
「…………」
錦を中心にジプスとロデオとデオスが三角状に囲んでいる。ジプスが錦に向けてそう言う中、剣城は鬼道の言葉を思い出す。
『敵の目は錦に向いている。その隙を突くんだ』
『隙……?』
『敵の弱点を見極めろ。どうすれば得点できるのか、それを考えるんだ。――キャプテンとして』
鬼道の指示に剣城は深く頷いた。そしてそれを見極めるため、ついに剣城が動き出す。